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2018年2月14日水曜日

ジョージ・ベンジャミン:ピアノ曲探索 ♪

1月6日の記事《リーズコンクールの課題曲:ピアノ曲探索はここから ♪》で、今年の「ピアノ曲探索」はリーズ国際ピアノコンクールのセミファイナルの課題曲から始めよう!と意気込んだのだが…。

1月14日の1人目、《ヘルムート・ラッヘンマン:ピアノ曲探索 ♪》の記事を書いてから1ヶ月が経ってしまった…。9人の作曲家がいるので、月に1人のペースでいけば、この課題曲が演奏されるセミファイナルの9月9日〜にはギリギリ間に合う計算になるが…(^^;)。

何はともあれ?今回は2人目、イギリス出身の作曲家・指揮者・ピアニストであるジョージ・ベンジャミンを聴いてみた。




ジョージ・ベンジャミン(George Benjamin)は、ロンドン出身、1960年生まれ。1970年代後半にパリ音楽院に留学、作曲をオリヴィエ・メシアンに、ピアノをイヴォンヌ・ロリオに師事する。

指揮者、ピアニスト、音楽祭の監督として世界中で活躍中。ピアニストとしても自作「ピアノソナタ」を録音するなどしている。ロンドン・キングス・カレッジの作曲科教授。その弟子の一人に日本の現代作曲家、藤倉大がいる。

主なピアノ作品は、ピアノソナタ(1977-78)、ハイドンの名による瞑想曲(1982)、シャドウラインズ ─ 6つのカノン風前奏曲(2001)など。

また、武満徹作曲賞の審査員を2003年に務めており、その時のプロフィールが下記。

✏️2003年度審査員:ジョージ・ベンジャミン


まず、YouTube にある音源を聴いてみた。

 George Benjamin - Piano Figures

1分くらいの小曲(断片に近い…)が10曲。面白いけど…それなり…かな? 2004年作曲、2010年の本人の演奏。


 George Benjamin - Meditation on Haydn's name by Zheleznyakov Matvey

課題曲 "Meditation and Relativity Rag" の "Meditation" と思われるが、これだけでは短すぎて(3分弱)よく分からない。


 George Benjamin (*1960) : Shadowlines (2001) 1/2

 George Benjamin (*1960) : Shadowlines (2001) 2/2

聴いた中では一番いいと思った曲。「現代曲」過ぎず、でも聴きごたえがある。


NAXOS を見ると、かなりの枚数のCDが出ている。ただし、ピアノ作品となると 2004年に Nimbus Records から出ている "Benjamin: Shadowlines" の1枚(↓)くらい。

ただ、内容はとても充実している。何度か聴いたが飽きない。


Benjamin: Shadowlines



収録曲は以下の通り。主要なピアノ作品はすべて入っており、"Shadowlines" はこの曲を初演したピエール=ロラン・エマールさんの演奏。それ以外は、ジョージ・ベンジャミン自身の演奏。"Viola, Viola" はヴィオラの二重奏。

Shadowlines(15:12)
1. Cantabile
2. Wild
3. Scherzando
4. Tempestoso
5. Very Freely, Solemn And Spacios
6. Gently Flowing, Flexible

Viola, Viola(10:22)

3 Studies(21:41)
1. Fantasy On Iambic Rythem
2. Meditation On Haydn's Name
3. Relativity Rag

Piano Sonata(22:31)
1. Vivace
2. Lento
3. Allegro Straziando


一通り聴いた中では、やはり "Shadowlines" がいい。その次が "Piano Sonata"。そして、"3 Studies" の1曲目。どれも、聴き手として十分に理解・消化できたとは思わないが、少なくとも途中で止めようとは思わなかったし、もう一度聴いてみようかとも思う。

課題曲の "Meditation and Relativity Rag" (7’) そのものは見つからなかったが、名前と曲の長さからして、"3 Studies" の2曲目(3:17)・3曲目(5:36)と思われる。

そうだとすると、コンペチタにとってはちょっと手強い曲になるかもしれない。最初の曲は静かで捉えどころがなく、2曲目はラグのリズムが強いアクセントの和音で分断される。それをどう料理するか?という点では課題曲に相応しいのかも…。


おまけ:
YouTube で "Shadowlines" を弾いていたピアニストは Yin Chiang という台湾の人らしいのだが、プロフィールを見るとちょっと面白そうなピアニストだ。現代曲が得意で、現代作曲家ともコラボしているそうだ。その中には、クルターグ・ジェルジュヘルムート・ラッヘンマン細川俊夫などの名前が含まれている。いずれ、ちゃんと聴いてみよう ♪



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