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2024年2月28日水曜日

Bach.KB.BWV966:ソナタ ハ長調、原曲はラインケン、リヒテルの演奏が素晴らしい ♪

「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」プロジェクト、『バッハの鍵盤音楽』の第6章「種々の初期作品」から BWV966「ソナタ」ハ長調。

ラインケンの『音楽の園』(ホルトゥス・ムジクス)第3番を基本にした作品。リヒテルの演奏が素晴らしい ♪




バッハはラインケンの器楽合奏曲集『音楽の園 Hortus musicus』(1687)を入手し研究していた。BWV966 以外にもこの曲集に基づく作品が二つある(BWV954BWV965)。

『音楽の園』(↓)には 6つのパルティータ(ソナタ)が含まれており、BWV966 は第3番のソナタとアルマンドを編曲している。クーラント、サラバンド、ジーグが省かれているのは意図的だと思われる。

Johann Adam Reincken – Hortus Musicus(タイムスタンプ 22:27〜)

従って、BWV966 の構成は下記のようになっている。演奏順序は再構成されることがある。

  1. プレリュード
  2. フーガ
  3. アダージョ - アレグロ
  4. アルマンド


『バッハの鍵盤音楽』の著者デイヴィッド・シューレンバーグ氏による解説。

改作方法は BWV965 と同じだがスタイルはより簡素になっている。3つのラインケン・フーガのうち一番本来の協奏曲様式に近い。対位法も完全ではなく細かい不手際も見られるが、バッハがヴェネツィアの協奏曲様式を自らの様式に組み入れる途上の作品である。


スヴャトスラフ・リヒテルの演奏が素晴らしい ♪ リヒテルは「プレリュード、アルマンド、アダージョ - アレグロ、フーガ」の順番で演奏しているが、この再構成は妥当なものと思われる。



ラミン・バーラミ(Ramin Bahrami、イラン。1976- )の "J.S. Bach: The Sonatas BWV 963-968" という CD にも入っている。YouTube で聴ける(↓)。BWV966 はトラックNo.8〜12。



これ(↓)はチェンバロによる演奏。弾いているのは Pieter-Jan Belder という人。BWV966 は下記アルバムの中に入っていて、トラックNo.60〜64。



なお、『バッハの鍵盤音楽』の第6章「種々の初期作品」に含まれる作品は下記。

  1. BWV921 前奏曲 ハ短調
  2. BWV922 幻想曲 [前奏曲] イ短調
  3. BWV917 2つの主題による幻想曲 ト短調
  4. BWV963 ソナタ ニ長調
  5. BWV967 ソナタ イ短調
  6. BWV992 カプリッチョ《最愛の兄の旅立ちに寄せて》
  7. BWV965 ラインケンによるソナタ イ短調
  8. BWV966 ソナタ ハ長調
  9. BWV989 アリアと変奏 イ短調


出典:

📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)

✏️バッハ :ソナタ ハ長調 BWV 966(PTNAピアノ曲事典)



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