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2018年9月20日木曜日

リーズ国際ピアノコンクール2018、おおむね好評価 ♪

今回のリーズ国際ピアノコンクールは、medici.tv のおかげもあって結構楽しめた。アッと驚くような想定外のピアニストは現れなかったが、2015年のショパンコンクールから期待していた若手、20歳のエリック・ルーが優勝したし、いい結果が出たと思う。

今回のリーズは「ポール・ルイス改革」がどう評価されるのか?ちょっと気になっていたので記事を探してみたが、淡々と結果を伝える記事が多く、それなりに論評しているのは "the Guardian" の次の記事くらい…。

✏️US pianist Eric Lu wins top prize at Leeds competition




"the Guardian" と言えば、前回(2015年)のリーズ国際ピアノコンクールでは、

 It is the end of an era at Leeds. (リーズの時代は終わった)

…という大胆な文から始まる、リーズ国際ピアノコンクールの結果に対する疑問を呈した記事を載せていた。

《ピアノに関する気になるニュース#7:the end of Leeds》


今回の "the Guardian" の記事はとても好意的な記事になっている。意訳・抄訳すると…。


まず、私が「新装開店」と書いた今回のコンクールを "the rebooted competition" と表現している。過去に "Radu Lupu, Murray Perahia, Mitsuko Uchida and András Schiff" といった錚々たるピアニストを輩出したリーズも、最近は "old-fashioned" となり結果が出ていなかった。

そして、ポール・ルイス、アダム・ゲートハウスによる今回の改革につながる。

参考:《リーズ国際ピアノコンクール、復活なるか?ー新ヴィジョン発表!》


課題に室内楽と現代ピアノ曲が加えられ、レパートリーの選択に関する短い作文の提出も義務付けられた。こうしたことが、より成熟したピアニストを選ぶことにつながった。

マスタークラス、審査員やコンペチタによる学校などのへの訪問、街中の様々な広告なども、街を10日間ピアノ一色に染めるのに役立った。2012年や2015年には、コンクールをやっていることを知らない人も多かったのに…。今回、聴衆や地元民にも好評だった。


medici.tv の力も大きかった。140カ国の 50万人の人がライヴや録画を楽しんだ。ネット視聴者による人気投票も行われ、3位入賞の Xinyuan Wang が選ばれた。地元英国出身のピアニストは相変わらず少なかった。24名中 2名いたがファイナルには進めなかった。

1位になったエリック・ルーには忙しい日々が待っている。9月20日には "Royal Liverpool philharmonic orchestra" とのコンサート。そして、ウィグモアホール、サウスバンクセンターと続く。韓国やヨーロッパのツアーも…。Warner Classics からアルバムも出る。


審査員は各ラウンドの "performances"(だけ)に基づいて審査をした。審査員どうしは相談してはいけないことになっている。しかし、結果としてどのラウンドも皆が同じ意見だったようだ。(there has a form of consensus)


そしてもう一つ、いつも辛口の記事の多いノーマン・レブレヒト氏も、結果やエリック・ルーのコメント以外に「評論」らしい言葉としては一言だけ。

"The competition was refreshingly clean of manipulation thanks to the absence of teachers on the jury."
(コンクールは見違えるようにクリーンな=変な操作のないものになった。審査員に「先生」がいなかったおかげだ。)

✏️American pianist wins leeds.


まぁ、本当の評価はこれからだ。エリック・ルーの今後の活躍にもよるだろうし…。


【関連記事】
《エリック・ルー Eric Lu 祝優勝!@Leeds2018 ♪》

《Leeds2018》(まとめ記事)

《ピアノコンクールの審査員から先生を排除すべき理由…》


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