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2018年7月12日木曜日

▼ドビュッシー「レントより遅く」アナリーゼ?

前回の近況報告《▼ドビュッシー「レントより遅く」譜読みややこしい…》に書いたように、この曲の構造分析について情報を探したのだが、ネット上では見つからなかった。

そこで、あくまでも自分が練習するための「ブロック分け」のために「なんちゃってアナリーゼ」を試みた。その結果がこの図(↓)。

新説!?「レントより遅く」はソナタ形式だった…(^^;)?



実は「ロンド風複合三部形式」という説明をしている記事はあったのだが、具体的な内容は書いてなかった。複合三部形式をネットで勉強してこの曲に当てはめようとしてみたのだが、なかなかうまく行かない。

…で、あれこれ考えているうちに、ふと浮かんだのが「ソナタ形式」。やや強引なところもあるかもしれないが、パズルを解くようにやってみたら何となく収まった…(^^)!

第1主題のあとには「コデッタ」みたいなものもあるし…。


まず、第1主題は当然ながら冒頭のこれ(↓)。全曲を通しての基本テーマとなっている。短いコデッタを挟んで第1主題が繰り返され、長めのコデッタを経由して推移部に移る。




推移部(↓)は、直前のコデッタが下降音型なのに対して、上昇音型が繰り返される。




そして、Appasionato の第2主題(↓)による突然の場面転換で明るくなる。…が、安定しない調性の中で不安感のようなものが増して行き、オクターブ上がった第1主題が繰り返されたのち、やや装飾的なフレーズを含むコデッタによって提示部が終わる。




展開部は、半音階を特徴とする第1主題の変奏(↓)と、



3度和音を特徴とする第2主題の変奏(↓)とが短い間隔で交互に繰り返され、ちょっとした葛藤のようなもの(2つの主題のせめぎ合い)が展開される。



再現部は、第1主題だけの再現になっている。ここでは伴奏が変化している。オクターブを重ねた第1主題が繰り返されたあと、提示部の最後と同じようなコデッタを経由してコーダに移る。



コーダは、第1主題をエコーのように回想するように、次第に遅く小さくなりながら消え入るように終わる。イタリア語で " morendo"、フランス語では…。

De plus en plus lent et pp jusqu'à la fin
(終わりまでさらにさらにゆっくり pp で)


…という訳で、練習のためのブロック分けと、自分がこの曲を把握するための「方便」として、ソナタ形式のテンプレートを当てはめてみた。意外に腑に落ちた…(^^)♪

音楽理論的に合っているかどうかはさておき、とりあえずこのブロック分けに従って練習を進めたいと思っている。


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