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2024年5月5日日曜日

Bach.KB.BWV827 パルティータ第3番:シフ、アンデルシェフスキ、ノスラティ ♪

「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」プロジェクト、今日は『バッハの鍵盤音楽』(→紹介記事)の第15章「《クラヴィーア練習曲集 第1部:6つのパルティータ》」から、「パルティータ第3番」イ短調 BWV827。

First edition: Leipzig, 1731


バッハの鍵盤組曲は《6つのパルティータ》でひとつの頂点に達する。彼は《フランス組曲》において、伝統的舞曲を新たにとらえ直し、鍵盤楽器の新しいテクスチュアを考案し、さらには模倣対位法とは対照的なギャラント的な旋律と和声を多く用いる、といったさまざまな試みを行っていた。こうした試みはまさにこのパルティータにおいて結実するのである」(出典:『バッハの鍵盤音楽』

パルティータはバッハが初めて出版した鍵盤作品である。1726年に第1番、1727年に第2番と第3番、1728年に第4番、1730年に第5番を個別出版。1731年に修正の上に合本とし「クラヴィーア練習曲集 第1部」(Clavierübung)として出版された。


パルティータ第3番 BWV827 は、 ファンタジア、アルマンド、コレンテ、サラバンド、ブルレスカ、スケルツォ、ジーグという構成。

ブルレスカ (Burlesca)とは、ユーモアと辛辣さを兼ね備えた剽軽でおどけた性格の楽曲を指す。「メヌエット」から改称されている。

スケルツォを除く 6つの楽章は、1725年の「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」に初稿がある。


一番気に入ったのは、アンドラーシュ・シフ(András Schiff、ハンガリー、1953 - )が 2007年9月にノイマルクトのホールで行ったライヴ録音。勢いのある素晴らしい演奏だ。



YouTube ではこの音源を見つけることができなかった。下記は 2018年 Pierre Boulez Saal, Berlin での演奏。2007年と比べるとややおとなしい感じかな?



ピョートル・アンデルシェフスキ(Piotr Anderszewski、ポーランド、1969 - )もいい。

(BWV827:トラックNo. 8〜14)



それから、一番のお気に入りにはならないがこのところ連続して名前を挙げているシャガエグ・ノスラティ(Schaghajegh Nosrati、独、1989 - )。パルティータ第3番の演奏も悪くないと思う。目立つ特徴がある訳ではないが安心して聴けるようなところがある。

Bach Cantatas のプロフィールを見ると、シフによる若手育成プログラム "Building Bridges" の 2015-16 シーズンに選ばれている。今年 3月には、シフの「フーガの技法」のリサイタル(Wigmore Hall)に Contrapunctus 13 の 2台ピアノ版で参加している。

(BWV827:トラックNo. 8〜14)



参考:パルティータを全曲録音をしているピアニスト

  1. グレン・グールド:1955-82(sony)
  2. イェルク・デムス:1962-63
  3. アレクシス・ワイセンベルク:1966
  4. タチアナ・ニコラーエワ:1980
  5. アンドラーシュ・シフ:1983, 2007(ECM)
  6. リチャード・グード:4(1997)/ 2,5(1998)/ 1,3,6(2002)
  7. シュー・シャオメイ:1999
  8. ウラディーミル・フェルツマン:1999
  9. ジャンルカ・ルイージ:2005-07
  10. マレイ・ペライア:2007-09
  11. ウラディーミル・アシュケナージ:2009
  12. イゴール・レヴィット:2014
  13. ユアン・シェン:2015
  14. コルネリア・ヘルマン:2016-17
  15. アンジェラ・ヒューイット:2018
  16. シャガエグ・ノスラティ:2019

その他、パルティータを録音しているピアニスト

  1. マリア・ジョアン・ピリス:1(1994)
  2. ピョートル・アンデルシェフスキ:1,3,6(2002)+2(Carnegie Liive/2008)
  3. ダヴィッド・フレイ:4(2007)/ 2,6(2012)
  4. ジェレミー・デンク:3,4,6(2010?)
  5. ラファウ・ブレハッチ:1(2012)/ 3(2015)
  6. マルタ・アルゲリッチ:2


『バッハの鍵盤音楽』 第15章「《クラヴィーア練習曲集 第1部:6つのパルティータ》」に含まれる作品。

  1. BWV825 パルティータ第1番 変ロ長調
  2. BWV826 パルティータ第2番 ハ短調
  3. BWV827 パルティータ第3番 イ短調
  4. BWV828 パルティータ第4番 ニ長調
  5. BWV829 パルティータ第5番 ト長調
  6. BWV830 パルティータ第6番 ホ短調


出典:

📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)

✏️パルティータ (バッハ)(Wikipedia)

✏️バッハ :パルティータ 第3番 イ短調 BWV 827(PTNAピアノ曲事典)



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《Bach.KB.BWV826 パルティータ第2番:やはりアルゲリッチ…、とアンデルシェフスキ?》

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