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2023年12月24日日曜日

2023年欧米メディアが注目したピアニスト:オラフソン、レヴィット、リム…

このブログの「10大ニュース」は書き終わったので、世間のクラシック音楽「2023年10大ニュース」のようなものを探してみた。相変わらず国内は寂しい状態で、ほとんどの記事は米欧なのが残念…(^^;)。

ピアノ関連ではヴィキングル・オラフソン、イゴール・レヴィット、ユンチャン・リムあたりが注目されている。ハープシコードのジャン・ロンドーの名前も上がっている。




ニューヨークタイムズは 25項目を順番を付けずに並べている。複数の人(音楽評論家?)が選んだものなので、年間の記事を集大成したものかも知れない。

それぞれに音源が付いているので、普段聴かないジャンルの音楽も含めて 2023年のクラシック音楽界を音で概観できる…かも…(^^)♪

✏️Best Classical Music Albums of 2023(The New York Times, 12/21)

そのうち 6つがピアノ(とハープシコード)関連。

  • Bach: ‘Goldberg’ Variations(Vikingur Olafsson
  • ‘Fantasia’(Igor Levit
  • Fauré: ‘Nocturnes & Barcarolles’(Marc-André Hamelin
  • ‘Gradus ad Parnassum’(Jean Rondeau, harpsichord)
  • Liszt: ‘Transcendental Études’(Yunchan Lim
  • Ravel: ‘L’Oeuvre Pour Piano’(Philippe Bianconi, piano)


最後の Philippe Bianconi(初めて聞く名前)のラヴェル以外は、大体聴いている。

オラフソンの「ゴルトベルク」は何度か聴いたのだが、個人的には今一つ物足りなさを感じた。下記記事に書いた感想は「きれいな音でいい感じの演奏なのだが、ややおとなしくてもう少しダイナミズムが欲しい」…だった。



イゴール・レヴィットの「Fantasia」も少し聴いただけが、こちらも期待した演奏とは何かが少し違っている感じで、いつも聴くレヴィットの説得力は感じなかった。


ユンチャン・リムの「リスト:超絶技巧練習曲」は 2022年に優勝したクライバーンコンクールでの演奏。このピアニストは上手いとは思うが、どうも今のところ私の好みではないようだ…(^^;)。もう少し熟成?を待ちたい。


ジャン・ロンドーの「Gradus ad Parnassum」は、8月に CD チェックをしたときに気に入ったもの。演奏も素晴らしいが、プログラムの構成も面白いものになっている。

パレストリーナ、そして有名な古典的対位法教本 "Gradus ad Parnassum" の著者ヨハン・ヨーゼフ・フックスの曲から、ドビュッシーの「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」まで、時代順に音楽を探索し、またパレストリーナに戻っていく…。



ワシントンポストの記事は、演奏や演奏家というより「10大ニュース」のようになっている。トピック的なことが多く、ピアノに関連するものは入ってない。

✏️The best of classical music in 2023(The Washington Post, 12/8, Michael Andor Brodeur)

  1. Apple Music Classical
  2. The rebirth of ‘Madama Butterfly’
  3. Renée Fleming to the rescue
  4. ‘Blue’ at Washington National Opera
  5. ‘Universal Longings | Anhelos Universales’
  6. Carlos Simon’s ‘Four Black American Dances’
  7. Susanna Malkki and the Helsinki Philharmonic
  8. National Symphony Orchestra’s ‘Beethoven and American Masters’
  9. Opera Lafayette’s ‘Io’
  10. Rene Orth’s ‘10 Days in a Madhouse’


フィナンシャルタイムズは CD を 10枚選んでいる(順不同)。

オラフソンの「ゴルトベルク」はやはり人気がある。モーツァルトのコンチェルトを演奏している Robert Levin は初めて聞く名前だが、ここでは古楽器を弾いている。


  • Ravel: Daphnis et Chloé
  • Byrd: The Golden Renaissance
  • Mozart: Piano Concertos Nos 21 and 24(Robert Levin, piano)
  • Silvestrov: Silent Songs(Konstantin Krimmel, baritone & Hélène Grimaud, piano)
  • Puccini: Turandot
  • Compositrices(Women composers: Cécile Chaminade, Nadia Boulanger, Charlotte Sohy, Jeanne Danglas, etc.)
  • Adès: Dante
  • Handel: Coronation Anthems
  • Bach: Goldberg Variations(Vikingur Ólafsson, piano)
  • Rodgers and Hammerstein: Oklahoma!


ニューヨーカーも注目すべき録音をいくつか選んでいる。最初の 6つにはユンチャン・リムの「リスト:超絶技巧練習曲」が入っている。

✏️Notable Classical Recordings of 2023(The New Yorker, 12/22, Alex Ross)

  • Pygmalion’s Monteverdi Vespers
  • New Works by Cassandra Miller
  • Yunchan Lim’s Transcendental Études
  • Cyrille Dubois’s “So Romantique!” Album
  • The Pittsburgh Symphony Plays the Tchaikovsky Fifth
  • The Ébène Quartet Plays Mozart

これに続いて "Twenty More" が挙げられていて、ピアノ関連は次の 3つ。

  • “Fantasia”: works of Bach, Liszt, Schubert, Berg, and Busoni; Igor Levit (Sony Classical)
  • Ligeti, Études, Capriccios; Han Chen (Naxos)
  • Rachmaninoff, Symphonic Dances (arr. Inon Barnatan), Moments Musicaux, Prelude in G-Sharp Minor, Vocalise; Barnatan (Pentatone)


ピアノ関連で言えば、割と順当にどのメディアも同じようなところを見ているな…と思いかけたところで…。

そういえば、グラミー賞のノミネートとはまったく被ってないなぁ…と気づいたのだった。「音楽界」と上に挙げたようなメディアとは対象(ファンや読者)が異なるのか…?


ここでさらに昔書いた記事(↓)を思い出してしまった…(^^;)。





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