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2023年1月23日月曜日

🎹G.バツェヴィチ 1909-69 聴き応えあるピアノソナタ第2番、演奏会用エチュード♪

2023年の来日ピアニストのプログラム(↓)から、気になる(&知らない)現代作曲家とその作品をチェックしようと思っている。

《2023年来日ピアニストはなかなか魅力的 ♪ 現代ピアノ曲が増えた?》

ヤブロンスキーが取り上げているグラジナ・バツェヴィチという作曲家のピアノソナタ第2番はなかなか聴き応えがあって、これまでに聴く機会がなかったことに少し驚いている…。




グラジナ・バツェヴィチ(Grażyna Bacewicz、ポーランド、1909-1969)という女性作曲家は、ポーランドではかなり有名な人のようだ。ヴァイオリニストとしても活躍していて、ポーランド放送交響楽団のコンサートミストレス(1936-38)も務めたこともある。

ワルシャワ音楽院(ヴァイオリン科、ピアノ科)を 1932年に卒業し、パデレフスキによる奨学金で 1932年から 1933年までパリに留学、エコール・ノルマル音楽院でナディア・ブーランジェの薫陶を受けた。その後フランスを離れてカール・フレッシュ(Vn)のもとで研鑽を積む。


作曲家としては、ヴァイオリンを中心に多くの作品を残している。7つのヴァイオリン協奏曲、5つのヴァイオリンソナタ、2つの無伴奏ヴァイオリンソナタ、7つの弦楽四重奏曲、2つのピアノ五重奏曲、4つの交響曲など。作風は新古典主義的と言われている。

下記記事による代表曲 6曲は次の通り。

✏️Grażyna Bacewicz: six of her best works(Classical Music/BBC)
  1. Concerto for String Orchestra (1948)
  2. Music for Strings, Trumpets and Percussion (1959)
  3. String Quartet No. 4 (1950)
  4. Piano Quintet No. 1 (1952)
  5. Violin Concerto No. 7 (1965)
  6. Piano Sonata No. 2 (1953)

ピアノソロ曲としては次のようなものがある。代表曲はピアノソナタ第2番と演奏会用エチュード…と思われる。
  1. Four Preludes for piano (1924)
  2. Children's Suite for piano (1933)
  3. 3 Groteski for piano (1935)
  4. Piano Sonata No. 1 (1949)
  5. Piano Sonata No. 2 (premiered 1953)
  6. Rondino for piano (1953)
  7. Two Etudes in Double Notes for piano (1955)
  8. Sonatina for piano (1955)
  9. 10 Concert Etudes for Piano (1956)
  10. Mały tryptyk [Little Triptych] for piano (1965)
  11. Rybki [Fish] for piano (1967)

室内楽では 2曲のピアノ五重奏曲の他、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 5曲など。
  1. Piano Quintet No. 1 (1952)
  2. Piano Quintet No. 2 (1965)

ピアノ協奏曲は、1949年度ワルシャワ・ショパン作曲コンクール準優勝作品。
  1. Concerto for Piano and Orchestra (1949) 
  2. Concerto for Two Pianos and Orchestra (1966)


YouTube などを見ると、クリスチャン・ツィメルマン、ペーテル・ヤブロンスキーなどが録音していたり、CD を出したりしているようだ。

また、バツェヴィチの「ピアノ曲集」を出しているピアニスト(とくに女性)も何人か見つかった。ピアノ曲のレパートリーとしてもある程度の人気があるのかも…。


ペーテル・ヤブロンスキー(Peter Jablonski)の CD はコレ(↓)。ピアノソナタ第1番はヤブロンスキーが編集して PWM(ポーランド音楽出版社)から出版した版を使用。



収録曲は下記。
  1. 演奏会用クラコヴィアク(1949)
  2. 10の演奏会用練習曲(1956-57)
  3. 2つの音符による2つの練習曲(1955)
  4. ピアノソナタ第1番(1949)
  5. ピアノソナタ第2番(1953)

解説記事(↓)。



YouTube にプレイリストがある。

♪ Bacewicz: Piano Works(プレイリスト)

「10の演奏会用練習曲」の演奏動画(↓)もある。



クリスチャン・ツィメルマン(Krystian Zimerman)のアルバムはピアノソナタ第2番と 2曲のピアノ五重奏とのカップリング。



YouTube にプレイリストがある。



…で、紹介しておいて何だが…、実はツィメルマンの演奏は、このアルバムに関してはあまり好みではない…(^^;)。録音のせいかも知れないが、なんだか少し乱暴に聴こえてしまう。五重奏のアンサンブル(バランス?)も今ひとつ感心しない…。

ピアノソナタ第2番については、ヤブロンスキーか、下記のリッカルド・デスカルツォ(Ricardo Descalzo)というスペインのピアニストの演奏の方が好きだ。


ちなみに、リッカルド・デスカルツォという人は現代ピアノ曲を得意としているようで、下記本人サイトには、何人もの現代作曲家の作品を演奏している音源が並んでいる。いずれ、ここも探索してみようと思っている ♪

✏️Ricardo Descalzo(本人サイト)


ピアノ五重奏第1番については、こちらの音源(↓)の方が気に入った。演奏は Silesian Quartet と Wiaczeslav Nowikow というピアニスト。


あと、ピアノ協奏曲についてはあまり音源がないようだが、ユリア・コチュバン(Julia Kociuban、ポーランド、1992-)が弾いたものが見つかった。それなりにいい感じの作品だ。コチュバンは 2015年チャイコフスキーコンクールのセミファイナリスト。


元の CD はコレ(↓)。

💿Piano Concertos 2020年



何人かが出しているバツェヴィチの「ピアノ曲集」から、YouTube に CD 丸ごとの音源(↓)があったものをご紹介しておく。"Children's Suite" も入っている。弾いているのはリトアニアの Morta Grigaliūnaitė(モルタ・グリガリュナイテ、1991-)というピアニスト。


元の CD(↓)。



収録曲:
  1. Little Triptych
  2. Concert Krakowiak
  3. Children’s Suite
  4. Two Etudes for Double Notes
  5. Ten Concert Etudes
  6. Trois pièces caractéristiques
  7. Piano Sonata, No. 2


個人的な全体的な感想としては、グラジナ・バツェヴィチのピアノ作品はもっと演奏されてもいいのでは?…と思った。「女性」ということが影響しているのだろうか?


主な参考記事は下記。


✏️Grażyna Bacewicz(Wikipedia/ 英語)

✏️バツェヴィチ(PTNAピアノ曲事典)



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