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2015年5月26日火曜日

ピアノ曲を暗譜するとはどういうことか?

我が家では、ピアノ曲の「暗譜」について長年の論争がある。というと大げさだが、私とカミさん(元音大生)の暗譜に対する認識の違いがあって、今でもたまに話題に出ることがある、という程度のことだ。

でも、ピアノをちゃんと習って練習してきた人(カミさん)と、大人になって素人学習した初心者(私)の、演奏の仕方?の違いが垣間見えて、ちょっと面白い。


初めに「暗譜」ありき?


簡単に言うと、「弾けるようになってから暗譜」する(カミさん)か、「弾けるようになるために暗譜」する(私)か?という違いである。

私の場合、「覚えないと弾けない」のである。楽譜を見ながら、音と指使いを思い出しながら弾くというのは至難の技なのだ。それは私にとっては「初見」の高度に進化したものであって、とても出来そうにない。

その作業を分解すると、「楽譜を見る→音のパターンを認識する→ふさわしい指使いを選択する→弾く」という感じになると思われる。これを瞬時に、しかも連続して行うことなど無理なのだ。

つまり私の「暗譜」は、この「楽譜・音のパターン・指使い」を記憶することで、瞬時にとは言わないまでも、何とか連続して弾くことができるようになるのではないか、と思っている。


一方、カミさんの場合は、個別の音符や指使いではなく、「音楽」を記憶するというようなイメージだろうか。表情や表現なども含む曲全体を、「身体」が覚えて、それが自然に弾く動作につながるような感じだと思われる。「暗譜」すると、身体が勝手に動いて(自動化!)曲が奏でられる?(とすれば、すごく羨ましい!)

別の視点で見ると、演奏のレベルが違うのだと思う。私の場合、楽譜通りに鍵盤を押さえられることが「弾ける」ことの中身のような気がする。カミさんの場合は、曲を自分のものにして表現することなのだろう(と想像する)。


これまでに読んだ本(『ピアニストの脳を科学する』など)から考えると、一般的にはカミさんの言うことが正しいのだとは思う。しかし、初心者が「弾ける」ようになる方法の一つとしての「暗譜」があってもいいのではないか、とも思う。

参考《読書メモ:ピアニストの脳を科学する》


ピアノ練習法としての「暗譜」


ということで、私自身の練習方法のひとつとして、これからも私の言う「暗譜」に頼っていきたいと思う。「暗譜力」を鍛える方法については、これまでも考えてきた。例えば、次のような記事。

参考《【ピアノ練習】暗譜力を鍛えるには?》



なので、暗譜の仕方(視覚・聴覚・運動・頭の連動)なども理屈では分かっているつもりである。しかし、もう一つ大きな問題がある。

それは、私の場合、頭で覚える部分が多いために「再現」に時間がかかる、ということだ。つまり、暗譜した内容を思い出してから指が動くまでに少し時間がかかる、ということである。


その解決方法は、一つは「指で覚える」範囲を増やすこと。これは、おそらく繰り返し練習しかない。

もう一つは「ソルフェージュ能力」である。楽譜を見て歌ったり音をイメージする能力と、音を聴いて音符や鍵盤と結びつける能力である。それによって「楽譜・鍵盤・音」をよりまとまった形でひとつに捉えられるはずだ。

その強化方法は、地道にコツコツ、ソルフェージュの訓練をするしかないとは思っているのだが、なかなか進まない。(というか、着手できていない)

わりと安直な方法としては、楽譜を追いながらプロの演奏を聴くということがある(と思ってときどきやっている)。とりあえずは、この方法をもう少し頻繁にやるようにしてみるとするか…な…(^^;)?




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