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2016年1月8日金曜日

ピエール・ブーレーズ(90歳)の訃報に接して

一昨日、1月5日にピエール・ブーレーズが亡くなった(90歳)というニュースが流れた。

私自身、ブーレーズの音楽もその偉大さもよく分かっていない。20世紀を代表する音楽家の一人、くらいの認識だ。以前「現代音楽」を少しでも理解したいと思い、ブーレーズが書いた『現代音楽を考える』という本を読もうとしたのだが、難しくて途中で挫折してしまった。




なので、この際少し勉強しようかと思ったのだが、日本のメディアの貧困さには改めて驚かされた。NHKのニュース記事がその代表だ。新聞各社は似たような内容。

第1回高松宮殿下記念世界文化賞(1989年)とか第25回京都賞(2009年)を受賞しているにも関わらず…。

ちなみに、高松宮殿下記念世界文化賞サイトのプロフィールの出だし(↓)が分かりやすい。

革新と反逆を旗印に、第2次大戦後のクラシック音楽界に強烈な刺激と新しい指針を与え続けている作曲家、指揮者、音楽教育家



その他に日本語で見つけたのは、数日前にローラン・カバッソの記事でご紹介した『ねもねも舎』の次の記事くらいである。



さて、英語圏?の記事である。いつもチェックしている Slipped Disc というサイトには、ブーレーズに関する記事が7件(↓)もあがっていた。また、そこからリンクされている先が The Guardian や Washington Post だったりするのだが、どれも充実した内容の記事だ。












以下、ガーディアンの記事。





最後の記事には、10個の主要作品の動画(↓:ブーレーズ指揮による演奏もあるようだ)が挙げられている。その1番目が「ピアノソナタ第2番」なのが何となく嬉しくて、実はそれを聴きながらこの記事を書いていたりする。…のだが、曲自体の良さはまだよく分からない…。

  1. Piano Sonata No 2 (1948)
  2. Le marteau san maître (1955)
  3. Pli selon pli (1957-1962)
  4. Rituel in memoriam Bruno Maderna (1974-75)
  5. Répons (1981-84)
  6. Notations (orchestrations) (1978/1984/1997)
  7. Dérive 2 (1988/2002/2006)
  8. Wagner: Der Ring des Nibelungen
  9. Debussy: Pelléas et Mélisande
  10. Debussy: Jeux


これらの記事、全部は無理だが、気が向いたら少しずつ読んでみようと思う。


ところで、これまでに少しは「現代音楽」について読んだりしてきた。自分のブログに何か関連するものがないか調べてみた。

読書メモにいくつかと、現代ピアノ曲を調べた中に2曲ほどしかなかった。今のところ、その程度の興味・理解、ということだ。

 ↓
彼(ブーレーズ)はまた、20世紀初頭のフランス音楽、なかでもドビュッシーとラヴェルの音楽―二人のうちでもとくにドビュッシー―がたんなる色彩以上のものであり、そこに深さとアーティキュレーションがあることを最初に理解した音楽家のひとりでもあった。


 ↓
1940年代末になると、ピエール・ブーレーズ、エリオット・カーター、サミュエル・バーバーのソナタによって、コンサート・グランドピアノの響きがふたたび求められるようになった。ピアノの技法に新しい革新をもたらした作曲家のうち特筆すべきは、ブーレーズとカール=ハインツ・シュトックハウゼンである。


 ↓
12のノタシオン / 12 Notasions pour piano
ピアノ・ソナタ 第1番 / Sonate pour piano No.1
作曲: Pierre Boulez (ピエール・ブーレーズ、フランス、1925~)


ピエール・ブーレーズの死は、おそらく、現代の音楽史の中で一つの大きな区切りとなったのだろうと思う。その音楽が本当に理解されるのは100年後かも知れないと思いつつ、個人的には少しでもその良さに近づきたいと願ってもいる。

ご冥福をお祈りしたい。



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