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2015年4月30日木曜日

ピアノ演奏と論語「七十而従心所欲、不踰矩」?

一昨日、《「新即物主義」v.s.「19世紀ロマンティシズム」》というタイトルの記事を書いた。青柳いづみこさんの『どこまでがドビュッシー?』という本からの話題である。

タイトルは難しいが、要は、楽譜どおりに几帳面に弾くのか、「ロマンティック」にテンポを揺らしながら大きく表情をつけて弾くか、という主義主張の違いの話であった。

この記事を書きながらふと頭に浮かんだのが、「論語」の中にある次の言葉である。

七十而従心所欲、不踰矩

ピーター・ゼルキン:B(Pianist Check)


 ピアニスト・チェック →《ピアニスト一覧表》

ピーター・ゼルキン

(アメリカ、Peter Adolf Serkin)


名前は以前から知っていた。たぶん有名なピアニストなので、期待して聴いてみたが、正直言って好みではない。どの演奏を聴いても、何か私のイメージと違うし、やや乱暴に聴こえることもある。ときどきミスタッチもあるような気がした。
最初に聴いたのが、2003年日本での演奏(TV録画なので音質はあまりよくない)。1番目の現代曲、ウォルベという作曲家の「パッサカリア」という曲。12音音楽らしいが、初めて聴くせいか面白いと思った。ところが、ベートーヴェンの2曲(ソナタ第30番とディアベリ変奏曲)はまったく私の好みではなく、途中で聴くのをやめた。もう一つが、これも2003年の「N響アワー」の録画で、ブラームスのピアノ協奏曲を聴いた。冒頭の解説で現代曲が得意だという紹介があった(やはり)。力強い弾き方からして、協奏曲だと少しはいいかと思ったのだが、残念ながら最初に聴いたベートーヴェンと同じ印象であった。
「有名」という意味では、父親のルドルフ・ゼルキンとごっちゃになっているかも知れない。一応、現代曲を聴くときにピーター・ゼルキンの名前を思い出すとしよう。

総合評価:B (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月29日水曜日

近況:ベートーヴェンのソナタ第27番 後半の難所!

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第27番第2楽章の練習を始めて、そろそろ1カ月が経とうとしている。進み具合としてはあまりよくない。1〜2週間前はわりと順調な感じだったのだが…。

ロバート・レヴィン:-(Pianist Check)


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ロバート・レヴィン

(アメリカ、Robert D. Levin)


ベートーヴェンの協奏曲第1番は、少し軽い感じがする(曲自体のせい?)が、好みの演奏である。大音響を出しているわけではないが、小さい音も芯があって歯切れがよい。
これ以外に、まとまった演奏の音源はあまり見当たらず、講義(モーツァルトが多い?)などの映像がたくさん見つかった。演奏者としてよりも、「先生」としての活動に軸足を移しているのかも知れない。また、チェンバロやフォルテ・ピアノの演奏もあるので、そういう面からも「学者」的な印象を受ける。したがって、今回はピアニストとしての評価はしないことにする。
ただし、講義などの映像は(英語ではあるが)一度ちゃんと聞いてみたいと思う。

総合評価:- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月28日火曜日

「新即物主義」v.s.「19世紀ロマンティシズム」

いま、『どこまでがドビュッシー?』という本を読んでいる。青柳いづみこさんの、わりと新しい本(2014年10月刊)である。

下の [ 内容紹介 ] にあるように、音楽(作品)というのは、どこまで変えると・手を入れると、その音楽ではなくなるのか、という切り口で音楽を語っている。音楽の本質に関わるようなテーマかもしれない。様々な具体例で分かりやすく書いてあるので、とても面白く読める。

どこまでがドビュッシー?――楽譜の向こう側


[ 内容紹介 ]
音楽というのは、どこまでデフォルメしたらその音楽に聞こえなくなるのか。ピアニストはどこまで楽譜から自由になれるのか。最近新たに見つかったドビュッシーのスケッチを手がかりに、モノ書きピアニストが、作曲家にとって楽譜とは何か、そしてテキストとパフォーマンスの不思議な関係に迫る。

