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2024年10月20日日曜日

Schubert ピアノソナタ第8番 D 571:歌曲のような佳作、ティリモ補筆の名演奏 ♪

シューベルトのピアノソナタ全曲鑑賞、今日は第8番 嬰ヘ短調 D 571。

第1楽章だけが、しかも未完で残されているという「断片」だが、聴き始めてすぐに好きな曲の一つになってしまった ♪ 多くの歌曲を残しているメロディーメーカー、シューベルトならではの美しいピアノソナタだと思う。




第1楽章だけの断片から 4楽章構成のピアノソナタを復元しようという努力もされていて、パウル・バドゥラ=スコダやマルティーノ・ティリモが補筆・再構成して、次のような構成で自ら演奏している。

I. Allegro moderato 嬰ヘ短調 D 571 [補筆]
II. (Andantino) イ長調 D 604
III. Scherzo. Allegro vivace ニ長調 D 570-2
IV. Allegro D 570-1 嬰ヘ短調 [補筆]


このあたりは、佐藤卓史さんのブログ「シューベルティアーデ電子版」に詳しいので、興味のある方はそちらをどうぞ。




「断片」ということもあり、音源は多くない。


マルティーノ・ティリモ(Martino Tirimo、キプロス、1942 - )は、自身が補筆した「ウィーン原典版」(番号は第9番になっている)を使って 4楽章構成で弾いているが、補筆・再構成も演奏もとても素晴らしい ♪ 決定版と言ってもいいと思う。

(トラックNo. 26〜29)



パウル・バドゥラ=スコダ(Paul Badura-Skoda、オーストリア、1927 - 2019)も、ティリモと同じ 4楽章構成で弾いている。というか、こちらの方が先。



アンドラーシュ・シフ(Sir András Schiff、ハンガリー、1953 - )も第1楽章だけ(未完のまま)演奏しているが、あまり気持ちの入った演奏には聴こえない。



参考

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