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2020年12月26日土曜日

BTHVN op.132: 弦楽四重奏曲第15番、重病から回復した感謝と喜び ♪

「ベートーヴェンの全作品を聴く」プロジェクト《All BTHVN 🎧》、今回は Op.132 弦楽四重奏曲第15番 イ短調(1823-25:53-55歳)。

第14番に続いて好きな曲を見つけたかも…。とくに、第3楽章の美しさは言葉では表せない…(^^)♪


Op.132

🎼 List of works by Ludwig van Beethoven


弦楽四重奏曲第12番、第13番、第15番のいわゆる「ガリツィンセット」の中の 1曲。

第 3楽章の Molto Adagio - Andante には「リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」("Heiliger Dankgesang eines Genesenen an die Gottheit, in der lydischen Tonart")というタイトルが付けられている。
 
ベートーヴェンは、この作品を作曲している途中で重い病に倒れる。この楽章は、そこから回復した感謝と喜びが表現されている。

よく知られたグレゴリオ聖歌の "Veni Creator Spiritus"(来たれ創造主たる聖霊よ)などを使った 3つの変奏と、その間に挟まれた "Neue Kraft fühlend"(新たな力を感じて)と題された 2つのパッセージから構成されている。



また、第1楽章の冒頭には、後期弦楽四重奏曲に共通すると言われる、「動機」よりももっと自由に変化する「四音構造」(半音上行・下行)が典型的に現れている。




ちょっと興味は湧くのだが、簡単には理解できないので説明は省く。詳しいことは下記 PDF を参照されたい。

✏️『四音構造』の考察(川井 學:PDF)
 ベートーヴェン晩年の弦楽四重奏曲群を貫くもの


今回は、これまでに気に入ったいくつかの弦楽四重奏団の演奏を、冒頭だけ聴き比べて、その中から一番気に入ったものを聴くことにした。

結果的には、Takács Quartet(タカーチ弦楽四重奏団)の 2003年録音・2004年初頭リリースのこの CD(ディスク・オブ・ザ・イヤー等を受賞)の演奏になった。

YouTube には、例によって?楽章ごとの音源しかない。…ので、自分でプレイリストを作ってしまった。CM が頻繁に入るかも知れないが…(^^;)。

♪ BTHVNop132TakácsQ(プレイリスト)

メンバーは下記。

Violin: Edward Dusinberre
Violin: Károly Schranz
Viola: Roger Tapping
Cello: Andras Fejér


おまけ。《BTHVN op.131: 弦楽四重奏曲第14番 素晴らしくいい曲…(^^)♪》の記事から、タカーチ四重奏団の紹介をコピペしておく(ご参考)。


Takács Quartet(タカーチ弦楽四重奏団)は、1975年にハンガリーのリスト音楽院のアンドラーシュ・ミハーイに師事する学生たちによって結成された。

1977年にエヴィアン、ポーツマス両国際コンクールで優勝したことで注目を浴びた。

数々の録音が賞を受賞しており、『ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集』は2005年BBCミュージック・マガジンのディスク・オブ・ザ・イヤー、室内楽賞に選ばれ、グラモフォン・アワードや日本レコード・アカデミー賞も受賞している。

また、2012年には J.ハイフェッツや L.バーンスタインといった錚々たる音楽家と並び、弦楽四重奏団としては唯一グラモフォンへの殿堂入りを果たした。

現在はアメリカ合衆国のコロラド州ボルダーを拠点としている。

当初のメンバーは下記。

ガーボル・タカーチ=ナジェ :Vn1
カーロイ・シュランツ :Vn2
ガーボル・オールマイ :Va
アンドラーシュ・フェイエール :Vc

途中何度かメンバーの入れ替えがあり、現在は下記メンバー。

Edward Dusinberre :Vn1
Harumi Rhodes :Vn2
Richard O'Neill :Va
András Fejér :Vc



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