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2021年5月6日木曜日

Bach100: バス独唱カンタータの代表作「われは満ち足れり」BWV82 ♪

「J.S.Bachの作品100曲を聴く」《Bach100BWV🎧》プロジェクト、バッハの有名な教会カンタータの 5曲目は、BWV80「われは満ち足れり」(Ich habe genug)。

バッハの教会カンタータには「ソロ・カンタータ」というジャンルがあって、BWV82 はバスのソロ・カンタータの代表作。3曲目のアリア "Schlummert ein"(眠りなさい)は有名な子守唄で、アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳にも書き込まれているそうだ。


BWV82 🎼バッハの作品一覧/Wikipedia


BWV82 は「マリアの潔めの祝日」(2月2日)のために作曲されたもので、1727年の 2月2日にライプツィヒの教会で初演された。

「潔めの祝日」というのは「お宮参り」のようなもので、マリアとヨセフはこの日、幼いイエスを抱いてエルサレムの神殿に詣でている。

この曲は、そのときに出会ったシメオンという信仰の篤い老人の心情を歌ったもの。

シメオンは「救世主と出逢うまで死なない」という神のお告げを得ていたのだが、幼子を一目見てこの人こそ救世主と知り、お告げが成就したことを喜んで神を讃え、「これで満足した、もう思い残すことなく世を去ることができる」と語る。

苦難の多い「この世」から、キリストの救いによって永遠の安らぎである「死」の世界に旅立つ心情が歌われている。


弦楽合奏、通奏低音、オーボエの伴奏で、バスによるアリアとレチタティーヴォが交互に歌われる構成(↓)になっている。

  1. アリア「Ich habe genung」
  2. レチタティーヴォ「Ich habe genung」
  3. アリア「Schlummert ein」
  4. レチタティーヴォ「Mein Gott!」
  5. アリア「Ich freude mich」

いくつか聴いてみた中で一番気に入ったのが、オランダバッハ協会の演奏(↓)。


指揮とハープシコードは Lars Ulrik Mortensen(ラース・ウルリク・モルテンセン、デンマーク、1955〜)。独唱のバリトン Thomas Bauer(トーマス・バウアー、ドイツ、1970〜)はいい声をしている…(^^)♪

ちなみに、この曲はバッハのお気に入りだったようで、生涯にわたって何度も上演をくりかえし、その都度、声部はバスからソプラノ、アルトへ、オブリガート楽器もオーボエからフルートへと書き換えられた…とのこと。

なので、現在の音源もバスだけでなく、ソプラノ、アルト、テノールのものがあるようだ。…個人的にはやはりバスが好みだが…。


「ソロ・カンタータ」というものがあることは初めて知った。

✏️ソロ・カンタータのすすめ~三位一体節後第19日曜(BWV56、5他)~ヘレヴェッヘ(♪バッハ・カンタータ日記 ~カンタータのある生活~)

上の記事によると、バッハは「ライプツィヒ2年目に、徹底してコラール・カンタータを書き続け、コラール・カンタータの年巻をひととおりまとめた後」に、様々な編成や作風のカンタータを書くようになり、その中の一つが「ソロ・カンタータ」のようだ。

代表的なソロ・カンタータとしては、声部ごとに次のようなものがある。

バス:BWV56, 82, 158
テノール:BWV55
アルト:BWV54, 169, 170
ソプラノ:BWV51, 199


以上、主な参考記事は下記。

✏️お気に入りのアリアその3~BWV82、159~夕映えのR.シュトラウス(♪バッハ・カンタータ日記 ~カンタータのある生活~)



おまけ。余談になるが…この曲の冒頭を聴き始めたとき、ふと思い出したのがコレ(↓)。エンニオ・モリコーネの有名な曲「ガブリエルのオーボエ」。

この曲の響きの「源流」?はバッハにあったのかも…(^^)?



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