2015年4月27日月曜日

ギャリック・オールソン:B(Pianist Check)


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ギャリック・オールソン

(アメリカ、Garrick Ohlsson)


ピアノ協奏曲2つとソロを1つ聴いたが、あまり好みではない。その中では、ショパンのピアノ協奏曲第1番(1楽章途中まで)がまずまずという感じ。ブラームスの協奏曲第2番はそれなりの演奏。ただ、ところどころやや乱暴かなという印象があるのと、全体的にあまり面白くない。リストのメフィスト・ワルツは、この曲はあまり好きではないということを割り引いても、なんだかまとまりがないというか、弾き方も構成もやや粗雑な印象を受けた。

総合評価:B (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月26日日曜日

エマヌエル・アックス:A-(Pianist Check)


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エマヌエル・アックス

(ポーランド、Emanuel Ax)


ブラームスの協奏曲は、1番も2番もかなりいい感じの演奏。オーケストラとの一体感もバランスもいいし、ピアノの音色や響きも申し分ない。コントロールの効いた演奏は好みであるが、やや端正すぎるかもしれない。ヨーヨーマとのショパン「Polonaise brilliante」は素晴らしい。この二人の演奏はいくつかあがっているので、いずれ聴いてみようと思う。ソロの演奏があまりないのだが、ショパンのスケルツォはわりとよかった。
その他、マスタークラスの映像やインタビュー映像がたくさんある(一つ一つは短いが…)ので、参考になるかもしれない。

総合評価:A- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月25日土曜日

国際ピアノ・コンクールの審査員たち ♪

「ピアニスト・チェック」を歳の若い順からやっているのだが、60歳代を超えたあたりから、プロフィールに国際ピアノ・コンクールの審査員という肩書きもチラホラ現れる。

ちょっと気になったので、興味本位で、主な国際コンクール5つの審査員を調べてみた。どのコンクールも11〜14人くらいである。


ショパン・コンクール:日本人12人が事前審査を通過 ♪

今日、ショパン国際ピアノ・コンクールの事前審査結果が発表された。160人のうち、10月の第1次予選に進むのは、事前審査免除の7人を含む84人である。


審査の様子と思われる写真:公式サイトより引用

ミシェル・ベロフ:B+(Pianist Check)


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ミシェル・ベロフ

(フランス、Michel Béroff)


最初に「NHK Super Piano Lesson」の映像があったので聴いてみた。ラヴェル(ガスパール)はそれなりにいい感じ。ドビュッシー(ピアノのために:トッカータ)は、なかなかいいのだが、ちょっと硬質過ぎるかも知れない。ドビュッシーの演奏はたくさんあったので、いくつか聴いてみた。例えば「映像:水の反映」など。どれもいいのだが「よく弾けている演奏」という感じで、伝わってくるものが少ないような気がする。A-かB+で迷ったが、直感(好み)的にはB+。
ちなみに、「スーパーピアノレッスン」をはじめ、いくつかのマスター・クラスの映像もいくつかあるので、それはとても参考になりそうである。

総合評価:B+ (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月24日金曜日

「聴いてみたいピアニスト50人」チェック結果3

《聴いてみたいピアニスト50人:「ピアニストの系譜」から》のリストをもとに、お気に入りピアニストを探すためのチェックを続けている。今回ご報告するのは50代の8人。名前だけは知っているピアニストも何人かいる。

これまでのチェック結果はこちら。
 ↓


シプリアン・カツァリス:B+(Pianist Check)


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シプリアン・カツァリス

(フランス、Cyprien Katsaris)


最初に聴いたのが、ショパンのバラードとスケルツォ。なかなかの演奏だと思う。のだが、微妙なテンポ感・ルバート感とか表情のつけ方がなんとなく違和感のある部分がある。私の中にあるイメージとのズレなのだろう。次に聴いた「Hungarian Rhapsody」も、間の取り方に微妙な違和感(やや大げさ?)を感じたので、たぶん私の好みではないのだろう。耳に馴染んでない曲を探していたら、自作曲の即興演奏を見つけたので聴いてみた。イージーリスニングのような曲で面白いけれど…。

