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2024年4月24日水曜日

Bach.KB.BWV815 フランス組曲第4番:イングリット・ヘブラー素晴らしい ♪

「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」プロジェクト、今日は『バッハの鍵盤音楽』紹介記事)の第14章「《フランス組曲》」から、フランス組曲第4番 変ホ長調 BWV815。

 


バッハは 1720年代〜1730年代にかけて一連の組曲(イギリス組曲、フランス組曲、パルティータ、序曲)を作曲・改訂・集成している。

「フランス組曲」の第1〜4番と第5番の断片は、1722年の「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳(第1集)」に含まれている。今日知られている 6曲の曲集としてまとめられたのは 1725年頃と考えられている。

参考《バッハ「フランス組曲」の基礎知識と各曲難易度》


フランス組曲第4番 BWV815 は、アルマンド、クーラント、サラバンド、ガヴォット、エール、メヌエット、ジーグという構成。メヌエットは初期稿にはなく、後に追加された。

また、異稿 BWV815a には、プレリュードと第2 のガヴォットが含まれ、メヌエットとジーグは入っていない。新バッハ全集の BWV815a にはメヌエットが入っているようだ。

ピアニスト(リヒテル、ヒューイットなど)によっては、メヌエットもジーグも省かずに「プレリュード、アルマンド、クーラント、サラバンド、ガヴォット Ⅰ 、ガヴォット Ⅱ 、エール、メヌエット、ジーグ」という 9楽章構成で演奏している人もいる。


今回は、これまでに見つけたピアニスト 15人ほどの演奏を、この組曲の中で一番気に入っているアルマンドで聴き比べてみた。

私の好きなアルマンドのイメージはややゆったりしていて、柔らかくふくよかな感じなのだが、意外にもそうでない解釈の方が多かったような気がする。

元気溌剌のテンポの速いアルマンドも悪くはないのだが、よほど説得力がない限り受け入れ難い。聴く側の持つイメージ(先入観?)というのは恐ろしいものだ…(^^;)。


で、結論から言うと、一番私のイメージに近くて気に入ったのはイングリット・ヘブラー、そして近いのがセルゲイ・シェプキン。部分的にはちょっとやり過ぎかも?…とは思いながらも、それなりにいいかな?…と思ったのがエカテリーナ・デルジャヴィナ。

ヘブラーの演奏では、エールとメヌエットの曲順が入れ替わって「…、メヌエット、エール、ジーグ」となっている。


イングリット・ヘブラー(Ingrid Haebler、オーストリア、1929 - 2023)

♪ Bach, J.S.: French Suites:アルバム
(BWV815:トラックNo. 18〜24)



セルゲイ・シェプキン(Sergey Schepkin、米/露、1962 - )

(BWV815:トラックNo. 21〜27)



エカテリーナ・デルジャヴィナ(Ekaterina Derzhavina、露、1951 - )
(BWV815:トラックNo. 19〜25)


参考:フランス組曲を全曲録音をしているピアニスト

  1. グレン・グールド:1971-73
  2. イングリット・ヘブラー:1980
  3. タチアナ・ニコラーエワ:1984
  4. アンドラーシュ・シフ:1991, 2010 等
  5. アンドレイ・ガヴリーロフ:1993
  6. アンジェラ・ヒューイット:1995
  7. ウラジーミル・フェルツマン:2005
  8. エフゲニー・コロリオフ 2006
  9. セルゲイ・シェプキン:2011
  10. アンドレア・バッケッティ:2012
  11. コルネリア・ヘルマン:2012/2014
  12. マレイ・ペライア:2013
  13. エカテリーナ・デルジャヴィナ:2014
  14. シュ・シャオメイ:2016
  15. ウラディーミル・アシュケナージ:2017
  16. イリーナ・メジューエワ:2021

その他、ピリスの 2番、リヒテルの 2番、4番、6番、アンデルシェフスキ、ケンプ、シモーヌ・ディナースタインの 5番などもある。


『バッハの鍵盤音楽』 第14章「《フランス組曲》」BWV812〜817 と関連組曲 BWV818、BWV819。

  1. BWV818 組曲 イ短調
  2. BWV819 組曲 変ホ長調
  3. BWV812 フランス組曲第1番 ニ短調
  4. BWV813 フランス組曲第2番 ハ短調
  5. BWV814 フランス組曲第3番 ロ短調
  6. BWV815 フランス組曲第4番 変ホ長調
  7. BWV816 フランス組曲第5番 ト長調
  8. BWV817 フランス組曲第6番 ホ長調


出典:

📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)

✏️フランス組曲 (バッハ)(Wikipedia)

✏️バッハ :フランス組曲 第4番 変ホ長調 BWV 815(PTNAピアノ曲事典)



【関連記事】
《J.S.Bach の鍵盤音楽》

《Bach.KB.BWV814 フランス組曲第3番:ヘブラー、フェルツマン、シェプキンなどの名演 ♪》


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