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2018年7月23日月曜日

2018年来日ピアニストのチェック結果→お気に入り7人 ♪

2018年に来日するピアニストの一覧を《2018年の来日ピアニスト ♪》に、主に関東圏の公演情報を《ピアノカレンダー》にまとめている。

その中で、私が知らないピアニストを中心に「探索」(プロフィールを見たり、音源を聴いたりしてお気に入りピアニストを探すこと)をしてきた。

《2018年来日ピアニストのチェック(続)》はそのチェックリストだが、数えてみると 25人。そのうち「お気に入り」候補が 7人、準「お気に入り」が 2人いた。




7人はすぐに「お気に入り」というほどではないので「候補」としてある。これまでの経験から、最初の判断がのちに変わることがしばしばあることも分かっているので…。

例えば、ダニール・トリフォノフは最初聴いたときはあまり好みではなかった(↓)のだが、今では大の「お気に入り」で、リサイタルに行きたいピアニストの一人。

《ダニール・トリフォノフ:B(Pianist Check)》

逆に、ユジャ・ワンの場合、最初はぜひ生で聴きたいと思っていた(↓)が、最近はそうでもなくなった…。

《お気に入りピアニスト:Yuja Wang(ユジャ・ワン)》


聴く側(私)の好みの変化などもあるかも知れないが、ピアニストの変化や成長もあるのだと思う。上の二人を図式的に言うと、「実力+派手さ」の中で「実力」が充実してきたのがトリフォノフ、「派手さ」だけが目立ってきたのがユジャ・ワンという印象。


で、今回の「お気に入り」候補を並べておくと次の 7人。プロフィールやお気に入りポイントなどについては、名前にリンクした先の記事を見て戴きたい。


Martino Tirimo, キプロス, 1942〜➡️
指揮者や作曲家としても評価されている優れた音楽家であるティリモ、シューベルトとショパンの音楽に関しては特に高い評価を受けている。


André Laplante, 仏, 1949〜➡️
1978年チャイコフスキー国際コンクールで2位(1位プレトニョフ)。シャルル・リシャール=アムランを育てたカナダの巨匠。

Gabriela Montero, ベネズエラ, 1970〜➡️
米国を中心に活躍する、即興演奏の才能でも名高いピアニスト。

Peter Rösel, 独, 1945〜➡️
モスクワ音楽院でバシキーロフとオボーリンに師事。チャイコフスキー国際コンクール入賞とモントリオール国際コンクール入賞。

Florian Noack, ベルギー, 1990〜➡️
ECHOクラシック賞<新人賞>を受賞。初来日。

Alexei Volodin, 露, 1977〜➡️
モスクワ音楽院でエリソ・ヴィルサラーゼに師事。2003年、チューリヒで行われたゲーザ・アンダ国際ピアノコンクールで優勝。

Víkingur Ólafsson, アイスランド, 1984〜 ➡️
ジュリアード音楽院を卒業。ドイツグラモフォンと専属契約。


なかでも期待したいのが若手の 2人。フロリアン・ノアックとヴィキングル・オラフソン。

ノアックは、演奏自体も好みだが、リャプノフ、アルカン、メトネル、ドホナーニといった選曲もいい。また、オーケストラ曲などをピアノソロに編曲しているのも面白い ♪

オラフソンは、フィリップ・グラスなど現代作曲家の作品を録音したり、5つのピアノ協奏曲を若手作曲家に委嘱・初演するなど、現代を生きる音楽家という感じがとてもいい ♪


二人とも「ピアノを上手に弾く人」というだけにとどまらず、新しい音楽を生み出している感じが、「古典芸能」の対極にあるような気がして、とても嬉しい…(^^)♪


そして、準「お気に入り」としたのが、最近追加した二人。ヴァンサン・ラルドゥレとビリー・エイディ。

たまたまであるが、二人ともフランス人で、優等生的な「とっても上手な模範演奏」のような印象も、フランス音楽に対する熱意などのお気に入りポイントも似ている。


Vincent Larderet , 仏 ➡️
リューベック音楽大学でブルーノ・ゲルバーに師事。2016年、フランス、ストラスブールの“Piano au Musée Würth"の芸術監督に任命された。

Billy Eidi , 仏, 1955〜➡️
エコール・ノルマル音楽院でマグダ・タリアフェロとジャン・ミコーに師事。セヴラックの CD で「金のディアパゾン」受賞。パリ地方音楽院とスコラ・カントルムの教授。


ラルドゥレの方は、ファリャ、シュミットやシマノフスキなどのあまり知られていない作品にも熱心に取り組んでいたり、ペルルミュテールがラヴェルと共に注釈をつけたラヴェルの楽譜を完成させたり、フローラン・シュミット「サロメの悲劇」、モーリス・ラヴェルの「ダフニスとクロエより3つの抜粋」の世界初録音をしたり…。

エイディの方は、セヴラックやアーン、ギイ・サクルなどフランスの作曲家のピアノ作品を多く録音しており、フランス音楽のスペシャリストである。また、スコラ・カントルムとパリ地方音楽院の教授として、日本を含む各国で後進の指導・育成にも熱心だ。


二人とも、フランスのピアノ作品を中心として、あまり弾かれない作品を聴くときの音源提供者としてとても貴重な存在だと思う。


…ということで、今年初めからボチボチとやってきた、2018年来日ピアニストの「探索」もこれで一旦終わり。まずは、やり遂げた?という「満足感」に浸りたい…(^^;)? お気に入り候補が 7人もいたのはかなり良い結果だと思う。

このあとは、新たに公表される来日公演やその他の情報から、気になるピアニストがいたら、その都度「探索」することにしようと思っている。


【関連記事】
《2018年来日ピアニストのチェック(続)》

《2018年の来日ピアニスト ♪》

《ピアノカレンダー》


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