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2015年4月18日土曜日

日本のピアノ音楽小史:ピアノ進化論から

ちょっと前に、『作曲家から見たピアノ進化論』という本からの話題を4つ記事にした。





面白いと思ったものをメモしているうちに4本になってしまったのだが、実はこの本のメインの部分は別のところにある。

それは、ピアノ音楽の歴史を、楽器の発展、作曲家の系統・流れ、作品の特徴・変遷、ピアノ奏法の移り変わり、電子音などとの融合、などの観点から分かりやすく解説している点である。



ピアノ音楽だけに限定されていること(ワーグナーなどは登場しない)で、とても理解しやすくなっている。また、作曲家が生きた時代の楽器(発展途上のピアノ)の説明があるので、ピアノ音楽への理解が深まる。楽器の制約が作曲家に影響を及ぼすだけでなく、作曲家の要求によりピアノも進化していくのである。

で、そのあたりをまとめたいと思ってメモを取ったのだが、思ったより膨大な量になり(時間もかかり…)、すぐには整理できそうもない。それで、今回は「日本のピアノ音楽小史」とでも言えそうな、日本の主要な作曲家・ピアノ作品のメモ(一覧表)をご紹介しておく。


以前、日本の現代ピアノ曲を少しだけ調べたことがある(→《【現代ピアノ曲】日本人作曲家 》)が、残念ながらここにある「主要な曲」は入ってない。いずれ、どんな曲なのか聴いてみたいと思っている。

※ 数字は作曲年、( )内は特徴など


滝廉太郎
 《メヌエット》1900(日本初のピアノ曲?)
 《憾(うらみ)》1903

松平頼則 (12音技法と雅楽のドッキング)
 《ソナタ》1949
 《越天楽による主題と変奏》Pf版 1983
 《六つの前奏曲》1975
 3曲のピアノ協奏曲

早坂文雄 (武満徹の師)
 ピアノ協奏曲 1948

武満徹 (1930-1996)
 《二つのレント》1950
 《遮られない休息》1952/59
 《ピアノ・ディスタンス》1961
  (音響としての単音、旋律の断片、オブジェとしての和音、等)
 《フォー・アウェイ》
 《閉じた眼Ⅰ・Ⅱ》1979/88
 《コロナ》 (図形楽譜:デザイナー杉浦康平との共同作品)
 《クロッシング》 ( 〃 )

湯浅譲二 (1929−)
 《スリー・スコア・セット》
 《内触覚的宇宙Ⅰ》1957
 《プロジェクシオン・トポロジック》1959
 《オン・ザ・キーボード》1972 (内部奏法等への反論?)
 《内触覚的宇宙Ⅱートランスフィギュレーション》1986
 《メロディーズ》1997
 《プロジェクション》2004(2台ピアノ)

一柳 慧 (1933-)
 《ピアノ音楽第1〜第7》1959- (図形楽譜・「直観音楽」)
 《ピアノ・メディア》1972
 《タイム・シークエンス》1976
 《雲の表情》1980代
 ピアノ協奏曲第1番《空間の記憶》
 ピアノ協奏曲第2番《冬の肖像》

間宮芳生
 《ピアノ・ソナタ》(とくに第2番:1973)
 《プレリュード集》
 《エチュード集》
 4曲のピアノ協奏曲
 《ヴァイオリン、ピアノ、打楽器とコントラバスのためのソナタ》

松下眞一
 《スペクトラ》シリーズ

松村禎三
 《ピアノと弦楽四重奏のための音楽》1962
 2曲のピアノ協奏曲 1973/1978

矢代秋雄
 《ピアノ・ソナタ》1961
 《ピアノ協奏曲》1967

 《シェーヌ〜ピアノのためのプレリュード》1973
 《アン・ヴェール》1980

諸井誠
 《ピアノのためのαとβ》

佐藤慶次郎
 《ピアノのためのカリグラフィー》

高橋悠治
 《クロマモルフⅡ》
 《ローザスⅡ》
 《メタテーシス》
 《毛沢東詞三首》

松平頼暁
 《アルロトロピー》

八村義夫
 《彼岸花の幻想》
 《錯乱の論理》



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