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2016年4月1日金曜日

バッハのフーガを克服できた理由

昨日で、2カ月間頑張ってきたバッハのフーガ(平均律第2巻第7番 BWV876)の練習を終えた。

仕上がりのレベルは達成感の大きさを含めて「B+」(自己満足以上、発表会未満)としたい。これまで、何度かの挫折を経験した上での練習完遂(しかも4声!)なので、喜びもひとしおである。

ここで、喜んでばかりいないで、今後のために「成功要因」を考えてみたいと思う。


難易度を考えた慎重な選曲

1月にヘンレ社のサイトで、平均律のプレリュードとフーガを別々に評価した難易度の一覧を見つけた(↓)。


これを参考にして、フーガの中では比較的難易度の低いものから選ぶことにした。2年前に挫折した「第1巻第9番」のフーガは3声ではあるが、難易度としては今回選んだものより1ランク高いものだった。

手ごたえとして「難しい!」と感じながらも、最後まで頑張れたのは、この難易度(ヘンレ社9段階難易度の4〜5)なら何とかなるはずだ、と思えたのも精神的な助けになったかも知れない。


「ラクに弾く」へのこだわり

今年の目標の一つに、「ラクに弾ける弾き方」を習得することを掲げている。

今回も、譜読みの段階で、自分の手や指の形にあった、一番ラクに弾ける弾き方を探りながら指使いを決めていった。かなり時間をかけたので、その分、暗譜する時期が遅くなってしまったが、その効果はあとになって効いてきたように思う。

なかでも効果があったと思われるのは、手首の横方向の角度、鍵盤を押さえる位置(奥行き方向)、それと重さのかけ方。重さのかけ方とは、例えば小指側に重心をかけるとか、押さえたままにしておく指の脱力を意識するとかである。


練習中の工夫

今回も、練習しながらあれこれと頭を悩ませ、自分なりの工夫をした。細かい経緯は「近況」報告の記事(↓)に書いてあるが、ここでも「ラクに弾ける」ことを意識しながらの繰り返し部分練習がよかったのでは、と思っている。




基本的な「4声、対位法」の難しさに加えて、「指が届かない」「左右の指の交代」「指の置き換え」「指を離すタイミング」などの難所を一つ一つクリアしていった、その積み重ねが効いたのだと思う。


指の体操による自由度アップ

そして、実はいちばん効いたかも知れないと思っているのが、私の得意な?「お風呂での指体操」(↓)。ピアノの練習を始めた頃から、ずっとやっているものだ。


今回は、あちこちに出てくる、一つの指を押さえたまま他の指を動かす、というのを集中的にやった。というか、そういう箇所がなかなか上手く弾けなかったので…。例えば、下の楽譜にもたくさん出てくる。



練習したのは、例えば、2の指を押下したまま(湯船の底につけたまま…)「34」や「45」「35」を交互に動かす、というもの。3を押したまま「45」、4を押したまま「23」、5を押したまま「23」「34」「24」なども…。

意識したのは、押下したままの指の力を抜くこと。というか、底に置いているだけで力をまったく入れない。そうすると、他の指が動きやすくなるのが実感できる。

この体操は、指の筋肉とか可動域を広げるとかよりも、指をコントロールする神経回路を強化するためのもの。つまり、脳の訓練である。このあたりは『ピアニストの脳を科学する』という本が参考になる(↓)。


これを、結局2カ月間続けたわけだが、1カ月くらいで最初なかなか動かなかった「45」あたりの指もかなりスムースに動くようになった。実際にピアノを弾いてみると、動く指よりも、押さえた指の脱力の方に効果が大きかったかもしれない。


…ということで、気持ちよく4月を迎えることができた ♪ 4月は《新年度:4月のカリキュラム?(ピアノ練習メニュー)》に書いたように、ソルフェージュ能力アップのために「作曲遊び」をやってみようと思っている。新しい試みであるが、さてどうなることか…(^^)。



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