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2024年2月4日日曜日

J.S.バッハ、ピアノによる全鍵盤音楽の録音は意外と?少ない

今年の目標の一つに「バッハの全鍵盤作品を聴く」というのを入れて、YouTube や Spotify で探索してボチボチ聴いているのだが、有名でない曲の場合、音源を探すのに苦労している。とくにピアノでプロの演奏となるとなかなか見つからない。

で、ふと気がついたのが「バッハの全鍵盤作品」を録音しているピアニストがいないだろうか?…ということ。



「バッハの全鍵盤作品」は、『バッハの鍵盤音楽』という本によると 200曲ほどあるそうだ。その一覧表は《J.S.Bach の鍵盤音楽》にまとめてあって、記事を書くごとにここにリンクを追加している。

最初に聴いたのは練習していた「ゴルトベルク変奏曲」なのだが、その次からは上記の本に登場する順番(大まかには作曲年代順)に聴いている。

その最初の方の目次は下記のようになっていて、当然「初期」の作品が並んでいる。中にはバッハの真作だと確定してないものもあって、どうしても音源は少なくなる。

4. 初期の組曲
5. 初期のフーガ
6. 種々の初期作品


で、YouTube や Spotify、そして Amazon でも「全鍵盤作品」録音を探してみるのだが、見つかるのはほとんどがチェンバロによる演奏だ。

ピアノによる録音で唯一見つけたのが、イーヴォ・ヤンセン(Ivo Janssen、1963 - )というオランダのピアニストによる "Bach, J.S.: Complete Keyboard Works" という CD 20枚の "BACH-BOX"。

本人が 1998年に立ち上げた Void Classics というレーベルのサイト(↓)によると、191の BWV番号、509トラック、23時間12分の演奏が入っているとのこと。





YouTube にはこの(↓)チャンネルがあって、ここには少なくとも 13枚のアルバムに "J.S.Bach" の名前が付いている。


いくつかの演奏(↓)を聴いてみたが悪くないと思う。際立った特徴がある訳ではないが、安心して聴けるお手本のような演奏だ。

♪ J.S. Bach Preludes and Fugues:アルバム

♪ J.S. Bach Goldberg Variations:アルバム

♪ J.S. Bach Die Kunst der Fuge:アルバム


なお、上記の Void Classics サイト/Home に気になる言葉(↓)があった。2021年に亡くなったのか?あるいはピアニストとして存在することを辞めた(引退した)のか…?

"On September 1, 2021, Janssenbeton ceased to exist. Concerts will no longer take place."


その他で、「全」とは言わないまでも「鍵盤音楽作品集」のようなものを出しているピアニストとしてはシフとヒューイットが見つかった。

アンドラーシュ・シフのものは 12枚組の "J.S.Bach: Works for Keyboard" で、DECCA のそれまでの音源を集めたもののようだ。



✏️J.S.Bach: Works for Keyboard(Tower Records)


アンジェラ・ヒューイットのものは 15枚組の "Angela Hewitt plays Bach"。「ハイペリオン創立30周年記念リリース」なので、過去の音源のコンピレーション版だと思われる。





なお、ヒューイットは2016~20年にバッハの全作品を完全演奏するツアーを行なっている。この時のライヴ録音はないのだろうか…と思うのだが…?



追記@2024/02/09

この記事を書いたとき、グレン・グールドのことを忘れていたので…(^^;)…改めてグールド(+シフ、ヒューイット)の「バッハ全集」の内容をチェックした。(下記記事参照)



ちなみに、チェンバロでの「全鍵盤作品」録音でよく名前を見る演奏家としては次の 3人が目立っている。

バンジャマン・アラール(Benjamin Alard、仏、1985 - )

現在「J.S.バッハ : 鍵盤のための作品全集」に取り組んでいる。本人公式サイト(↓)によると、"Vol.8 : Köthen, 1717-1723 - For Maria Barbara" までリリース済み。



ズザナ・ルージチコヴァー(Zuzana Růžičková、チェコ、1927 - 2017)




グスタフ・レオンハルト(Gustav Leonhardt、オランダ、1928 - 2012)





【関連記事】
《J.S.Bach の鍵盤音楽》

《『バッハの鍵盤音楽』バッハを愛するすべての人の座右の書 ♪》


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2 件のコメント:

  1. ぴあさん、こんにちは。いつも興味深い情報提供ありがとうございます。Ivoさんは、バッハの作品をYouTubeで検索すると結構上がってきてなかなかシブくて味のあるピアニストですよね。Janssenbeatonというのは彼が造った水上コンサートホールの名前で、川にボートハウスのようなものを浮かべてそこでしばらくコンサート活動をされていたみたいですね。そのボートハウスが2021年には存在しなくなり、以来コンサートもできなくなったということみたいです。
    バッハの鍵盤作品全てを録音するって、プロのピアニストにとってもすごいライフワークなんでしょうね。グレングールドあたりがやっていそうな感じがしますが、意外に彼も全ての曲はリリースしていないんですね。

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  2. Gari さん、おはようございます。
    なるほど、水上(ボートハウス)コンサートホールまで作っていた人なんですね。すごいですね ♪ それにしても、英語の読解力のなさを痛感しました。大事な主語を勘違いしてました…(^^;)。
    あと、グレン・グールドにも「バッハ全集」があるので、ほとんどの作品は録音していると思います。この記事を書こうと思っていたときにはグールドも意識していたのですが、色々探索しているうちになぜか失念していたようです。「全集」の中身を一度チェックしたいと思います。ご指摘ありがとうございました ♪

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