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2015年1月26日月曜日

シャンドール ピアノ教本2:筋肉を鍛えるな、コーディネートせよ

演奏技術とはピアノの特性に合わせて諸動作をコーディネートすること。筋肉を鍛える必要はなく、その組み合わせ方が重要である。

大事なのは「正しいポジション」を探すこと。なかでも、打鍵する指と上腕を一直線にすること。また、重力と筋力のエネルギーを指先に伝える感覚を意識すること。

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『シャンドール ピアノ教本―身体・音・表現』 読書メモ
 ジョルジ シャンドール 著、岡田 暁生 監訳(春秋社、2005/2/1)
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 第1部 ピアノ技術における基本要素 


抜き書きメモ


※数字はページ番号、赤字は私のマーク

15★
筋肉を鍛えてはならない、組み合わ(コーディネート)せよ

17★
音量はハンマーのスピード次第…。スピードを生じさせるためには、…重力と筋肉のエネルギー源より他に利用できるものはない。

28
重量・質量・力・強さ・緊張・弛緩・ポジション・筋肉・神経・関節・骨・肩・腕・手・指はすべて、ハンマーを適切なスピードで動かすという目的に奉仕しなければならないのである。

29
過度に緊張した筋肉に精神性は存在しない。…「内面(精神)の緊張」と「硬直した筋肉」とは別物である。

33
無理に筋肉を強化する訓練によって指を独立させようなどと考えてはいけない。技術上の問題解決の基本とは、正しいポジションを探すことである。正しいポジションの中で、正しい部位を使ってこそ、指は独立して働くことができ…

39★
すべての垂直の指の動きは、前腕にある反対の動きをする筋肉群によってなされる。したがって、それを動かす筋肉の延長上に指が位置する時にのみ、その指は正しいポジションであると言える。…したがって、一つ一つの指についてそれぞれ、腕を水平方向にわずかに動かして調整してやることが必要になる。

44
どの筋肉も、過度に長い間、極端に収縮させていてはならない。手が大きく広げられているときには、特にこのことに注意しなければならない。…出来るだけ敏速かつ頻繁に指を通常の位置に戻すようにしよう。

48★
肩と指先の間には常に相互作用が生じている。腕全体の力(動きを伴う重さ)を、肩によって完全に宙づりにすることも出来るし、それをすべて指先へ伝えることも出来る(この感覚を意識するように!)

49
絶えず鍵盤に触れ続けているのは、この指先の鋭い感覚を大切にしているからである。…残念ながら、この習慣には欠点もある。つまり指先が鍵盤の表面に触れたままだと、鍵盤から離れたところから指を落とした時のようなスピードを生み出すことができないのである。


ポイント


1. 演奏技術とはピアノの特性に合わせて諸動作をコーディネートすること
 →筋肉を鍛える必要はなく、その組み合わせ方が重要

2. 大事なのは「正しいポジション」を探すこと
 →打鍵する指と上腕を一直線にすること

3. 重力と筋力のエネルギーを指先に伝える感覚を意識すること
 →ただし鍵盤に触れ続けることは避けるべき



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