ページ

2015年4月24日金曜日

「聴いてみたいピアニスト50人」チェック結果3

《聴いてみたいピアニスト50人:「ピアニストの系譜」から》のリストをもとに、お気に入りピアニストを探すためのチェックを続けている。今回ご報告するのは50代の8人。名前だけは知っているピアニストも何人かいる。

これまでのチェック結果はこちら。
 ↓



文末の一覧表は、個人的な総合評価(好み)で「A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない」の3段階を基本にして、気持ちで「プラス/マイナス」をつけてある。Aランクには黄色(A)またはオレンジ色(A-)の網掛けをした。

また、Aランクには、聴いた中で一番いいと思った「お薦めの音源」を一つだけ記載してある。クリックするとYouTubeにとぶ。


お気に入り度 Aランクとしたのは、クシシュトフ・ヤブウォンスキ、マルク=アンドレ・アムランの二人。

クシシュトフ・ヤブウォンスキはまったく知らなかったピアニストである。ポーランド出身の50歳。Japan Arts のプロフィールによると、ショパン・コンクール入賞などの経歴を持ち、多方面で活躍している、ロマンティックな気質をもったピアニストとのこと。

また、紹介文の「フェルディナント・リース、アンリ・リトルフ、エルンスト・フォン・ドホナーニのピアノ協奏曲といった、あまり知られていない作品もレパートリーとしている」という部分に興味をひかれた。(ほとんど知らない作曲家だ…)

今回聴いた範囲で良かったのは、ショパンのスケルツォ第3番。久しぶりにショパンのいい演奏を聴いたような気がする。しかし、それにも増して素晴らしいと思ったのは、ベートーヴェンの《熱情》ソナタの演奏(第3楽章のみ)。スピード感のあるダイナミックな演奏、それでいて細かい音符もまったく乱れなく一つ一つ聴こえてくる。他のソナタもぜひ聴いてみたいと思う。


マルク=アンドレ・アムランの名前は、YouTubeで何度かお目にかかった(たぶん、メトネルとかアルカンあたり)が、まとめて聴いたのは今回が初めてである。

Wikipedia によると、フランス系カナダ人の53歳。「超絶技巧と洗練された演奏様式」で有名、とある。「演奏至難なことで名うてのレオポルド・ゴドフスキーやシャルル=ヴァランタン・アルカンのような19世紀の作曲家、そしてソフィー=カルメン・エックハルト=グラマッテやレオ・オーンスタイン、ニコライ・ロスラヴェッツ、フレデリック・ジェフスキーなどの20世紀の比較的マイナーな作曲家の再発見に努めてきた」というところは好ましいと思う。

今回聴いた演奏は、どれもなかなかいい。ラフマニノフのプレリュード、ラヴェルのガスパール、カプースチンのソナタ、どれも好みの演奏である。しかし、今回一番気に入ったのが下記の一覧表に載せた "Various composers.."の演奏会(曲目は下記)。本人の自作も含めて、本当にヴァリエーションに富んでいる。しかも、ハイドンからベルクまで、それぞれが素晴らしい。これだけ広い範囲の作曲家を弾きこなす力は恐れ入る。

 Debussy:”Snow is dancing”
 Haydn:Sonate No.41
 Berg:Sonate op.1
 Godowsky:”Metamorphoses symphoniques”..
 Hamlen:Nocturne
 Trenet/Weissenberg:”Un avril a Paris”
 Chopin:Etude No.7


A-(Aランクだと思うのだけど、あとプラス何かが欲しい)は4人。それぞれ簡単に感想を書いてみる。

エリック・ル・サージュは、ほとんどシューマンしか音源がなかった。ピアノ・ソナタ第3番はあまり聴いたことのない曲だが、これは良かった。この曲に関しては「A」ランク。もう少し他の作曲家の曲も聴いてみたい。

ケマル・ゲキチは、全般的に好みのタイプの演奏である。聴いた中では、リストの巡礼の年「イタリア」が一番充実していると思う。

ミハイル・プレトニョフは、スカルラッティのソナタとベートーヴェンの協奏曲(全曲→全部は聴けていないが…)がわりとよかった。もう少しじっくり聴くと「A-」が「A」になるかも知れない。

クリスティアン・ツィメルマンは、ショパンのバラードは良かった。ツィメルマンもベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲の音源があった。これは「お手本」のような弾き方に聴こえて、私の好みではなかった。ショパンの協奏曲の「弾き振り」もイマイチだったので、ソロの方がいいのかも知れない。


名前結果お薦めの音源
クリスティアン・ツィメルマンA-Chopin - 4 Ballades
ミハイル・プレトニョフA-Scarlatti Sonatas
イェフィム・ブロンフマンB+
イーヴォ・ポゴレリチB+
マルク=アンドレ・アムランAVarious composers
ケマル・ゲキチA-LISZT ANNEES DE PELERINAGE ITALY
エリック・ル・サージュA-Schumann - Piano Sonata No. 3
クシシュトフ・ヤブウォンスキABeethoven, piano sonata Op.57 Mov3



【関連記事】


《聴いてみたいピアニスト50人:「ピアニストの系譜」から》


  にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ 

0 件のコメント:

コメントを投稿