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2022年5月5日木曜日

割りに合わないピアノ講師という職業?就業人数は意外に少ない?

ピアノ講師に関するあまりありがたくない?記事があった。ピアノ講師になるためにかかるお金や時間の「コスト」に対する報酬の低さや大変さが書いてある。

「マネー現代」のサイトなのでそういう視点になるのだろうが、まぁ何となくみんな分かっていたことのような気もする…(^^;)。




それよりも、ちょっと「そうなの?」と思ったのは、「ピアノブーム」なの?ということと、意外に「ピアノ講師」の数が少ないということ。

上のグラフは別の資料(↓)からの引用だが、音大生の卒業時の進路を見ても、「音楽教室等講師」になる人は 5%しかいない。



「経済センサス」という国の統計調査では、2016年 6月時点での「音楽教室従業者」は、3万 9千人なのだそうだ(↓)。ピアノ講師だけに限るともっと少ない…ということだ。


これは、ご近所散歩の経験からすると、「もっと多いんじゃないの?」という気もする。朝の 30分散歩コースでも 2〜3箇所のピアノ教室があるのだが…?

ちなみに、コンビニ(55,620店舗)より多いと言われる歯医者さんの数は 68,500(2019年)あるそうだ…(^^;)。


「ピアノブーム」の方は、ストリートピアノの(一時期の?)盛り上がり、ショパンコンクールでの日本人の活躍、そしてコロナ禍による「ピアノ休眠層」の目覚め?、YouTuber ピアニストの増加…などで、何となくは「そうかも…」とは思うのだが…。

まぁ、たしかにピアノ(楽器)の販売数も伸びているようなので、少しは盛り上がっているとしても「ブーム」というほどなのか?…というのが正直な感想だ。


一人のピアノ音楽ファンとしては「ピアノブーム」は歓迎したいと思いつつ、どこかしらで「ホント?」という気持ちがあるのも確かなのだ…(^^;)。


…と、前置き?が長くなってしまったが、読んだ記事は下記(一つの記事の前後編)。

✏️ピアノブーム再燃も…「ピアノ講師」という職業が抱える「儲からない」という大問題

✏️年収100万円未満という人も…“あまりに割にあわない”「ピアノ講師」という職の実態


著者の秋山謙一郎(フリージャーナリスト)という名前に聞き覚えがあると思ったら、同じサイトの「ピアノブーム」に関する記事を 2月にも読んでいた。



今回読んだ記事では、ピアノ講師の人数を 3〜5万人と推定している。元データは 2015年国勢調査による「音楽教室講師 7万 330人」という数字。

ここからピアノ以外の楽器を差し引くとだいたい 4万人くらいだろうと…。ちなみに、ピティナ所属の指導者は約 1万2000人だそうだ。


この記事ではピアノ講師と弁護士を比較しているが、弁護士は 4万2164人。その弁護士になるまでにかかる費用は「2000万円は下らない、多い人は 3000万円」という感じ。

一方のピアノ講師は、「小学生から芸、音大卒業までにかかるコストの総計は、ざっと3000万円は必要といったところか」と推測している。

細かいことは元の記事に任せるが、例えばこんな想定を元にしている。

  • 桐朋学園大学の例:初年度納入金合計額 270万6600円、学部 4年間で 842万6400円
  • レッスン料、各種謝礼:小4〜音大入学前まで約 1080万円
  • 楽器代:150万円〜
  • その他:個別レッスン、短期留学(国内外)など


そういう「コスト」をかけて「小学校入学前からピアノレッスンを受け、著名な私立の音楽大学を卒業した音楽エリート」であるピアノ講師 3人に取材した話も載っている。

同じ「ピアノ講師」でも目指す方向ややり方が違っている。


A先生(50歳)は「芸術志向」とでも言うのか、ご本人はあくまで「演奏家」であって、講師業は「演奏家である自分のDNAを後世に伝える活動の一環」と仰っている。

生徒は大人と子ども合わせて15人。レッスン代は中級者で1万円。

「目指すは教育」と言い切るのが B先生(55歳)。自宅でピアノ教室と小中生を対象とした学習塾を併業していて、大人のレッスン生は取っていない。

で、C先生(45歳)はあくまで「ビジネスでありサービス業」だと言い切る。

「師匠と弟子」というならお金を受け取るべきでない。お金を頂くからにはレッスン生は「お客様」であり、代金に見合ったサービスを提供する必要があるという考え方だ。

子どもより「趣味でピアノを楽しむ大人」が主なターゲットで、レッスン方法もオンラインのグループ・レッスンや定額制などの新しい「スキーム」を構築しようとしている。


まぁ、三者三様というのか、「芸術」「教育」「ビジネス」と軸足が少しずつ違っているのが面白い。

ただ、ビジネスと言い切る C先生も、「経営が安定すれば芸術か教育に軸足を置き、『この人を育ててみたい』と思う才能をより引き出すことに専念したい」とも仰っている。

芸術にはお金(経済的余裕)が必要…ということか…(^^;)。


で、一般的な「ピアノ講師」の収入であるが…。

2020年の厚生労働省による「賃金構造基本統計調査」によると、ピアノ講師の年収は 376.8万円だそうだ。ここから経費などを差し引くと、実際の「所得」はもっと低くなる。

この著者が取材した範囲では、音大を卒業した 1年目、ピアノ講師としての収入は 100万円に満たなかったという人も何人かいた…とのこと。


…ということで、個人的にはこの先も「独習」ベースでピアノをやっていこうと思っているので、直接的にはあまり関係ないことなのだが…。ピアノ音楽をもう少し盛り上げるためにも、ピアノ講師の方たちがもっと「割に合う」というのか、「報われる」職業になってほしいと思う。

一方で「ビジネス」一辺倒(儲かればいい…みたいな)にはなってほしくない。

といって、何かいい知恵があるわけではないが…(^^;)。




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