2013年10月16日水曜日

Piano Lesson:レガートとスタカート

ここからは、タッチ(レガート、スタカート、ノンレガート)の話である。まずは、4つのスタカートタッチと3つのレガートタッチ。

🎦Piano Masterclass on Legato & Staccato from Steinway Hall, London


最初に4種類のスタカート。「スタカート」の意味は "short"(短い)ではなく "separate"(分ける・離す)である。離す度合いにより、色んなスタカートが生まれる。


①フィンガー・スタカート(スタカーティッシモ)

腕は受動的に(ゆるめて?)じっとした状態で、指先(very active)を手のひら方向に引っ張る(引っかく?)ように弾くことで、非常に短い、鋭いスタカートを生み出すことが出来る。

②リスト・スタカート

指先はしっかりした状態で、手首から弾ませる。軽いパッセージに使うことができる。

③前腕スタカート

手首と指はしっかりして、前腕から弾ませる。

④腕全体で弾くスタカート

背中と肩から弾く感じ。腕全体をバネのようにして、大きく弾く。全体を使うので、楽に弾けて、大きな音を出すことができる。


レガートに移る前に「ブレンディング」の話。

4つのスタカートがあるといっても、ここはフィンガー、ここはリスト、というように厳密に分けられる訳ではない。曲の中で、フレーズの中で、表現する音楽にしたがって弾き方をブレンドすることになる。

また、腕~手首~指先についても、使う割合が、つまりブレンドする比率が変わるだけで、どこか一部だけを使うということはありえない。


次にレガートである。レガートとは「つなぐ」ことである。

①標準的レガート

初心者が最初に習う弾き方。次のキーを弾くと同時に前の指を離す弾き方で、指で歩くように続けて弾くレガートである。

②レガーティッシモ

とくに「カンタービレ」に歌う必要があるメロディに使う弾き方である。前の音と次の音が少し(一瞬)かぶるくらいまで、前のキーを押さえておく。次の音のアタック音(音の立ち上がり)が前の音の響きでマスクされるので、柔らかい音色になる。

③フィンガー・ペダリング("overholding touch")

例えば、左手のアルペジオを、ペダルなしで普通に弾くとドライになりすぎるが、足ペダルを使うと音が響きすぎ(濁りすぎ)になる場合に、指でその中間の効果を出す弾き方。アルペジオを弾くときに、弾いた指を(次に動かす必要がでるまで)離さずに置いておく、というやり方である。もちろん、必要であれば足のペダルを併用してもよい。

参考:



【感想】
スタカートは鋭く切る、レガートは滑らかにつなぐ、くらいの意識しかなかった私にとっては、まさに「目からウロコ」のレッスンであった。とくに、スタカートは「セパレート」という説明は、メロディーをつなぎながらスタカートで弾くときの感覚と合っていると思った。



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