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2022年8月12日金曜日

🎹P.グラス 1937- ピアノ曲ではエチュードがいい ♪

《鍵盤音楽史:現代》 29人目の作曲家は、フィリップ・グラス(Philip Glass, 米, 1937-)。

名前は以前から知ってはいるが、まともにピアノ曲を聴いたのは 4年ほど前にヴィキングル・オラフソンの弾くエチュードを聴いたときだと思う。





✏️フィリップ・グラス(Tower Records)のプロフィールがコンパクトにまとまっているので、ほぼそのまま引用させて戴く。

フィリップ・グラス(Philip Glass, 米, 1937-)は、1937年1月31日、米国ボルチモア生まれ。ミニマル・ミュージックの旗手(本人はあまり歓迎してないようだが…)として知られる現代音楽の巨匠。ロックなどクラシック以外の分野にも影響力を持つ。

6歳でヴァイオリン、8歳でフルートを習い、15歳でシカゴ大学へ。大学卒業後はジュリアード音楽院で学ぶ。1965年にパリへ留学してナディア・ブーランジェに師事するほか、インドでシタール奏者のラヴィ・シャンカールと出会って多大な影響を受ける。

その後、インド、北アフリカ、アジアを旅して回り、67年にニューヨークへ戻って楽団を結成。以降、オペラ『浜辺のアインシュタイン』、『トゥルーマン・ショー』や『カッツィ3部作』などの映画音楽で高い評価を得る。


実に多作で、これまでにいくつものオペラや舞台作品、交響曲 14曲、ピアノ協奏曲 3曲、ヴァイオリンやチェロの協奏曲、10曲の弦楽四重奏曲、映画音楽などあらゆるジャンルの作品を作っている。

本人は「ミニマリズム」という言い方を嫌っているようだが、ラ・モンテ・ヤング、テリー・ライリー、スティーヴ・ライヒと共に「アメリカン・ミニマリズム四天王」などと呼ばれることもあるようだ。


ピアノ(または electric organ: eo と略)関連の作品は下記の通り。出典は✏️List of compositions by Philip Glass(Wikipedia /英語)。

  1. 1967: In Again Out Again (2pf)
  2. 1968: How Now  (pf/eo)
  3. 1968: Two Pages  (pf/eo)
  4. 1969: Music in Contrary Motion (eo)
  5. 1975: Another Look at Harmony, Part 3 (eo)
  6. 1975: Knee Play 4 (from Einstein on the Beach)
  7. 1978: Modern Love Waltz
  8. 1979: Mad Rush (pf/eo)
  9. 1981: Opening (from Glassworks)
  10. 1984: The Olympian
  11. 1987: Cadenza for Mozart's Piano Concerto No. 21 (K. 467)
  12. 1988: Wichita Vortex Sutra (later included in Hydrogen Jukebox)
  13. 1988: Metamorphosis
  14. 1989: The French Lieutenant Sleeps from The Screens
  15. 1989: Night on the Balcony from The Screens  (pf/harpsichord)
  16. 1993: Tesra
  17. 1993: 12 Pieces for Ballet
  18. 1994–1995: Etudes Volume 1
  19. 1996: Six Scenes from Les Enfants Terribles (2pf)
  20. 1998: The Joyful Moment
  21. 1998: Truman Sleeps (from the film The Truman Show)
  22. 2003: Dreaming Awake
  23. 2005: A Musical Portrait of Chuck Close (Etudes 11 & 12 of Volume 2)
  24. 2008: Four Movements  (2pf)
  25. 2012: Etudes Volume 2
  26. 2013: Two Movements (4pf)
  27. 2017: Distant Figure – Passacaglia
  28. 2019: First Piano Sonata

ピアノ協奏曲も 3曲ある。No.1 と No.3 は弦楽オーケストラ、No.2 は "Native American flute" とのダブル・コンチェルト。
  1. 2000: Piano Concerto No. 1 Tirol
  2. 2004: Piano Concerto No. 2 After Lewis and Clark
  3. 2017: Piano Concerto No. 3

その他、ピアノを含む室内楽も多い。
  1. 1967: Head On for violin, cello and piano
  2. 1981: Opening from Glassworks for piano, cello and percussion
  3. 1989: The Orchard (from The Screens) for cello and piano (+ optional percussion)
  4. 1992: Love Divided By for flute and piano
  5. 2002: Tissues (from Naqoyqatsi) for cello, percussion and piano
  6. 2003: Taoist Sacred Dance for piano and flute
  7. 2008: Sonata for Violin and Piano
  8. 2010: Pendulum, movement for violin and piano
  9. 2018: Annunciation, piano quintet for two violins, viola, cello, and piano

YouTube で、ピアノソロ曲が 3時間分詰まった音源があったので聴いてみた。ミニマル系の曲ばかりなので、聴いているうちに違いがよく分からなくなってくる…(^^;)。


演奏は Jeroen van Veen(イェロン・ファン・フェーン)というオランダのピアニスト。元の CD は下記。2013年のリリース。



収録曲は下記。「トリロジー・ソナタ」というのは 3つのオペラから Paul Barnes という人が 2001年にソロピアノ曲に編曲したもののようだ。
  1. グラスワークス(イェロン・ファン・フェーン編)
  2. メタモルフォーシス
  3. マッド・ラッシュ
  4. ウィチタ・ヴォルテックス・スートラ
  5. めぐりあう時間たちより
  6. トゥルーマン・ショーより
  7. オリンピアン
  8. モダン・ラヴ・ワルツ
  9. ハウ・ナウ
  10. トリロジー・ソナタ

聴き応えという点では、やはりエチュードの方があると思う。ヴィキングル・オラフソンのこのアルバム(↓)はエチュードを沢山とり上げていて、とても気に入っている ♪



YouTube には下記のプレイリストがある。



グラスは 2019年に初めてのピアノソナタを作り、滑川真希さんが初演・初録音をしている。今回もう一度聴いてみたが、最初に聴いたときの感想「嫌いではないが、『グッとくる』ようなところはあまりないという感じ」は変わらなかった…。




ピアノ協奏曲が 3曲あるので聴いてみたが、残念ながら、それほど気に入った曲はなかった。演奏・録音のせいかも知れない…?

第1番は "Tirol Concerto" とも呼ばれるようだ。



わりと気に入ったのは第2番の第2楽章。

第2楽章で "Native American flute"(ネイティブ・アメリカンによって伝えられた縦笛)というソロ楽器が登場し、楽章の最初と終わりがピアノとの二重奏になっていて、なかなか雰囲気のあるいい音楽になっている ♪ ピアニストは Paul Barnes という人。



第3番は Nikolas Caoile という人の弾き振りだが、たぶん演奏があまりよくない…(^^;)?



主な参考記事は下記。

✏️フィリップ・グラス(Wikipedia)

✏️List of compositions by Philip Glass(Wikipedia /英語)

✏️フィリップ・グラス(高松宮殿下記念世界文化賞 2012年受賞)



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