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2018年7月13日金曜日

ブレット・ディーン Brett Dean のピアノ曲いいかも ♪

またしても、リーズ国際ピアノコンクールの課題曲に選ばれた 9人の現代作曲家の探索(↓)が滞っている。前回は 6月20日のジェルジュ・リゲティだったので 1ヶ月近く…。

《リーズコンクールの課題曲:ピアノ曲探索はここから ♪》


今回はオーストラリアのブレット・ディーン(Brett Dean)という人。課題曲は "Hommage à Brahms"(ブラームスへのオマージュ or ブラームスを讃えて)という作品。




プロフィール概要の元ネタは、Boosey & Hawkes という楽譜出版社などのもの(↓)。本人の公式サイトは発見できず。写真は Opera Musica というサイトからお借りした。

✏️Brett Dean - Boosey & Hawkes

✏️ブレット・ディーンが2009年グロマイヤー作曲賞受賞(2008/12/4)


ブレット・ディーン(Brett Dean、1961〜)はオーストラリアの作曲家。ヴィオラの名手としても有名で、ベルリン・フィルに 1984年から 14年間在籍した。ヴィオラ協奏曲(2004)も作曲し自ら初演している。

作曲を始めたのは 1988年。2006年作曲のヴァイオリン協奏曲 "The Lost Art of Letter Writing" が 2009年のグロマイヤー作曲賞を受賞している。

ヴィオラ奏者としてソロや室内楽で、また指揮者としても活躍している。


ブレット・ディーンのピアノ作品は、Boosey & Hawkes のサイト(Brett Dean ピアノ作品)によると下記の通り。"The 'Hommage' Etudes" は "ongoing cycle" となっているので、今後も「オマージュ」シリーズは増えて行くのだろう。

Equality
Etude: Hommage à Brahms
Etude: Hommage à Janácek
Etude: Hommage à Kurtág
Etude: Hommage à Lutoslawski
Prayer
Prelude and Chorale: Hommage à Bach


ただ、音源はあまりない。もっと弾かれるといいのにと思う…。

楽譜はBoosey & Hawkes のサイトからダウンロードで購入できるほか、ショット社からも出ているようだ。

✏️Boosey & Hawkes ストア:"Hommage à Brahms"

✏️Schott:Brett Dean


課題曲になっている "Hommage à Brahms" についての解説も、Boosey & Hawkes のサイトにある(↓)。

✏️Etude: Hommage à Brahms (2013) 8' 

2013年の作品で、2014年2月にエマニュエル・アックスによって初演されている。3つの小品(↓)からなり、あわせて 8分ほど。

I. Engelsflügel 1(天使の翼 1)
II. Hafenkneipenmusik(港の酒場の音楽)
III. Engelsflügel 2(天使の翼 2)


ちょっと面白いのは、作曲家自身による演奏方法の指定(↓)。

この作品は、3曲セットで(他の "Homage Etudes" と一緒にでも)弾いてほしい。でも理想は、ブラームスの『4つの小品 Op.119』の各曲の間で弾かれることだ

つまり、「Op.119-1 → 天使の翼 1 → Op.119-2 → 港の酒場の音楽 → Op.119-3 → 天使の翼 2 → Op.119-4」という曲順になる。

この解説でオススメの録音としてあげてある『Brahms Inspired-ブラームスに想起されたもの』(Amazon: 試聴可)という CD(↓)でもこの順番で演奏(録音)してある。




ブレット・ディーンのピアノ作品を聴きたいと思って、YouTube などを探したが、あまり見当たらない。"Equality" というのがあったので聴いてみた。

 Brett Dean - Equality

なかなかいいかも♪ と思って聴いていたら、いきなりピアニストが何か叫び出した… !? どうも、"All men are bastards!" と言っているようだ。作品解説にも "solo piano with speaking part" と書いてある。

でも、これってシドニー国際ピアノコンクールの動画なんだけど、コンクールでこれやったとしたら勇気あるなぁ…(^^;)。シドニーなのでオーストラリアの作曲家の作品を 1つ入れる必要があったんだろうけど…。


NAXOS に『Brahms Inspired-ブラームスに想起されたもの』があったので、ブラームスの「4つの小品 Op.119」と "Hommage à Brahms" とを交互に弾いている部分を聴いてみた。

なかなかいい。19世紀と21世紀の曲が交互に演奏されるのだけれど、違和感のようなものはなく、妙に?はまっている。もちろん、ブレット・ディーンの曲は現代的なのだが…。

ピアニストはイスラエルのオリ・シャハムという人。ヴァイオリンのギル・シャハムの妹らしい。1975年生まれ。


おまけ。Boosey & Hawkes のダウンロード販売のページに楽譜の一部サンプルがあったので、イメージを貼っておく(↓)。最初の曲はきれいでいい…(^^)♪








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