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2024年9月29日日曜日

シューベルトのピアノソナタ「全集」を録音しているピアニストたち

昨日の記事《シューベルトのピアノソナタ、全体像を把握したい…21曲中10曲は未完?》に続いて、ピアニストたちが録音しているシューベルトの「ピアノソナタ全集」がどういう構成・内容になっているか、ざっと調べてみた。

下記は主なピアニストの「全集」に含まれる曲目の一覧表である。なお、「全集」と銘打っていない「ソナタ集」も色々あるが、舘野泉、ラドゥ・ルプーのものを参考に載せた。「No.」のリンク先はその作品の解説記事(おすすめの演奏を含む)。


No.スコダシフレオンスカヤ内田光子バレンボイム舘野泉ルプー
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まず、第12番 D 655 は第1楽章の冒頭73小節だけの断片なのでまず弾かれることはない。それを前提に「全集」を見てみると 3つくらいのパターンに分類できそうだ。

( )内は録音年。

①全 20曲
 ・パウル・バドゥラ=スコダ(1991〜1996)
  ※ピリオド楽器、D 655 を除外し第 1〜20番の番号で呼んでいる
 ・ミシェル・ダルベルト(1989〜1995)

② 18曲:完結楽章を含まない第8・10番を除外
 ・レオンスカヤ(2015, 2017)
 ・ケンプ(1965~1970)
 ・ワルター・クリーン(1971〜1973)*1
 ・シフ(1992, 1993)
  ※第8番は第1楽章(未完)だけ弾いている

③完結した 11曲 +第15番「レリーク」
 ・ポール・ルイス(2001〜2022)
 ・内田光子(1996~2001)
 ・バレンボイム(2013, 2014)
  ※第15番は含まれない


*1 Walter Klien、オーストリア、1928 - 1991


少し変わった例として、マルティーノ・ティリモ(Martino Tirimo、キプロス、1942 - )の「全集」がある。自らが校訂を担当した「ウィーン原典版」(音楽之友社)によるもの。

第7番は通常 D 568 変ホ長調であるが、「ウィーン原典版」では別稿の D 567 ニ長調となっており、D 568 は第8番と呼ばれている。「第9〜12番」は通常の第8〜11番に相当しており、D 655(通常の第12番)が除外されている。第13番以降は通常と同じ番号。

簡単に言うと、①全20曲に D 567 が追加されている。




以下、主なアルバムを載せておく。♪ は YouTube のアルバム音源。


パウル・バドゥラ=スコダ(Paul Badura-Skoda、オーストリア、1927 - 2019)

Schubert: The Complete Piano Sonatas Played On Period Instruments




「バドゥラ=スコダ自身が所有する、19世紀に作られたオリジナルのフォルテピアノ5台を弾き分けていることが特徴で、その多彩で個性的な音色が大きな魅力となっています。中でも第2番第4楽章(=アレグレット断片 D346)、第16(17)番第1楽章などで使用される、トルコ風の打楽器が鳴るペダルのインパクトは強烈」


エリザーベト・レオンスカヤ(Elisabeth Leonskaja、ジョージア、1945 - )


💿Schubert: The Complete Piano Sonatas, Wanderer Fantasy


✏️Schubert: The Complete Piano Sonatas (8CD) / シューベルト:ピアノ・ソナタ全集(Warner  Music Japan)

録音:2015, 2017年、ブレーメン・ゼンデザール




…ということで、シューベルトのピアノソナタに関する全容(概要)は大体わかったので、第1番から(12番も含めて)順次聴いて行こうと考えている。

第1番については、すでに 5人くらいのピアニストの演奏を聴いて、お気に入りの演奏も見つけたところである ♪



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