ページ

2020年9月22日火曜日

BTHVN op.67: 交響曲第5番「運命」パーヴォ・ヤルヴィの潔さ ♪

「ベートーヴェンの全作品を聴く」プロジェクト《All BTHVN 🎧》、今日は Op.67 の交響曲第5番 ハ短調「運命」(1804-08: 34-38歳)。ベートーヴェンらしさ最高潮 ♪

あまりにも有名なので、どの演奏を聴くか迷った。結局は、交響曲第4番と同じ指揮者、パーヴォ・ヤルヴィがドイツ・カンマーフィルを振った颯爽とした演奏が気に入った…(^^)♪


Op.67

🎼 List of works by Ludwig van Beethoven


それにしても「名盤」紹介というのは、なぜいつまでもカビの生えそうな古い演奏の CD ばかり並べるのだろう? それに、CD 以外の音源の評価も欲しい…。

昔の巨匠の演奏が嫌いな訳ではないし、いいものが沢山あるだろうとは思う。ただ、新しい CD や演奏の評価や紹介ももっと欲しいと思う。長い時間かけて評価が確定?したものしか紹介する自信がない…という訳ではないだろうに…(^^;)?

現代に生きる指揮者・オーケストラが、同じ時を生きている聴衆を前に演奏したものは、例えば「ナチが去り、戦後初めてベルリンの廃墟の中で行われた 1947年のフルトヴェングラー&ベルリン・フィルのコンサート」(後述)の演奏とは異なっているはずだ。

私が聴きたいのは歴史的な意味のある演奏よりも、現代に蘇る「古典」というか、「とれたて新鮮」みたいな活き活きとした音楽なんだけど…(^^)♪


それに少し関連した記事があったので要点を紹介したい。「新交響楽団」というアマチュアオーケストラの「プログラムノート」にあったものだ。


われわれ日本人がなぜ、ほぼ200年も経たこの日本で、ナポレオン時代のウィーンに生きたベートーヴェンの交響曲(第5番)を演奏するのだろうか

という問いに対する考え方が述べられている。

ベートーヴェンの時代にはバロック作品やウィーン古典派に親しんでいる貴族中心の演奏会で、この交響曲は「最先端の奇抜で野心的な音楽」として提示された。

それに対して、現代では「完全に評価の定まった『古典的』傑作」として、「現代にまでいたる西洋音楽の素養を身につけた聴衆」を前に演奏が行われる。

それでも、「ベートーヴェンが彼の時代の中で格闘していたものは、作品という布地のうちに織り込まれている」はずだ。

現代において「古典」を演奏する(聴く)意味は、当時の「布地」を再現することにあるのではなく、現代という新しいコンテクストの中で、その織物の「構成要素」が「どのような力をもつものであるか」を、演奏で答える…というところにあるのではないか。

そして、「コンテクスト」は時代とともに大きく変わっていく。…とすれば、「布地」からどんな力を引き出すか?というのも時代によって変化するのが当然だ。


…と、少し理屈っぽくなってきた…(^^;)…ので、演奏の話に移る。

有名な作品だけに解説記事や名盤紹介記事がたくさんあるのだが、最終的に参考にしたのが下記の記事。「戦後初めてベルリンの廃墟の中で行われた 1947年のフルトヴェングラー」から始まって、トスカニーニやカラヤンなど巨匠の名盤が 15枚ほど紹介されている。

この記事が気に入ったのは、2015年まで生きていたニコラウス・アーノンクールや現役のパーヴォ・ヤルヴィまでとり上げられていること。



上の記事に紹介されていた一番新しい演奏ということで、YouTube のパーヴォ・ヤルヴィ+ドイツ・カンマーフィルの演奏をまず聴いてみた。

ビックリした! 私のイメージにある「運命」とはかなり違う颯爽とした…というか潔ささえ感じる好演 ♪ 「とれたて新鮮」を感じる響きとドライヴ感…(^^)♪



今日はこれで終わり!と思ったが、念のために、もっと新しいバレンボイム+ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団の演奏も聴いてみた。

こちらはより重厚さを感じる演奏で、これもなかなか良かった。出だしだけちょっと聴くつもりが、最後まで聴いてしまった ♪



さらに、ついでにカラヤン+ベルリンフィルを聴いてみたのだが、驚いたことに、これが一番「運命」らしい演奏だと感じてしまった。

自分の頭の中にあるイメージそのものだったのだ。おそらく、若い頃に何度も聴いた記憶が残っているのだろう。これは名演奏だ。「カビが生えそう」ではまったくない…(^^;)。



…ということで、古くても新しくても「良いものは良い」…(^^)! まぁ、カラヤンは生で聴いたことはないけど、同時代人と言える範囲の人なので「古く」はないのだけれど…。


おまけ。パーヴォ・ヤルヴィ+ドイツ・カンマーフィルハーモニーはベートーヴェンの交響曲全集(録音:2004-2008)を出していて、評判は高いようだ。


ベートーヴェン:交響曲全集



また「生誕250年 ベートーヴェン 交響曲全曲演奏会」ということで、12月に来日公演が予定されている。コロナが少し収まって、無事来日できるといいのだが…(^^)。

 パーヴォ・ヤルヴィ指揮
 ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団



0 件のコメント:

コメントを投稿