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2014年7月20日日曜日

小菅優さんのラヴェル「ピアノ協奏曲」を聴いた!

昨日、小菅優さんの弾くラヴェルのピアノ協奏曲を聴きに行った。オーケストラはレナード・スラットキン指揮のフランス国立リヨン管弦楽団。オーケストラを聴くのは久しぶりである。曲目は下記。

  • ラヴェル:組曲『マ・メール・ロワ』
  • ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
  • サン=サーンス:交響曲第3番 作品78「オルガン付き」


場所は東京芸術劇場の1,999席のコンサートホール。入ったとたん、正面に据えられたパイプオルガンの美しい姿にしばらく目を奪われてしまう。サン=サーンスの交響曲に期待が膨らむ。

ちょっと小柄でどこか愛嬌のあるスラットキン氏が現れ、ひょいと指揮台に登るとすぐに演奏が始まる。

組曲『マ・メール・ロワ』は初めて聴く曲だが、きれいな曲である。パンフレットの説明で、「マ・メール・ロワ」が「がちょうおばさん(マザーグース)」という意味であり、もともとは子ども向けのピアノ連弾曲として作られたものだと知る。ペローなどの童話をもとにした小品5曲からなっている。


次にいよいよラヴェルのピアノ協奏曲である。グランド・ピアノが中央に据えられて、ややあって小菅さん登場。黒い衣装に赤いもの?を羽織っている。少しふくよかになったかな…(失礼!)。

曲の冒頭、一瞬、ピアノとオーケストラの息が合ってないような気がしたが、すぐにラヴェルらしいリズムが見事に刻まれて行く。こちらの聴く準備ができてなかったのかも知れない…。この指揮者、指揮台にのってから振りはじめるまでの時間が、私の感覚よりは少し短いような気がする。それはさておき、小菅さんのピアノも軽快でいい感じである。


第2楽章はしばらく緩やかなピアノ・ソロが続く。この部分は、大きなホールでは弾き方が難しいのだろうなと思った。ホール全体に聴こえる音量は必要だが、静けさの表現も必要だ。個人的にはもう少し音の響きとか陰影がほしかった。

第3楽章はいちばん聞き覚えのある楽章である。聴くたびにゴジラのテーマを思ってしまう。しかし、そんなことを思うまもなくラヴェルの世界に突入していく。それにしても、このオーケストラの統率力は見事である。音がピシッとあう感じが小気味よい。

初めて聴いた、生のラヴェルのピアノ協奏曲、満足のいくレベルであった。

で、満場の拍手に押されてのアンコールはショパンの練習曲(Op.25-1)。ベートーヴェン弾きのイメージのある小菅さんだったので、この曲はちょっと意外であったが、なかなかよかった。


休憩をはさんで、サン=サーンスの交響曲第3番。わりと好きな曲である。

これは、フル・オーケストラとオルガンの迫力に圧倒された40分間であった。アコースティックな弦の低音の響きが直接届いてくる。さらに、オルガンの音と振動が耳と身体に同時に押し寄せてくる心地よさ。

この時代のフランス音楽の中核には音の響きに対するこだわりがあると思う。その豊かで多彩な響きが次々に繰り出され、まったく退屈する暇を与えない。最後の派手な終わり方も、そこまでの展開が充実しているので違和感がない。即、万雷の拍手。(私の後ろの席の「ブラボーおじさん」がちょっとうるさかったが…)


それにしても、久しぶりに生で聴くオーケストラはやはりよかった。このリヨン管弦楽団は、大音量でも難しいリズムでも決して乱れない。バイオリンのユニゾンが大音量の一つの楽器から奏でられているように聴こえる。

オーケストラのアンコール曲は、日本公演の最終日ということで2曲。1曲目はフォーレのパヴァーヌ。

最後はオッフェンバックの「天国と地獄」、運動会の曲。フランスではどうだか知らないが、近くにいたフランス人らしいおばちゃんが、えらいノリで嬉しそうに口ずさみながら手拍子をたたいていた。コンサートって、かしこまって聴くというより、一種のお祭りなんだと…。(幸せな一日でした♪)



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