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2024年1月12日金曜日

Bach.KB.BWV988:ゴルトベルクの名演奏沢山!自分の好みが分かってきた ♪

今年の目標の一つ「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」をボチボチと開始した。まずは「ゴルトベルク変奏曲」なのだが、録音が多すぎて選ぶのに少し苦労した。

だけど、沢山の名演奏を聴くうちに自分の好きな演奏のタイプが少し分かってきた ♪





最初に「私の好みの中身」?をメモしておこうと思う。

まずは「聴いていて心地良い」ということ、とくに「ピアノの音・響きがいい」ということ。これは元々ピアノの音が大好きなので譲れないポイントだ ♪

そして、「採れたて新鮮」「生き生き」といった印象を持つもの、言い換えると「音楽が生きて息づいている」もの。音楽の流れとかリズム感とかグルーヴ感が感じられるもの。

それから、長い作品なので「飽きない」こと。これは、音楽の全体の構成みたいなことや説得力のある「ストーリーテリング」(物語の語り方)と言えるだろう。

さらに、この作品の場合には変奏曲ごとの変化(ヴァリエーション)やバランスというか「組み合わせの妙」みたいなこともあると思う。


…と書いてきて、音楽というのは「タペストリー(織物)」に例えられるのではないか?…と突然思った ♪

織物でいうと、「一つ一つの糸の魅力」は音の美しさに相当する。「糸の組み合わせの魅力」は、声部ごとの弾き分けやその重なりの美しさ・バランス(対位法の組み立て)に当たる。そして、織物全体の「図柄の美しさ」や「テクスチャの魅力」は、音楽の構成の確かさとか、音楽が移り行くその流れの美しさになるのだと思う。

我ながら、なかなかいい例えを思いついたものだ…(^^)♪


さて…本論。下記が聴いた演奏。13人も聴いている…(^^;)。部分的にはこれ以外のピアニストにも聴いているので、合わせると 20人くらい?

その中で気に入った演奏は太字にした 6人。順位は付けられないので、ここでは録音の古い順に並べてある。

  1. グレン・グールド; studio 1981, Sony
  2. タチアナ・ニコラーエワ 1986,  BBC Legends
  3. シュ・シャオメイ; 1990, Mirare
  4. コンスタンチン・リフシッツ; studio 1994, Denon @17歳
  5. マレイ・ペライア; studio 2000, Sony
  6. アンドラーシュ・シフ; live 2002, ECM
  7. ラルス・フォークト; 2014, Ondine
  8. イゴール・レヴィット; studio 2015, Sony
  9. アレクサンドル・タロー; studio 2015, Erato
  10. ベアトリーチェ・ラナ; studio 2016, Warner
  11. ダヴィッド・フレイ; 2021, Warner Classics/Erato
  12. ファジル・サイ; 2022, Warner Classics/Erato
  13. ヴィキングル・オラフソン; 2023, DG


以下、気に入った 6つの演奏の音源と一言コメント。


グレン・グールド



意外にまとも?…というか、色々聴いてみると今では「正統派」という気さえしてくる…(^^;)。それだけ、この演奏は聴き手にも影響を与えているということかも…。メリハリがあっていい感じ。端々にエスプリみたいなものを感じる。


シュ・シャオメイ

💿GOLDBERG-VARIATIONEN(1990年)


こちらは正真正銘の正統派と言っていいのではないだろうか。この人の真珠のようなピアノの音色は、今回聴いた中で一番好きかも…♪

シュ・シャオメイは 2011年(2016年という記述も散見されるが、それはリリース年)にも録音している。2014年 6月21日のライプツィヒ・バッハ音楽祭でのライヴ(聖トーマス教会)は Accentus Music から DVD(だけ)が出ている。


YouTube のこの映像(↓)はたぶんその DVD。なかなか雰囲気があっていい ♪

♪ The Goldberg Variations(2014年, ライプツィヒ・バッハ音楽祭ライヴ)


参考✏️Zhu Xiao-Mei Bach's Instrumental Works(Bach Cantatas Website)


コンスタンチン・リフシッツ



リフシッツのゴルトベルクをちゃんと聴いたのは今回が初めてだと思う。17歳とは思えない素晴らしい演奏なのだが、どこか「若々しさ」のようなものも感じる ♪

リフシッツは 2012年にも録音している(💿J.S.バッハ : ゴルトベルク変奏曲)。これも素晴らしい演奏なのだが、私はどちらかというと 1994年版の方が気に入っている。(若々しいという先入観かも知れない…(^^;)…)


ラルス・フォークト



上品(清楚)な演奏である。クリアな音でメリハリありよく歌うところがいい ♪


ダヴィッド・フレイ



昨年末の自分の練習でお手本にしている演奏。ゆったりと柔らかく歌うところが気に入っているが、聴く人によっては好みが分かれるかも知れない。ある意味「ロマン派」的…?

声部ごとの強弱の付け方やタッチの変化が面白く、お手本として真似しやすい部分もある。


ファジル・サイ


Fazil Say(Goldberg Variations):アルバム

1年ほど前に聴いて感激した演奏。今聴いても、テンポの速い活き活きとした名演奏は素晴らしいと思う。最初に聴いたときの感想(↓)は変わらない。

「音楽が『活き活きとしている』。現代ピアノならではのダイナミズム、アーティキュレーション(アクセント、スタッカート)、そして生命感あふれるリズムとスピード感。これはまさに『新解釈』といっていい名演だと思う…(^^)♪」



…ということで、お気に入り演奏を選ぶだけでかなりの時間を費やしてしまった。作品に関する簡単な解説など書こうと思っていたのだが、そんな力は残っていない…(^^;)。

というか、有名な曲なので解説や蘊蓄記事はネットにも沢山ある。素人の私が引用記事など書く必要もないだろう。


追記@2024/01/16

このあと、知らないピアニストを何人か聴いているときに面白い演奏を見つけた ♪

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