ページ

2022年12月13日火曜日

🎹T.ラルヒャー 1963- ピアノ協奏曲 "Böse Zellen" など面白い ♪

《鍵盤音楽史:現代》 51(+2)人目の作曲家は、トーマス・ラルヒャー (Thomas Larcher, オーストリア, 1963-)。

2018年リーズ国際ピアノコンクールの課題曲に選ばれた 9人の現代作曲家の一人。



© Richard Haughton


トーマス・ラルヒャーは、1963年インスブルック生まれの作曲家、ピアニスト。ウィーン国立音楽大学で、ハインツ・メジモレツとエリザーベト・レオンスカヤにピアノを、エーリヒ・ウルバンナーに作曲を学んだ。在学中から現代音楽のピアニストとして知られるようになった。

ラルヒャーはロンドン・シンフォニエッタ、アルテミス弦楽四重奏団、ハインリヒ・シフ、マティアス・ゲルネ、ティル・フェルナー、ウィーン放送交響楽団、サンフランシスコ交響楽団等のために数多くの作品を書いている。

作風はオクターブやメロディーが素直に出ており、ピアニストとして弾いていた現代作品とは趣が違うようだ。ECMと契約してからオーケストラからの人気や人望は厚く、大編成での仕事をつぎつぎとこなしている。


ピアノ関連作品は下記。出典:✏️Thomas Larcher(Wikipedia/英語)

ピアノソロ作品
  1. Klavierstück: 1986
  2. Naunz: 1989
  3. Noodivihik: 1992
  4. Antennen-Requiem für H. : 1999
  5. Smart Dust: 2005
  6. What Becomes: 2009
  7. Poems: 2010
    (12 pieces for pianists and other children)
  8. Innerberger Bauerntanz: 2012
  9. Movement: 2019

ピアノ協奏曲
  1. Böse Zellen: 2006/2007
  2. Piano Concerto: 2020–2021

ピアノを含む室内楽
  1. Kraken(ピアノ三重奏曲): 1994–1997


YouTube で一番充実している音源は、タマラ・ステファノヴィチが弾く CD(↓)のプレイリストかも知れない。Smart Dust (2005)、Poems (1975-2010)、What Becomes (2009) は世界初録音。



✏️Thomas Larcher: What Becomes(Tower Records)

収録曲は下記で、"A Padmore Cycle" のテノールは Mark Padmore。
  1. Smart Dust (2005)
  2. Poems (1975-2010)
  3. What Becomes (2009)
  4. A Padmore Cycle (2010-2011)*

YouTube のプレイリストはこれ(↓)。

♪ Thomas Larcher: What Becomes(プレイリスト)


ちょっと脱線するが、タマラ・ステファノヴィチはピエール=ロラン・エマールさんの弟子で、最近、メシアンの「アーメンの幻影」(2台ピアノ)を録音して、ちょっと話題になっていたりする ♪





YouTube で聴いた音源をいくつか挙げておく。

トーマス・ラルヒャー自身が弾いている "Poems" もある。

♪ Thomas Larcher - Poems. 12 Pieces for Pianists and other children (1975–2010)
ピアノ:Thomas Larcher

ちなみに、この作品は 2010年のシュパヌンゲン音楽祭で委嘱されたもので、初演したのは今年 51歳の若さで亡くなったラルス・フォークトさん。


その他、2つほどの音源があった。


♪ Thomas Larcher - Innerberger Bauerntanz for piano (2012)
ピアノ:Christopher McKiggan


最新のピアノ協奏曲(2021)はベルリンフィルの広告動画があった。キリル・ゲルシュタインの演奏には興味があったのだが、これを聴く限りではあまり好みの作品ではなさそうだったので、今回は全曲聴くのはパスした…(^^;)。


ベルリンフィルの✏️デジタル・コンサートホールで全曲を聴くことができる(登録すると…)。


少し物足りないので Spotify を探したら、2枚ほど CD があった。

一つは、ラルヒャー自身が演奏しているもので、ピアノ三重奏曲 "Kraken" も入っている。



収録曲。
  1. Naunz
  2. Noodivihik
  3. Klavierstück
  4. Antennen-Requiem für H.
  5. Kraken


もう一つは、ピアノ協奏曲 "Böse Zellen" が収録されているもの。デニス・ラッセル・デイヴィス指揮のミュンヘン室内管弦楽団、ピアノはティル・フェルナーさん ♪

ピアノは「プリペアド」らしく、なかなか面白い作品だ…(^^)♪

ヴィオラと室内オーケストラのための「静寂(Still)」と弦楽四重奏のための「マッドハレス(Madhares)」も入っている。



✏️Thomas Larcher: Madhares(Tower Records)


全体的には、結構「現代音楽」的な要素が強く、ピアノもプリペアドや内部奏法などが多用されていて、曲によってはちょっと遠慮したいものもある…(^^;)。

…が、プリペアド・ピアノとオーケストラのための "Böse Zellen" など興味深い作品もあり、もう少し聴いてみたいと思っている ♪


主な参考記事は下記。

✏️トーマス・ラルヒャー(Wikipedia)

✏️Thomas Larcher(Wikipedia/英語)

✏️Thomas Larcher(公式サイト)

✏️THOMAS LARCHER(SCHOTT)



0 件のコメント:

コメントを投稿