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2017年5月17日水曜日

日本人ピアニスト探索2の最終結果 ♪

前回ご報告した時点(5月9日)では、50人のリストから5人の候補者を選んだ。それが、三輪郁、近藤嘉宏、高橋悠治、児玉麻里、藤井一興の5人のピアニスト。






その後、NAXOSにCD音源があった児玉麻里さんについてはじっくり聴いたりしたが、そのほかの人については、再度 YouTube 音源を聴いてみた。

で、5人を選んだ時点で、ある程度結果の予測はついていたのだが、お気に入り候補として残ったのは、けっきょく以前から名前を(何となくも含めて)知っていた3人だ。つまり、高橋悠治、児玉麻里、藤井一興の3人。

簡単に、5人の「お気に入り度」判定、というか感想を書いてみる。


三輪郁さんはモーツァルトをきれいに弾くのだけど、逆に言うとそれだけ…という印象。

近藤嘉宏さんも、指がよく回るし弾き方もなかなかいい感じだし、演奏もそんなに悪くはない。ただ、何となく面白みに欠けるというか深みがないというか、あえてこの演奏を聴きたいとは思えなかった。ときに弾き飛ばしているように感じるところもある。

お二人とも、日本人ピアニストとしてはある程度の水準なのだと思われるが、ピアノ教室のお手本的な「とても上手な人」以上の感想は持てなかった。


児玉麻里さんは、ベートーヴェンのピアノソナタ全曲を録音したCDがNAXOSにあったので、それを中心にいくつかの演奏を聴いた。

その中では、第29番「ハンマークラヴィア」がなかなか良かった。


ただ、何と言ってもベトソナは「激戦区」。たくさんの素晴らしいピアニストや演奏がある中で、あえて児玉麻里さんを聴く理由はあまり見当たらないと思った。まぁ、たまには違うピアニストの演奏を聴いてみるか、というときに思い出すかも知れない…というレベルだ。


ちなみに、ちょっと前に話題になった、妹の児玉桃さんとの共演CD "Tchaikovsky: Ballet Suites for Piano Duo" (↓)も聴いてみた。悪くはないが、それほど面白くもなかった。




一番意外だったのは藤井一興さん。プロフィールを見ると「大先生」なのだが、演奏が予想に反して(失礼!)活き活きしていて魅力的であった。

NAXOS では "Igor Markevitch Piano Works" というCD(↓)があったのだが、この中にあるピアノ曲は YouTube で聴いた2曲と同じであった。




2曲とも知らない曲(知らない作曲家:Igor Markevitch)であったが、両方ともなかなか面白い曲だと思った。演奏も魅力的なので、もう少し聴いてみたいと思っている。(参考のため、YouTube 音源を再掲 ↓)




驚いたのは、2014年から毎年ちょっと面白いCD(「ドビュッシー&別の作曲家」↓)を出していて、そのいずれもが「レコード芸術」誌で「特選盤」に選ばれていることだ。活動内容も若々しく意欲的な感じを受ける。(→参考:本人サイト












高橋悠治さんは、もともとは作曲家として以前から興味があった人である。今回少し聴いてみて、ピアニストとしてもなかなか味があっていいなぁと思ったのだが、やはり演奏家というより「音楽家」として見た方がいいだろう。

NAXOS には30枚近いCDが登録されているが、ほとんどが「作曲:高橋悠治」である。『「不屈の民」変奏曲』だけは、古い録音(1989年CDリリース ↓)だが、「ピアニスト:高橋悠治」となっている。




ということで、今回の日本人ピアニスト探索の一番の収穫は藤井一興さん ♪

ただ、高橋悠治さんと児玉麻里さんも、機会があったら(かつ演奏曲目がよかったら)ナマで聴いてみたいと思っている。



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