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2018年1月8日月曜日

A.ガヴリリュクのインタビューなかなかいい ♪

昨年末にアレクサンダー・ガヴリリュクのインタビュー記事を見つけた。なかなかいい ♪

「3回に分けてお届けします」とあったので、正月には読めるかと期待していたのだが、大晦日の「Vol.2」以来なかなか次が出ない…。と思っていたら、昨日やっと「Vol.3」が掲載された。今日(1月8日)は紀尾井ホールでリサイタルがあるのでまさに直前…(^^;)!



記事はこちら(↓)。

✏️アレクサンダー・ガヴリリュクに聞く Vol. 1

✏️アレクサンダー・ガヴリリュクに聞く Vol. 2

✏️アレクサンダー・ガヴリリュクに聞く Vol. 3


インタビューは去年の12月27日なので、電話でのインタビューと思われる。

で、このときは「年末の休暇をこちら(カタールのドーハ)で過ごしています」「本当を言うと、それを理由に時間を作って一生懸命練習しているのです」などと言っている。

休暇中にも練習するのか?などと思うのだが、「ドーハにあるヤマハの練習施設」と具体的に言っているので、ちゃんと練習しているのだろう。

でも一方でこんなこと(↓)も語っていて、とても好ましいと思う。

演奏だけでなく、家族と過ごす時間も大事と考えるようになりました。娘が二人おりますのでね、この休暇中も妻と娘たちと一緒に過ごしています。 よき夫、よき父でもありたいんです


さらに、人を大切にする姿勢はその音楽性にもつながっていく。

生きることそのものが、音楽というひとつの柱であり、さらにずっと広がりのあるものだと思うんです。以前から、私のインスピレーションの源はつねに『出会う人たち』でした。私は『ひと』が大好きです。その中に観客の皆さんももちろん含まれます

アーティスト本人の中に何かしらインスピレーションが湧くとしても、それをすぐ近くで受け止め、反応してくれる人たちがいることこそが、そのインスピレーションに息吹を与えるプロセスだと思うんです

そしてそのような他者との関係性は、ステージ上での私の誠実で正直な心の持ち方から生まれると信じています


ガヴリリュクは、それを「音楽としての『リアル』に迫る」という言い方もしている。なかなかいい言葉だと思う。


ちなみに、「音楽が音楽だけにとどまるものではなくて、それを実践している人物そのものの表出というか、そういう幅のあるものだ、という意識を持つようになりました」と述べている箇所に、「ロシアの著名な俳優であり演出家のスタニスラフスキーの著書などを読み、スタニスラフスキー・システムがピアノ奏法へのアプローチとしても役立つと考え、工夫して取り入れている」とある。

スタニスラフスキー・システム」というのは、一度調べてみたいと思う。


そして「Vol.2」では今回の演奏曲目の話に移る。モーツァルトの「ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調」についてちょっといいことを言っている。

曲の感じはとても繊細で・・・脆さ、と言ってもいいような・・・でもその脆さの芯には非常に強い何かがある。精神性というか。おそらく、『善』『よきこと』への真摯な態度です。私たちの世界にある『美』への信念というか…


「善」や「美」が私たちの住むこの世界にあることを信じる心。最近の世相やニュースからはなかなか感じられない、信じきれない…などと考えてはいけないのだろうが…。せめて、音楽の中にそういったものを感じ取りたいものだと思う…(^^)♪


それから、ガヴリリュク自身のピアニズムを聞かれてこう(↓)答えている。


私自身は、ロシア・ピアニズムと、より広い世界から受けた影響とが、ちょうど半々にミックスした状態でキャリアを展開してきました

8年ほどドイツで過ごした時期をへて、いまはオランダが拠点となっているので、現在の私にはドイツ音楽の影響が強くなり始めているでしょう

音楽だけでなく、ドイツ語もかなりわかるようになりましたし、ドイツ文学や詩にも通じてきました。やはり言葉がわかってきますと、人々の感情表現の方法にも自然に理解が及びますし…


最後の「言葉と音楽」の関係は、ときおり本当にそうだと思うことがある。言葉の響きやイントネーションや語彙など、いろんな要素がその国の音楽に自然に入り込んでいて、場合によってはネイティヴの人にしか理解できないようなニュアンスもあるのではないかと思うことも…。

一方で、音楽はグローバルでもある。ガヴリリュクがインタビューの中で語っている次の言葉も真実だろうと思う。

世界のいろいろな場所で、同じプログラムを演奏しますと、聴衆のみなさんの反応は、その社会形態がどのようなものであっても、同じように起こるのです


おまけ:どうも私はピアニストのインタビュー記事が好きなようだ。

ブログの引越し作業をする中で、昔の記事を見ていたらけっこうインタビューを読んだ感想文のようなものを書いている。以下ご参考まで。印はオススメ。

《ルカ・ドゥバルグへのインタビュー記事(メモ)》

《名ピアニストたちのインタビュー「音友」11月号から》

《アンデルシェフスキの映像作品〜バッハリサイタルへ高まる期待 ♪》

《アンデルシェフスキ、バッハを語る》

《マツーエフの長いインタビュー記事面白い(1/2)》

《マツーエフの長いインタビュー記事面白い(2/2)》

《ピアノの音は色彩豊かな球体!♪上原ひろみインタビュー》

《嬉しくなるネルソン・フレイレのインタビュー ♪》

《C.R=アムランのインタビュー記事:「曲の中でエクササイズ」(^^)♪》

《将来が楽しみなリュカ・ドゥバルグのインタビュー記事 ♪》

《ラウタヴァーラ、自らの音楽を語った言葉 ♪》



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