総合評価:B+ (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月23日木曜日

リーズ国際ピアノ・コンクール日本人出場者8人 ♪

リーズ国際ピアノコンクールは8月の末から開催されるが、すでに出場者79人のリストが発表されている。(昨日、ショパン・コンクールのサイトがガラッと変わっていてビックリしたので、他もチェックしていて発見…)

日本からの出場者は8人、全体の約10%を占める。ちなみに、ショパン・コンクールは160人中25人、チャイコフスキー・コンクールは63人中4人が日本人である。

デジュー・ラーンキ:B+(Pianist Check)


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デジュー・ラーンキ

(ハンガリー、Ránki Dezső)


最初に聴いたのがハイドンのソナタ4曲。あまり聴いたことのない曲だが、なかなかいい演奏だと思う。モーツァルトのリサイタル音源は、音もきれいでいいのだが、好みから言うと今ひとつ。なぜか惹かれるところがない。あえて言うと、真面目すぎて面白みのない演奏に聴こえる。リストの「ダンテを読んで」も、悪くはないのだが…。

総合評価:B+ (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月22日水曜日

ショパン・コンクールのライブ映像配信 ♪

久しぶりにショパン国際ピアノコンクールのサイトを見たら、いきなりライブ映像が目に飛び込んできた。サイトの作りもガラッと変わっている!

ショパン・コンクールは事前審査ラウンド(Preliminary Round、4月13日~24日)から、ライブ映像を配信しているようだ。すでに終わった分のビデオもある。

ゾルタン・コチシュ:B+(Pianist Check)


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ゾルタン・コチシュ

(ハンガリー、Kocsis Zoltán)


シューベルトのソナタは、ときおりいい感じのところもあるが、全体としてはまぁ普通。ショパンのバラードは悪くはないのだが、いまひとつ惹かれない。作曲・指揮もやるようで、ラフマニノフの"Vocalise"は自身によるアレンジ。曲としてはいい感じである。

総合評価:B+ (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月21日火曜日

近況:実家での集中練習?の成果…

先週ほぼ一週間、実家で「楽しく ♪ 集中練習」を行った。それも含めて、久々の近況報告である。

ヤーヌシュ・オレイニチャク:A-(Pianist Check)


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ヤーヌシュ・オレイニチャク

(ポーランド、Janusz Olejniczak)


YouTubeに上がっている音源はほとんどショパン。最初に聴いたバラード、悪くない。2番目に聴いたポロネーズ、いい!後半の盛り上がりは初めて聴くような音だ。3番目のノクターンもいい感じ。と、ここで気がついたのだが、オレイニチャクは「戦場のピアニスト」の演奏を担当したひとなのだ。納得。ショパン以外の作曲家も聴いてみたいと思い、探してみたが、見当たらない。なので、とりあえずA-評価としておく。

総合評価:A- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月20日月曜日

ベートーヴェン:ソナタ第27番について知る&お手本を探す

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第27番の第2楽章を練習し始めてから、すでに3週間が経つ。どんな曲なのか少し調べるのと、自分の練習のお手本になりそうな音源を探すことにした。

ピアノ・ソナタ 第27番 ホ短調
Sonate für Klavier Nr.27 e-Moll Op.90
1814年作曲、1815年出版
献呈:Graf Moritz von Lichnowsky

クリスティアン・ツィメルマン:A-(Pianist Check)


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クリスティアン・ツィメルマン

(ポーランド、Krystian Zimerman)


