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2018年6月22日金曜日

ベートーヴェンのバガテルから徒然なるままに…

ピリスさんのリサイタルで初めて聴いたベートーヴェンのバガテルがとても良かった。「6つのバガテル」の第5番。しみじみとしたいい曲で、今でもメロディーが頭に浮かぶ。

《ピリス さんの名演奏が生まれる所に居合わせた幸せ ♪》

ところが、「バガテル」ってどういうものか、恥ずかしながらこれまで知らずに過ごしてきた。知識としては「エリーゼのために」がバガテルだというくらいしか…(^^;)。


Le Parc de Bagatelle


で、Wikipedia:バガテルの項を見ると「性格的小品(キャラクターピース)の一つ。…『ちょっとしたもの』『つまらないもの』といった意味」と書いてある。

大曲の作曲過程でこぼれ落ちた楽想や、ふとした思いつきで手すさびとして書かれたもの」などとも書かれている。なんだかあまり納得できない…。

そして、Wiki には色々な作曲家の作品が載っているが、ほとんど初めて聞くものばかり。どれが有名でどれがオススメなのか?誰か教えてくれないかな…(^^;)。


ベートーヴェンの「6つのバガテル Op.126」の方も調べてみた。すると、どうも「ちょっとしたもの」とは大違いのようだ。

ベートーヴェンがこの作品を書いた1824年というのは、ピアノソナタ第32番(1822年)、「ディアベリ変奏曲」(1823年)、交響曲第9番 Op.125(1824年)などを生み出した、晩年の充実した時期である。

また、ベートーヴェン自身、この作品には「小曲の連作 Ciclus von Kleinigkeiten」という書き込みをしており、「自分が書いた最高のバガテル」とも書き残している。

「こぼれ落ちた楽想」や「手すさび」などでは決してなく、調性や緩急の曲順などを見ても、一つの「組曲」のようなものとして作られたものと考えた方がよさそうだ。


ところで、6月も残すところ1週間ほどになった。無理を承知で始めたブラームスのピアノソナタ第3番の第2楽章も、進むにつれて「無理」がどんどん明らかになってくる…(^^;)。

で、弾けるようになるまで続けることにすると、永遠と続きそうなので、6月末で一応終わりにしようと思っている。なので、次の選曲をそろそろ考えないといけない。

実は、その候補としてこのバガテルもいいかも知れないと思って、5番だけ試し弾きをしてみた。当たり前だが、ピリスさんのようにはいかない…。

比較的簡単なので「弾ける」のだろうが、自分で満足できるレベルで弾けるかどうか、かなり怪しいと思う。


一方で、ジェルジュ・リゲティのエチュードを聴いて以来、というより、実はズラータ・チョチエヴァのショパンのエチュードを聴いて以来、エチュードもいいかも(聴く曲として)…と思い始めている。

《ズラータ・チョチエヴァ Zlata Chochieva っていいかも ♪》

《ジェルジュ・リゲティ György Ligeti のエチュードは音楽的?》


エチュードというのは、プロのヴィルトゥオーゾの演奏を楽しむものだと思っていたので、自分で弾く曲としてはまったく想定していなかった。

…のだが、このところ、中には私でも何とかなるくらいの曲もあるんじゃないか?などという妄想が…(^^;)。ただ、聴いて「いいなぁ ♪」と思う曲はほとんど難しすぎる!


またしても「弾きたい曲と自分の実力のギャップ」の登場である。

《ピアノに関する「モヤモヤ」は消えたのか?》という記事を書いたときに、割り切ったはず(↓)なのだが…。やはり「永遠の課題」なのか…ナ?

現実(弾けない曲は弾けない…)を認めるしかない」「弾きたい曲はとりあえずチャレンジしてみる。どうしても歯が立たないようだったら諦める

「弾けない曲は弾けない」として諦めるか、ブラームスのソナタのように、無理を承知で「とりあえずチャレンジ」してみるか? この判断は難しい…。


ただ、バガテルの方にも別の難しさがあると思っている。

暗譜をして、あまり引っかからないで弾けるところまでは出来ると思う。でも、そのあとの「音楽として成立させる」というのか、「ピリスさんのように」とまでは行かないにしても、自分のイメージ通りに「美しく」弾くことは至難の技だと思う。

難しい曲であれば「あまり引っかからないで弾ける」だけで十分に満足できるのだが、簡単な曲だと、それ以上のレベルで弾けなければ「自己満足」さえできないと思う。

実は、ピアノで曲を「音楽として成立させる」ための技術?というのは、「ピアノが弾けるようになる」ための技術とは違うのではないかと、密かに考えたりもしている。


…ということで、バガテルとエチュードの間で揺れながら、次の選曲のことをそろそろ考え始めようと思っているところである。


おまけ。パリに「バガテル公園」というのがあって、日本にもそれを真似した?「河津バガテル公園」(静岡県賀茂郡河津町)というのがある、らしい。

で、このときの「バガテル」(仏:bagatelle)は「小さくて愛らしいもの」という意味。

パリのバガテル公園(Le Parc de Bagatelle)は、18世紀にルイ16世の弟アルトワ伯爵が作らせたもの。「河津」の方は、姉妹園として2001年にオープンしたもの。ともに、バラ園として有名なようだ。

記事の最初に載せた写真は、パリの「バガテル公園」のものをお借りした。


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