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2014年2月10日月曜日

いい演奏をよく聴く〔連載(6) 大人のピアノ練習法〕

連載「大人のピアノ練習法」


(6)いい演奏をよく聴く



ピアノ演奏の腕(技術)に直結する話ではないが、音楽全体に関する能力を向上させるには、やはりいい音楽、いい演奏を聴くことは大事だと思う。「音楽性」が上がることで、間接的には演奏の腕前にもいい効果があると信じている。曲が曲らしく、音楽らしく響くことが期待できるのではないかと思う。

考えられる効果をいくつかあげてみる。

①「音楽性」の向上
②「音楽的イメージ」を持つ
③好きな曲やピアニストを増やす
④お手本となる弾き方のイメージを持つ


①「音楽性」の向上

「音楽性」については説明が難しいが、音楽を、ピアノの曲や演奏を好きになることがその基本ではないだろうか。ピアノの曲を好きになり、その曲を自分でも弾きたいと思う。弾くことで、自分自身の満足感や精神的な向上感を得る、そういうことが、結局「音楽性」というものにつながると思う。


②「音楽的イメージ」を持つ

これはネイガウス先生の「演奏する前に〈音楽的イメージ〉をもつこと」という教えに対する、素人的なアプローチである。

ネイガウス先生の言葉を引用すると…。

「前もって作品に目を通し、大まかにでも弾けるようにしてから、できるだけすばやく〈音楽的イメージ〉(内容、意義、詩的本質)を自分自身にはっきりさせること。」

 ※参考: 本 「ピアノ演奏芸術」:序文にかえて

これはなかなか難しいので、お気に入りのピアニストの演奏をよく聴くことで、それを参考に自分なりの「音楽的イメージ」をもつ、という訳である。もちろん、お手本として目指すのは無理なので、あくまで「参考」として「イメージ」として、であろう。


③好きな曲やピアニストを増やす

これは純粋に「楽しむ」という、「音楽鑑賞」の部類に入る。しかし、色んなピアニストの色んな演奏を聴くことで、いわゆる「耳が肥える」というという効果は絶大だと思う。自分の好みが分かってくると、自分が弾くときにも、出したい音色やこだわりたいフレーズが見えてくる。

ちなみに、私自身は一年間近くいろいろ聴いてみて、次のようなお気に入りのピアニスト、演奏を発見した。参考までに、「お気に入りピアニスト」シリーズのブログ記事へのリンクをつけておく。

Andras Schiff

Fazil Say

Maria Joao Pires

Vladimir Ashkenazy

Yuja Wang


④お手本となる弾き方のイメージを持つ

ピアノを弾く場合の、指・手・腕・体などの使い方を学ぶ、ということである。いわゆる「形から入る」というアプローチに近い。スポーツでいう「フォーム」も、ピアノを弾くという身体活動には重要である。映像がたくさんあるので、YouTubeが便利だ。

プロの弾き方も千差万別なので、自分の好みを探りながら観るとより興味がわくと思われる。自分自身の「奏法」にもいい影響があるかもしれない。

ちなみに、私が好きなのは Andras Schiff である。



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