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2022年2月2日水曜日

🎹G.フレスコバルディ 1583-1643 バッハが勉強したオルガン曲集『音楽の花束』

《鍵盤音楽史:バッハ以前》の 7人目は、ジローラモ・フレスコバルディ(Girolamo Frescobaldi, 1583-1643)。イタリア初期バロック時代において、声楽分野でのモンテヴェルディと並び称される鍵盤音楽の巨匠。バロック期イタリア音楽隆盛の礎を作った。




1608年にはローマのサン・ピエトロ大聖堂のオルガニストに就任した。1628年から1634年までフィレンツェのメディチ家宮廷オルガニストも務める。

彼の鍵盤曲は、トッカータ、カプリッチョ、ファンタジア、カンツォーナ、リチェルカーレ、舞曲、変奏曲など様々な形式で書かれている。独特の半音階と不協和音の用法やテンポ・ルバートの意識的な使用が見られるなど、当時としては革新的な作風であった。

とくに、最も実験的・技巧的な作品とされるのは『トッカータ集 第1巻』の改訂版に収録されている「パッサカリアによる100のパルティータ」(Cento Partite sopra Passacagli)である。

フレスコバルディの作品は後年の作曲家に重要な影響を及ぼした。門人のフローベルガーを通じて、フランスとドイツの両方のバロック・オルガン楽派に影響を与えた。

また、J.S.バッハがフレスコバルディのオルガン曲集『音楽の花束』の写譜を蔵書していたことは有名である。


フレスコバルディの作品は数多く出版されている。太字は鍵盤音楽。

  • ファンタジア集第1巻(1608)
  • 3つのカンツォーナ(1608)室内楽
  • マドリガーレ集第1巻(1608)声楽
  • トッカータ集第1巻(1615)
  • リチェルカーレとフランス風カンツォーナ集(1615)
  • カプリッチョ集第1巻(1624)
  • トッカータ集第2巻(1627)
  • カンツォーナ集第1巻(1628)室内楽
  • さまざまな旋律による曲集第2巻(1627)声楽
  • アリア集第1、2巻(1630)声楽
  • 『音楽の花束』Fiori musicali(1635)
  • トッカータ集第1、2巻の改訂版(1637)

以上、主な出典は下記。


✏️ジロラモ・フレスコバルディ(Misa's Homepage)



で、当時の大オルガニストであり、バロック鍵盤音楽の礎を築いたという巨匠…なのだが、YouTube で聴く限り、残念ながら、これといった作品には出会えなかった。

どの曲を聴いてもそこそこいいと思うのだが、たぶん、私の好みに合わないのだろうが?…「これいい♪!」という曲が見つからないのだ。

やや凝った作品が多いような印象で、ある意味「表現過多」とでもいうのか、聴く方が消化不良になりがちなのかも…(^^;)?


大バッハが対位法の勉強に使ったと言われている『音楽の花束』も、それほど面白い(鑑賞曲として)とは思えなかった…。



一説には、『音楽の花束』は実用性と教育性を重視しており、全体に小規模で保守的で地味だとか…。ただ、18世紀においても厳格な対位法による「古様式」Stile Antico を学ぶためのオルガニスト必携の書であったことは確かなようだ。(出典は下記)



YouTube で聴いた音源の一部を載せておく。比較的気に入った演奏 ♪
(トッカータ第7番:「トッカータ、カンツォン集第2巻」(1637)より)


上の最後のものは、J.ブルO.ギボンズのときにも紹介した、ジャン・ロンドーがオリジナル楽器(チェンバロ、ヴァージナル)を使って演奏した下記 CD(↓)に収められている。

Melancholy Grace



おまけ。声楽曲で有名なのが「そよ風吹けば」(Se l'aura spira)という曲だと書いている人がいたので聴いてみた。短いが美しい曲だ ♪

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