最初に聴いたのは、モーツァルトのソナタ。子供でも弾くような曲だが、さすがにツィメルマンが弾くと名曲である。ショパンのバラードはさすが、完璧だ。しかし、ショパンの協奏曲の方は「弾き振り」なのでちょっと期待したのだが、残念ながら好みの演奏ではない。ショパンの曲は、もしかするとテンポが難しいのかもしれない。難しいというより、人によってピッタリくるテンポが微妙に違うのかもしれない。
ベートーヴェンの全ピアノ協奏曲、さすがに一度には聴ききれないので、少しまとまった長さの「拾い聴き」をした。なんというか…、いいのだが、お手本のような弾き方で、いまひとつ面白くない。ベートーヴェンの協奏曲に面白さを求めているのか?と問われれば「それはそうだが…」と答えるしかないが。
ということで、本来AとかA+の評価をすべき大物だとは思うのだが、個人的な好みで言えばA-ということになった。

総合評価:A- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月19日日曜日

ミハイル・プレトニョフ:A-(Pianist Check)


 ピアニスト・チェック →《ピアニスト一覧表》

ミハイル・プレトニョフ

(ロシア、Mikhail Pletnev)


ムソルグスキー「展覧会の絵」はあまり好みの演奏ではない。スカルラッティのソナタは、実にたくさんの曲を弾いていて、2時間以上ある。ので、全部は聴いてないが(&スカルラッティはよく分からないが)演奏としてはいいんじゃないかと思う。スクリャービンの前奏曲集は悪くない。ベートーヴェンのピアノ協奏曲も全曲は聴けてないが、わりと好みの演奏である。

総合評価:A- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月18日土曜日

日本のピアノ音楽小史:ピアノ進化論から

ちょっと前に、『作曲家から見たピアノ進化論』という本からの話題を4つ記事にした。





面白いと思ったものをメモしているうちに4本になってしまったのだが、実はこの本のメインの部分は別のところにある。

それは、ピアノ音楽の歴史を、楽器の発展、作曲家の系統・流れ、作品の特徴・変遷、ピアノ奏法の移り変わり、電子音などとの融合、などの観点から分かりやすく解説している点である。


イェフィム・ブロンフマン:B+(Pianist Check)


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イェフィム・ブロンフマン

(ウズベキスタン、Yefim Bronfman)


ラフマニノフの協奏曲第3番はとてもいい。オーケストラとも一体感があって、豊かな音色・音量なのだが突出しない。でも十分に歌っている。プロコフィエフのソナタ、アンコールで(パワーあるなぁ)3楽章だけ弾いているようだが、これもなかなかいい。リストのエチュードは普通かな?(曲の好みの影響もあるかも…)
総合評価は、A-かB+で迷ったが、ソロの演奏が少なくて判断できないので、とりあえずB+とした。

総合評価:B+ (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月17日金曜日

ピアノ、止まらないで弾くために:持続力 ♪

ピアノ曲を1曲、最初から最後まで「止まらないで弾く」こと。2年ちょっと前に、ピアノ再挑戦を始めた時からの「夢」(ちょっと大げさか…)である。

イーヴォ・ポゴレリチ:B+(Pianist Check)


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イーヴォ・ポゴレリチ

(クロアチア、Ivo Pogorelić)


バッハのイギリス組曲はかなりいい感じ。ショパンのソナタは、悪くはないのだが、テンポ感・リズム感が私の感覚と違う。好みの問題かもしれないが…。ベートーヴェンのソナタ27番は、2楽章をいま練習中なのでじっくり聴いた。第1楽章の遅めのテンポは自分が弾く時のお手本にはいいかもしれないが…。第2楽章はいい感じだ。32番の方はやはりテンポに違和感がある。

総合評価:B+ (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月16日木曜日

ピアニスト・チェックで思ったこと

1カ月ほど前に『ピアニストの系譜』という本からリストアップした「聴いてみたいピアニスト50人」の一覧表から、少しずつYouTubeの音源を聴きながら、お気に入りピアニストを探している。

ほぼ半分まで来たが、演奏をチェックしながらちょっと気になったことがあるので書いてみる。「いい演奏」とは何かにつながることだと思われる。


マルク=アンドレ・アムラン:A(Pianist Check)


