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2015年1月26日月曜日

エマールさん、コンサート・ランキングで4位 ♪

「音楽の友 2月号」の特集「コンサート・ベストテン2014」がなかなか興味深かった。昨年、国内で行われたコンサートを対象に、音楽評論家や記者43人の採点でランキング付けを行ったものだ。

ピエール=ロラン・エマールさんなどを含めて、5人ほどのピアニストがランク・インしている。全員が知っているピアニストであることも、個人的には嬉しい。





全体的には、オーケストラやオペラが強いのだが、その中でピアニストもけっこう健闘している。

4位:ピエール=ロラン・エマール
6位:アンドラーシュ・シフ
7位:アルド・チッコリーニ
12位:マレイ・ペライア(指揮とピアノ)
17位:クリスティアン・ツィメルマン

エマールの演奏会は、バッハの「平均律クラヴィーア曲集第1巻」全曲演奏。伊熊よし子さんほか2名が1位にあげている。シフはバッハとバルトーク。


ランキング以外に、座談会やちょっとした統計データも出ている。その中から、とくにピアノに関する部分を拾い読みしてみると…。


座談会でまず話題になったのがプレトニョフ。「待望された復帰」であるらしい。が、成熟した(深化した)という意見と、「以前のように先鋭過ぎない」「恐るべき子供的な面白さがなくなってしまった」などの丸くなったという、少しニュアンスの異なる意見とがあるようだ。

名前は知っているが、あまり聴いたことがないピアニストなので、深化した演奏を一度聴いてみたいと思う。


チッコリーニは88歳にして、「技術が保たれたまま、大きく自由な方向に揺れるようになった」との評価。80歳を過ぎても十分に進化する可能性に、年寄りの一人として励まされる思いである。トップ・プロと素人初心者の大きな違いはあるが…(^^;)。

さらに、「ポゴレリチやピリスの復調」「ブレハッチやティル・フェルナーの成熟」「アンデルシェフスキのバルトーク(協奏曲)」などが話題になっているようだ。とくに、お気に入りピアニストのティル・フェルナーさんが評価されているのは嬉しい。アンデルシェフスキも…。


ちなみに、アンデルシェフスキについては「バッハを語る」というインタビュー記事も載っており、そこに写っている写真がとっても「素顔!」で好ましい。

そのほか名前があがっているのは、カーター(現代曲)を弾いたエマール、《ディアベッリ変奏曲》のシュタイアーなど。初めて聞く名前としては、ヴィルサラーゼという人がいる。チャイコフスキーの協奏曲が良かったようだ。


ちょっと残念な統計データとしては、ピアノ(鍵盤楽器)の演奏会が最近減っているらしいこと。1998/ 2003/ 2013/ 2014年で、16.6%/ 17.5%/ 15.6%/ 14.9% となっている。一番多いのはやはりオーケストラで、25〜26%。増えているジャンルとしては室内楽で、2003年に10.9%だったものが2014年には21.4%まで増えて、鍵盤楽器より多くなっている。

作曲家別演奏会数でのトップ10は、ベートーヴェン、モーツァルト、バッハ、ブラームス、ショパン、シューベルト、ラヴェル、シューマン、ドヴォルザーク、ドビュッシー、といった感じ。上位の3人が強い。


この特集以外の記事も含めて、名前を知らなかったピアニストが何人かいた。

ちょっと興味を持ったのは、ショパンのCDを出したフィリップ・ビアンコーニという人。ドビュッシーの前奏曲集も出しているようだ。それから、裏表紙に大きく広告が出ていたジャン=エフラム・バウゼ(ベートーヴェン、ドビュッシー、ラヴェルを3月に弾く)という人。先ほどのヴィルサラーゼという人を含めて、少し調べてみようと思っている。



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