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2017年11月9日木曜日

大人のピアノ学習者&鑑賞者向けの雑誌がないものか?

数日前、「音楽の友」の特集について「なんか釈然としない…」といった感想を書いてしまったのだが、何となく気になっていたので媒体資料などを調べてみた。「媒体資料」とは、広告を出す人(広告主)に向けた資料で、雑誌の特長、発行部数、読者層や、広告料金などが書いてあるもの。




「音楽の友」の媒体資料によると、発行部数は10万部でその読者層は、

  • 40代以上が60%で、男性が59%
  • 59%が会社員など働いている層で、50%は年収500万円以上
  • 楽器演奏をする人48%、過去にしていた人24.4%(殆どがピアノ)

つまり「余裕のある中高年」が中心。そして、頻繁にコンサートに出かけている人たちだ。音楽の聴き方がソフト(CDやネット)よりもコンサート(オーケストラ55%、オペラ32%、鍵盤楽器28%、等)の方が59%と多い。その回数には驚く(↓)。




これを見ていて以前書いた記事(↓)を思い出した。


「ドメスティックな専門家」=「国内演奏家+音楽教育者+音大生」、「音楽ファン」=「国内の演奏家には見向きもせずベルリン・フィルやメットオペラの来日公演に一枚3万円とか6万円といったカネをはたく音楽ファン」という定義なのだが、「音友」の読者層はまさにこのリッチな「音楽ファン」と重なる。

私のような、お金のない定年退職者、ピアノ音楽が好きで(聴くのも弾くのも)、知りたがりで、聴くのはほとんどが「ソフト」(YouTube、NAXOS 等のネット)、コンサートは年3回くらい、というのは「音友」の読者層には入らないらしい…(^^;)。
 

ところで、ピアノ雑誌については、以前こんな記事(↓)を書いたことがある。このときも、私のような「ピアノ音楽が好きな中高年男性」向けのピアノ雑誌は存在しないことを確認してちょっとがっかりしたことを覚えている。


海外の状況はどうかというと、少なくともイギリスには "Pianist" という雑誌・Webサイトがあって、割と私の興味範囲とあっているような気がする。

ピアノの練習方法でときどきお世話になっていたりする(↓)サイトだ。




お遊びで、 "Pianist" も含めて、読者層の男女比と年齢をグラフにしてみた。日本のピアノ雑誌では、極端に女性の読者が多いことが分かる。"Pianist" は「音友」と近い。




年齢層については、"Pianist" は「45歳以上が68%を占める」としか書いてないので、グラフには入れていないが「40代以上が60%」という「音友」よりも少し年齢層が高いようだ。




調べていてひとつ気付いたことは「日本はネットが遅れている!」ということだ、各雑誌とも最新刊の目次くらいしか載っていない。

例えば、"Pianist" の「リーチ数」(アクセスユーザー数)を見ると、Webサイトへのアクセスが雑誌(紙媒体)に近い値になっている。ソーシャルメディアは雑誌より多い。

Magazines:15,000
Website:11,351
E-newsletter:3,817
Social media:16,343


私のような「ピアノ音楽が好きな中高年男性(下手な大人のピアノ学習者)」向けのピアノ雑誌(と充実した Webサイト)が出来るといいのだが…。たぶん、日本ではカネにならないから誰もやらないんだろうなぁ…(^^;)。


以下ご参考(出典の各誌媒体資料:pdf)。







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