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マルク=アンドレ・アムラン

(カナダ、Marc-André Hamelin)


アムランの名前は前から知っていた。ただ、それほど聴いたことがなかったので、今回まとめて聴いてみた。どれもなかなかいい。ラフマニノフのプレリュード、ラヴェルのガスパール、カプースチンのソナタ、どれも好みの演奏である。しかし、今回一番気に入ったのが最後の"Various composers.."の演奏会。本人の自作も含めて、本当にヴァリエーションに富んでいる。しかも、ハイドンからベルクまで、それぞれが素晴らしい。これだけ広い範囲の作曲家を弾きこなす力は恐れ入る。

総合評価:A (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月15日水曜日

実家のピアノで集中練習?

今週は、久しぶりの実家である。いつもと違うピアノで練習するのは、やはり慣れるのに少し時間がかかる。2年前に書いた記事は、ほとんどそのまま当てはまる。
 ↓

ケマル・ゲキチ:A-(Pianist Check)


 ピアニスト・チェック →《ピアニスト一覧表》

ケマル・ゲキチ

(クロアチア、Kemal Gekić)


ラ・カンパネラはいい感じだが、まぁこの程度の演奏は他のピアニストでも…。ショパンのエチュードは後半がいい。《月光》ソナタはまあ普通、かな。リストの巡礼の年「イタリア」が、聴いた中では一番充実している。

総合評価:A- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月14日火曜日

「聴いてみたいピアニスト50人」チェック結果2

《聴いてみたいピアニスト50人:「ピアニストの系譜」から》のリストをもとに、お気に入りピアニストを探すためのチェックを続けている。今回ご報告するのは40代の14人。名前だけは知っているピアニストも何人かいる。

前回の、年齢不詳〜30代までのピアニストについてはこちら。
 ↓

エリック・ル・サージュ:A-(Pianist Check)


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エリック・ル・サージュ

(フランス、Éric Le Sage)


見つけた音源はほとんどシューマンだが、なかなかいい。ピアノ・ソナタ第3番はあまり聴いたことはないが、これを聴くとシューマンもなかなかいいと思わせる演奏だ。「Blumenstükop(花の曲)Op.19」は初めて聴く、まったく知らない曲だ。それなりにいい。3つ目の映像(演奏)はあまり良くないのと、他の作曲家の作品はほとんどないので、とりあえずA-としておく。

総合評価:A- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月13日月曜日

チャイコフスキー国際コンクール(ピアノ部門)日本人は4人

チャイコフスキー国際コンクールのサイトを何気なく見ていたら、 "CONTESTANTS" というページができていた。出場者の一覧表が載っている。

今年は、主な国際コンクールだけでも5つが開催されるという「当たり年」である。→《2015年は国際ピアノ・コンクールの当たり年!?》

その中で、チャイコフスキー・コンクールは先陣を切って6月に開催される。

クシシュトフ・ヤブウォンスキ:A(Pianist Check)

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クシシュトフ・ヤブウォンスキ

(ポーランド、Krzysztof Jablonski)


久しぶりにショパンのいい演奏を聴いたような気がする。ショパンは耳に慣れすぎているだけに難しい面がある。がこのスケルツォ3番は好ましい。スケルツォ第1番の方は私のイメージと少し違う感じがする。ノクターンも悪くない。しかし、何と言ってもベートーヴェンの《熱情》ソナタの演奏が素晴らしい。スピード感のあるダイナミックな演奏、それでいて乱れないし細かい音符も一つ一つ聴こえてくる。第3楽章しか見つからなかったが、ぜひ全曲を聴いてみたいものだ。

総合評価:A (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月12日日曜日

ヴァディム・ルデンコ:−(Pianist Check)

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ヴァディム・ルデンコ

(ロシア、Vadim Rudenko)


