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2024年3月7日木曜日

Bach.KB.BWV916:トッカータ ト長調、キット・アームストロングの charming な演奏 ♪

「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」プロジェクト、『バッハの鍵盤音楽』の第7章「トッカータ」から BWV916「トッカータ」ト長調。

この曲では、キット・アームストロングが「バッハが若いときに作った "charming" な作品」などと紹介して、とても魅力的な演奏を聴かせてくれる動画を見つけた ♪




BWV916 は他のトッカータと異なり 3楽章構成となっている。アレグロ(or Presto)、並行短調によるアダージョ、そしてジーグ風のフーガ(↓)という構成。

フーガの最後は 3オクターヴを一気に駆け下りて突然終わる。最終小節では 8分音符ひとつのあとを休符で埋め、フェルマータが付けられている。演奏する際は、最後の音を伸ばしたり、装飾を付けたり、不必要なアラルガンドなどをしてはならない。




キット・アームストロングの動画は下記。とても軽やかで "charming" な演奏になっている。最後の消え入るような終わり方は、これはこれで面白いと思う ♪

(演奏は解説のあと 01:48 あたりから)


BWV915 で出会って気に入ったピアニストの演奏も聴いてみた。この二人はちょっと私の好みかも知れない。少なくともバッハに関しては…。

Amandine Savary(アマンディーヌ・サヴァリ、仏、1984 - )

Stepan Simonian(ステパン・シモニアン、露、1981 - )


今回新しく見つけたのは、Jayson Gillham(ジェイソン・ジルハム、1986 - )というイギリス系オーストラリア人のピアニスト。2013年のクライバーン国際ピアノコンクールでの演奏(ファイナルには進めなかったようだ)。

2014年のモントリオール国際ピアノコンクールでは、シャルル・リシャール=アムラン(2位)を押さえて優勝している。



もう一人、トッカータ全曲を演奏している音源を見つけた。Alessandro Deljavan(アレッサンドロ・デリャヴァン、伊、1987 - )というピアニスト。

聞いたような名前だと思ったら BWV912 で、シフと一緒の音源に入っていた。その時も今回もそれほど惹かれる演奏ではないが、まぁ悪くはないと思う。

(BWV916 はタイムスタンプ 00:30:41〜)

この名前にちょっと引っかかった?ので自分のブログを検索してみたら、8年も前に妙なところで遭遇していた。


「過剰な顔の表情(「顔芸」?)」で話題になったピアニストで、「個人的には、彼の演奏を聴こうという気にはなれない…」と書いている…(^^;)。さすがに、バッハの演奏では「過剰な顔芸」はしないと思うが…?


閑話休題、気を取り直してベテランのいい演奏を楽しみたいと思う。この中では、リヒテルの演奏が一番しっくりくる(私の好みに合っている)。

グレン・グールド(Glenn Gould、カナダ、1932 - 1982)

スヴャトスラフ・リヒテル(Sviatoslav Richter、ウクライナ、1915 - 1997)

コンスタンチン・リフシッツ(Konstantin Lifschitz、ウクライナ、1976 - )


チェンバロもBWV915 で出会ったキアラ・マッシーニ(Chiara Massini、伊、1971 - )を聴いてみた。彼女の演奏も好みかも知れない ♪

♪ Chiara Massini - J. S. Bach: Toccata BWV 916


なお、『バッハの鍵盤音楽』の第7章「トッカータ」に含まれる作品は下記。":" の後に「28段階難易度 [ヘンレ社難易度] 作曲年(推測)」を追加した。

  1. BWV910 トッカータ 嬰ヘ短調 :23 [7] 1708-
  2. BWV911 トッカータ ハ短調 :22 [7] 1708-
  3. BWV912 トッカータ ニ長調 :22 [7] 1703-07
  4. BWV913 トッカータ ニ短調 :21 [6] 1703-07
  5. BWV914 トッカータ ホ短調 :22 [6] 1707-08
  6. BWV915 トッカータ ト短調 :24 [7] 1707-08
  7. BWV916 トッカータ ト長調 :23 [6] 1708-


出典:

📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)

✏️バッハ :トッカータ ト長調 BWV 916(PTNAピアノ曲事典)



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