そういえば、そもそも『くるみ割り人形』のことをほとんど知らないことに気がついて、ちょっと調べてみようと思った。元の「バレエ」のストーリーさえ知らないし…(^^;)。
ピアノ編曲を見る前に、元々の管弦楽版を見てみると、次の3つがある。『くるみ割り人形』のタイトルは省略する。通常「組曲」は第1組曲 Op.71a を指している。
- バレエ音楽 Op.71
- 第1組曲 Op.71a(演奏会用、8曲)
- 第2組曲 Op.71b(演奏会用、6曲)
元の Op.71 の構成は、序曲があり、第1幕に「情景:クリスマスツリー」から「雪片のワルツ」までの9曲、第2幕に「情景:お菓子の国の魔法の城」から「終幕のワルツとアポテオーズ」までの6曲がある。ただ、第2幕の第12曲 Divertissement と第14曲 Pas de deux はそれぞれ 6曲、4曲が含まれるので、細かく数えると全部で24曲となる。
バレエ自体は当初はあまり上演されなかったらしい。そのため一度バレエ版が途絶えて、原典版=決定版がなくなり、各国でさまざまに改訂されているが、1934年のV.I.ワイノーネン振付のものが原典となっていることが多いとのこと。
【出典】
✏️ Wikipedia
✏️ コトバンクの解説
ピアノ版としては、「バレエ音楽 Op.71」と「組曲 Op.71a」については、チャイコフスキー自身がピアノソロ用に編曲したものがあるようだ。
Op.71(バレエ音楽全曲)のピアノ版についてはあまり演奏機会がないと思われるが、若林顕さんのCD(↓)が出ている。
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」全曲(ピアノ版)
演奏機会が多いのは「組曲」版だと思われるが、ソロ、2台ピアノ、連弾などいろんなアレンジが出ているようだ。
「組曲 Op.71a」の 8曲は次の通り。参考に示した各曲の演奏時間は、アルゲリッチとエコノムの2台ピアノ版(冒頭のYouTube動画)のタイムスタンプによるもの。
- 小序曲:Allegro giusto 3:04
- 行進曲:Tempo di marcia viva 2:16
- 金平糖の精の踊り:Andante non troppo 2:00
- ロシアの踊り:Tempo di Trepak - Molto vivace 1:04
- アラビアの踊り:Allegretto 3:04
- 中国の踊り:Allegro Moderato 0:56
- 葦笛の踊り:Moderato Assai 2:10
- 花のワルツ:Tempo di Valse 6:19
ちなみに、第2組曲 Op.71b の曲目は下記。
- Divertissement Chocolate
- Pas de Deux (The Sugar-Plum Fairy & Her Cavalier)
- Decorating & Lighting of Tree
- Children’s Little Galop
- Entrance of Parents
- Tempo di Gross-vater
ピアノソロ版でよく弾かれる?プレトニョフ編曲の演奏会用組曲「くるみ割り人形」を見ると、Op.71a とは曲の構成がやや異なるようだ。
- March(行進曲)
- Dance of Sugar-Plum Fairy(シュガープラムの精の踊り)
- Tarantella(タランテラ)
- Intermezzo(間奏曲)
- Trepak -Russian Dance(トレパーク ロシアの踊り)
- Chinese Dance(中国の踊り)
- Andante maestoso(アンダンテ・マエストーゾ)
YouTube の音源ではアレクセイ・ヴォロディンの演奏(↓)がわりとよかった。1曲ごとに拍手が入るのはご愛嬌…(^^;)?
Tchaikovsky-Pletnev. The Sleeping Beauty and The Nutcracker: Concert suites from the ballets for piano.
組曲『くるみ割り人形』Op.71a のピアノソロ編曲としては、"Esipoff-Deis"版?という楽譜があった。
チャイコフスキー : 「くるみ割り人形」組曲 Op.71a/シャーマー社/ピアノ・ソロ用編曲
※追記:12月9日にアレンスキーの連弾編曲版も見つけた。
→《アレンスキー Arensky 編曲の『くるみ割り人形』ピアノ連弾 ♪》
他に全音からも「チャイコフスキーくるみ割人形」(ソロ)、「チャイコフスキー くるみ割り人形 [連弾]」というのが出ているが、後藤丹という人が編集(編曲?)している。
おまけ。自分で弾けそうかどうか確認したくて、ピアノピースを見てみた。「行進曲-こんぺいとうの踊り-トレパーク-あし笛の踊り-花のワルツ」の5曲メドレーが「難易度D」。私にはちょっと無理そう。そもそも私向きじゃないかも…(^^;)。
チャイコフスキー:《くるみ割り人形》メドレー(PP-579) (全音ピアノピース)
ちなみに「花のワルツ」単独は、編曲が難しいのか「難易度E」だった。
↓
ピアノピース-529 花のワルツ/チャイコフスキー (全音ピアノピ-ス 529)
【関連記事】
《アレンスキー Arensky 編曲の『くるみ割り人形』ピアノ連弾 ♪》
《ラン・ランのインタビュー『くるみ割り人形と秘密の王国』 ♪》
ぴあさん、こんにちは(ぴあさん?サイトーさん?)
返信削除かつと申します※以前もコメさせていただきましたがお久しぶりなので(笑
『くるみ割り人形』の独奏版、連弾版
各社出版されていますがどの楽譜を選べばいいのか迷いますよね。
独奏版はシャーマー社が中級者向け/プレトニョフ編曲版が上級者向けで評判がいいように感じましたが…
youtubeにUPされている動画では使用楽譜がわからないですし!
チャイコフスキー編曲はドーヴァー社なんですね?!教えていただきありがとうございました!
かつ さん、こんにちは ♪
返信削除過去のコメントを見たら、ペーター・レーゼルさんの記事にコメントいただいてました。お久しぶりです。
『くるみ割り人形』は、浜松国際ピアノコンクールでイ・ヒョクくんの演奏を聴くまではほとんど興味がなかったのですが、ディズニー映画が出たこともあり、急に調べてみる気になったものです。少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです…(^^)♪
調べているときに、ウチのカミさんから「連弾やろー♪」という申し出があったのですが、丁重に断りました。理由1:こういう曲は聴くのは好きでも自分で弾くのはどうも…。理由2:合奏とか連弾とか人と合わせるのは苦手…マイペースで弾きたい…(^^;)。
聴く方では、最近やっと室内楽(ピアノn重奏曲)の面白さが分かりつつあるのですが…。