まともな音源が少ないので、今回は評価せず、とする。

総合評価:− (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月11日土曜日

ピアノ三・四・五重奏曲の名曲:LFJ予習2

ピアノ三・四・五重奏曲 入門

*ピアノ三重奏・四重奏・五重奏とは
*代表的な名曲とは
*実際に聴いてみよう

オリ・ムストネン:A-(Pianist Check)

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オリ・ムストネン

(フィンランド、Olli Mustonen)


バッハ(平均律)はきれいだが、まるでロマン派のような響き。バッハの演奏としては好みではない。シベリウスの小品3曲はいい感じ。さすが北欧の三羽ガラスの一人。作曲家でもあるようだ。ピアノ・ソナタ第1番「Jehkin Iivana」はたぶん彼自身の作、曲も演奏もいい(好みだ)。16歳の時の作品「バラード」はまずまず。
ピアニストとしてはB+くらいの評価だが、作曲家としての期待感を含めてA-とした。

総合評価:A- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月10日金曜日

ブラームスとマーラーのピアノ四重奏曲:LFJ予習

今年のラ・フォル・ジュルネ(LFJ)は、ピアノ四重奏曲を聴くことにした。が、ピアノ四重奏曲に限らず、これまで室内楽というものをあまり聴いたことがない。なので、少し早めに「予習」をすることにした。

まずは、当日の演目、ブラームスとマーラーのピアノ四重奏曲を聴くところから始めることにする。

アルトゥール・ピサロ:B(Pianist Check)

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アルトゥール・ピサロ

(ポルトガル、Artur Pizarro)


ベートーヴェンのソナタ32番の音源(一部)を聴いてみた。ややペダルが多すぎる感じ、と音楽が大雑把な印象。ショパンの前奏曲集も、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」もきちんと弾いているのだが、面白みがない。

総合評価:B (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月9日木曜日

[2015年来日ピアニスト](公演カレンダー3)

2015年来日予定のピアニストのリサイタル・カレンダーその3である。2月〜4月前半の分を削除し、新たに公表されたものを追加した。

なお、個人的なメモに近いものなので、開催場所はほぼ関東圏、ピアニストは私の趣味で(一部日本人ピアニストも含む)選んでいる。また、誤記などあるかも知れないので、その辺はご容赦を…。

ネルソン・ゲルナー:A-(Pianist Check)

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ネルソン・ゲルナー

(アルゼンチン、Nelson Goerner)


"Verbier Festival 2009"でのベートーヴェン(ソナタ26番)とショパン(ソナタ3番、エチュード Op.10-4,10)。とくにショパンのソナタ3番はメロディーの歌わせ方がいい。「18世紀オーケストラ」と共演しているショパンの2曲は、面白いとは思うが、ピアノの音は個人的には現代ピアノの方が好きだ。アルゼンチンなので?アルゲリッチと共演している映像があった。アルゲリッチと対応に渡り合っている。

総合評価:A- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月8日水曜日

ベートーヴェン:ソナタ27番の難所?いやいやエチュード!

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第27番 第2楽章の練習を開始して1週間。わりと順調な出だしだったのだが、早くも難所である。2ページの真ん中あたり(下記楽譜)。


ボリス・ベレゾフスキー:B+(Pianist Check)

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ボリス・ベレゾフスキー

(ロシア、Boris Berezovsky)


1時間45分のリサイタル映像があったので楽しんだ。ベレゾフスキーといえば力強さ(やや乱暴に近いこともある)という印象を持っていたが、ドビュッシーも意外にいい?が、欲を言えば、音色のバラエティはもう少し欲しい気がする。ラフマニノフはこの人にあっているのだろう。途中20数分話などが入ったあと、チャイコフスキー。これも悪くない。2つ目の音源、アンコールで弾いているショパンも悪くはないのだが、なぜかわざわざ聴こうとは思わない。協奏曲(ラフマニノフの2番)では、力強さがプラスになっているとは思うが、いまひとつ説得力のようなものを感じない。

