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2014年7月19日土曜日

ドビュッシー「アラベスク 第1番」の練習で得たもの

ドビュッシーの「アラベスク 第1番」を1ヵ月半練習して、ある程度弾けるようにはなったが、なかなか仕上がりというレベルには到達していない。

それでも、今回はかなりいい練習ができたと思っている。来週から新しい曲に取り組もうと考えていることもあり、ここで一度「練習成果?」をまとめておきたい。


《 》で囲んだブログ記事をなぞって、時間軸で振り返ってみる。★をつけたのはお薦めの記事。

■ 選曲理由と目標設定

この曲を選んだ理由は「フランス物」への憧れであった。去年の初めにラヴェルが好きになって、いつかは1曲くらいラヴェルを弾いてみたいものだと思っていた。

その後、今年のラ・フォル・ジュルネをきっかけにフランス物の曲を調べたり聴いたりしているうちに、「次はフランス近現代」と決めて選曲をはじめた。



あまりにも有名な「月の光」や「亜麻色の髪の乙女」は避けて、「アラベスク 第1番」に決めたのだが、私にとって技術的な課題が明確だったことも選定理由のひとつであった。

つまり、「2:3」のポリリズム、左手のアルペジオ、右手の軽やかなメロディー・ライン、速度・強弱の変化、そして音色と響き、など。



で、こんな感じで目標の設定をした。

①「2:3」のポリリズムをマスターすること
②楽譜どおりの「rit. → a tempo」を確実に
③楽譜どおりにペダルを踏めること
④音のバランス(メロディーライン、ハーモニー)
⑤自分の気に入るような響きを出すこと(2~3箇所でも)



■ ポリリズムの克服と脱力の進歩

今回、私自身がいちばん進歩したと実感できたのは、「ポリリズム」と「脱力の進化?」である。

「2:3」のポリリズムは、ベートーヴェンなどでも出てきたので経験はあるのだが、苦手意識が強い。「アラベスク」の場合、曲全体に何度も「主役」として登場する。なので、練習方法をいろいろ考えてやってみた。


まだ完全とはいかないが、苦手意識は減ってきた。上の記事に書いたどの方法が一番効いたのかは分からないが、たぶん「合わせ技」なのだろう。


もうひとつは、「脱力」についての新たな発見。

当たり前かも知れないが、打鍵しているときだけではなく、その前後に脱力すること、さらにポジション移動などフレーズの切れ目で脱力すること、が大切なことを再認識した。これによって、余計な力みが減ってアルペジオがとても楽に弾けるようになった。



■ 曲を知る試み

今回は、曲に関する知識や解説記事も勉強してみた。関連する本も読んだ。弾くこと自体に役に立ったかどうかはよく分からないが、少なくとも頭では少し分かった気にはなった。


お手本演奏も、今回は複数の演奏を聴いてみた。



■ 悩み(お楽しみ?)はまだ続く

…と、最初は本当に弾けるのだろうかと始めた曲であったが、努力の甲斐?あってか少しは何とかなってきた。確実に進歩したという実感もある程度はある。しかし、冷静に見るとまだまだ仕上がりにはほど遠い状態で「悩み」が続いている。



「指が覚えない」「暗譜できない」という問題は、練習時間とともに何とかなってきたのだが、「止まらずにミス少なく弾き通す」ということがまったくできていないのだ。

「力み」が減ったとはいえ、5~6分の曲を弾いている中で、ぎこちない所もあるし、弾き終わりは結構疲れも感じるので、やはり弾き込みが足りないのと、「脱力」が不完全なのだと思う。

「ふわっと脱力」して「滑らかにゆっくり」弾く、という練習方法も意識して取り入れているのだが、たぶん効果が出るまでにはもう少し時間が必要なのだろう。



…ということで、「アラベスク 第1番」はもう少し続けるつもりである。一日に15分くらい(2回の通し練習程度)で細く長く、という感じでやってみようと思う。

さいわい、この曲はとても気に入っているし、今のところあまり飽きもきていない。当面の課題は「止まらずに弾く」である。以前からの課題ではあるが…。




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