総合評価:B+ (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月7日火曜日

「地道にコツコツ」と「夢」

新しく始まったNHKの朝ドラ「まれ」。ほぼ私の朝食時間に放映されているので、なんとなく見ている。

ドラマの仕立て方(場面設定、登場人物のキャラ、雰囲気など)が、まったく「あまちゃん」とかぶっている、という印象はさておき…。

この主人公の口ぐせ「地道にコツコツ」が少し気に入っている、かもしれない。ケーキ職人になりたいという「夢」を胸の奥にひそませながら、この「コツコツ」を口にする。何か「コンプレックス(複雑!?)」という言葉を絵にしたような状況設定である。

ニコラ・アンゲリッシュ:A-(Pianist Check)

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ニコラ・アンゲリッシュ

(アメリカ、Nicholas Angelich)


ブラームスのピアノ協奏曲第1番。最初は、ピアノがオーケストラに負けているような印象であったが、曲が進むうちに段々良くなってきた。オーケストラの表現力とピアノの響きの一体感が出てきた。 ソロは、ゴルトベルクのアリアがあったので聴いてみた。好きな曲だから、というのもあるだろうが美しい。トロイメライも、風貌に似合わず(?…失礼!)なかなかきれいだ。

総合評価:A- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月6日月曜日

ベートーヴェン:ソナタ27番 第2楽章の構造

3日ほど前の記事《ピアノ練習にもティッピング・ポイントはあるのか?》に書いたように、一つの曲を練習していくと、「どうにもならない四苦八苦状態」から「なんか弾けそう」と思えるところにステップ・アップする「ポイント」がありそうである。

そして、そのポイントにできるだけ早く到達するための、なんらかの方法があると信じている。とりあえず、いま練習中のベートーヴェンのソナタ(27番の第2楽章)で、いくつかのことを試してみることにした(↓)。
  1. ピアノを弾いていないときにも暗譜と曲の把握の努力をする
  2. 指使いの確定を早くする(楽な形もできるだけ早く決める)
  3. 練習の中では「指で覚える」努力を意識して行う

ラルス・フォークト:B+(Pianist Check)

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ラルス・フォークト

(ドイツ、Lars Vogt)


ショパンのノクターンはやや頼りなげにも聴こえるが好ましい演奏だと思う。モーツァルトの協奏曲20番は、やさしく丁寧な演奏で好感が持てるが、やや物足りない。しかし、16番の方は素晴らしい。規模の大きな室内楽を聴いているかのように、ピアノとオーケストラの息がぴったり合っている。それでいてピアノ(の音色)の存在感はしっかりして美しい。ベートーヴェンの協奏曲第1番(珍しい…)はまずまず。
A-かB+で迷ったが、ソロが少ないので、とりあえずB+とした。

総合評価:B+ (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月5日日曜日

LFJチケット購入:"恋する作曲家たち~"って?+コロベイニコフ

LFJ(ラ・フォル・ジュルネ)のチケットをやっと購入した。

今回は、趣向を変えて、ピアノ・ソロではなくピアノ四重奏曲。…と言いたいところだが、チケットが残っていて、マスタークラスの時間との関係で候補を絞った中で、一番聴いてみようと思ったプログラムがこれだった、というワケ。



ペーテル・ヤブロンスキー:A-(Pianist Check)

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ペーテル・ヤブロンスキー

(スウェーデン、Peter Jablonski)


最初に見つけたのがプロコフィエフのソナタ7番(戦争ソナタの1つ)。この曲は一度くらいしか聴いたことがないので自信はないが、演奏としてはいい方じゃないだろうか?「乱暴」とも思える音は(汚くはないのだが)好みではないが、そういう曲なのだろう。
ショパンの幻想ポロネーズはそれなり。マズルカは普通、あまり好みの演奏ではない。ドビュッシーの前奏曲「花火」はいい感じ。グリーグの小品も悪くない。
総合的には、B+かA-で迷ったが、どの演奏も一定水準以上なので A- とした。得意な曲が他にありそうな気がする。

総合評価:A- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月4日土曜日

アルカディ・ヴォロドス:A(Pianist Check)

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アルカディ・ヴォロドス

(ロシア、Arcadi Volodos)


ブラームスの協奏曲第2番と変奏曲など4曲を弾いている音源が見つかったので、じっくり聴いてみた。ブラームスの曲はあまり知らないのだが、この演奏はいい感じである。正統派の弾き方(と思われる)がブラームスにあっているのかも知れない。好みで言えば、"Intermezzo & Capriccio"と変奏曲Op. 21 No. 1がとくに気に入った。
シューベルトのソナタは実に美しい。音色が際立っているし、デュナーミクの表現もいい。スクリャービンのソナタは、こういう曲なのでこういう弾き方になるのだろう。ビゼーの自身によるトランスクリプションは、まぁこういう一面もある、ということで、よくも悪くもないか…。

総合評価:A (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

ラ・フォル・ジュルネのマスタークラス

昨日、ラ・フォル・ジュルネのサイトをチェックしたら、マスタークラスのスケジュールが掲載されていた。去年演奏を聴いたアンヌ・ケフェレックさん、一昨年聴いたエル=バシャさんのクラスもある。

マスタークラスと有料プログラムを組み合わせて、やっと予定を立てることができる。

2015年4月3日金曜日

ピアノ練習にもティッピング・ポイントはあるのか?

ちょっと前に話題になった…と書いてからネットで確認したら15年も前の本だった…(^^;)! 『ティッピング・ポイント』という本、現役時代に読んだ記憶はあるが、内容は覚えてない。


Amazonサイトの商品説明にはこう書いてある。

「あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間」。これが大きな話題を呼んだティッピング・ポイントの内容である。売れなかったモノが爆発的に売れたり、犯罪率が著しく増減したりといった謎の多い現象を解明しようとしたのが本書である。

2015年4月2日木曜日

4月の曲=ベートーヴェン:ピアノソナタ第27番 第2楽章 ♪

4月からの練習曲はベートーヴェンのピアノソナタ第27番の第2楽章に決めた。

緩徐楽章ではあるが、終楽章でもある。このソナタは2楽章構成なのだ。やや長い。演奏時間(バレンボイム)で8分くらい、楽譜で9ページある。



ニコライ・ルガンスキー:B-(Pianist Check)

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ニコライ・ルガンスキー

(ロシア、Nikolai Lugansky)


名前は聞いたことがあるので期待して聴いてみたが、残念ながら好みではない。ラフマニノフなどに定評があるようだが、私の耳にはやや乱暴に聞こえる。どうも現代ピアノ業界の流行りは「大きな音」に高い評価を与えるような傾向があるように感じる。では、協奏曲はどうかというと、聴いた範囲ではラフマニノフもベートーヴェンも好みではなかった。というか、オーケストラと今ひとつ呼吸が合ってないように聴こえる。ピアノの音も直線的というか、深みや幅を感じない。

総合評価:B- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月1日水曜日

新年度スタート:初心に返る !

今日は4月1日、現役時代であれば新年度スタートの日である。

が、リタイアした身にとっては普通の日。しかし、それではいけない、1年の1/4が終わった区切りとして、心新たに再スタートを切る日にしなくては! と思ったのだ。そういえば、会社では「四半期」という3カ月ごとの区切りもあったっけ…。

で、久しぶりに今年の目標を読み返してみた。

  1. ピアノの上達
  2. ピアノ練習曲
  3. ピアノ曲鑑賞
  4. 音楽イベント

イングリット・フリッター:B-(Pianist Check)

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イングリット・フリッター

(アルゼンチン、Ingrid Fliter)


ショパンの演奏は、2曲ほど聴いたがあまり好みではない。ベートーヴェンの「テンペスト」の第2楽章はわりといい。一つの楽章だけでは分からないが、ベートーヴェンの方が合っているのでは? 協奏曲はショパンとモーツァルトを少し聴いてみたのだが、ショパンはリズム感や間の取り方がイメージと合わない、モーツァルトは平凡?面白くない。

総合評価:B- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)