ぴあのピアノ♪: Bach.KB.BWV982/984/987：エルンスト公子の Vn協奏曲を原曲とするチェンバロ曲

「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」プロジェクト、『バッハの鍵盤音楽』の第8章「協奏曲編曲」から、ヨハン・エルンスト公子のヴァイオリン協奏曲を原曲とする 3つの協奏曲、BWV982、BWV984、BWV987。

ピアノによる演奏（音源）が限られているので、3曲まとめて取り上げる。

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バッハは 1713〜1714年頃に、数人の作曲家による 20曲ほどの協奏曲を鍵盤楽器用に編曲している。オルガン曲 5曲と手鍵盤用作品 16〜17曲である。これらは単なる編曲にとどまらない優れた鍵盤楽曲となっている。

元になったのは、当時オランダに留学していたヨハン･エルンスト公子が 17歳のときにヴァイマルに持ち帰った多くの楽譜で、ヴィヴァルディ、マルチェッロ兄弟、トレッリ、テレマンなどの作品が含まれていた。

エルンスト公子は、これらの作品と自作の協奏曲の編曲をバッハ等に依頼した。

《バッハ：ピアノソロ曲なのに「協奏曲」？》

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ヨハン･エルンスト公子（Johann Ernst、1696 - 1715）は、音楽好きで知られたザクセン=ヴァイマール公国の君主、ヨハン=エルンスト公の息子。少年時代から非凡な楽才を発揮し天才貴公子として知られていたが、18歳で夭折する。

バッハは、彼のヴァイオリン協奏曲の中から2曲をオルガン用（BWV592、595）に、3曲をチェンバロ用（BWV982、984、987）に編曲した。オルガン用に編曲されたBWV592をチェンバロ版にしたものが BWV592a である。

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エルンスト公子の全ヴァイオリン協奏曲 8曲と、バッハがチェンバロ用に編曲した 3曲（BWV 987/ 982/ 592a）を収録したアルバムを YouTube で聴くことができる。

演奏は、Anne Schumann（Vn）、Fürsten-Musik（Orch）、Sebastian Knebel（Cemb）。

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BWV982 協奏曲第11番変ロ長調は Allegro（↑冒頭楽譜）、Adagio-Allegro、Allegro の 3楽章構成。原曲はヴァイオリン協奏曲 Op.1-1。

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BWV984 協奏曲第13番ハ長調は Allegro（↓）、Adagio、Allegro の 3楽章構成。原曲は消失している。

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BWV987 協奏曲第16番ニ短調は Grave-Presto（↓）、Allegro、Adagio、Vivace の 4楽章構成。原曲はヴァイオリン協奏曲 Op.1-4。

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ピアノ演奏は、バッハの鍵盤音楽全曲を録音しているイーヴォ・ヤンセン（Ivo Janssen、オランダ、1963 - ）くらいしか YouTube と Spotify では見つからない。

BWV982：トラックNo.35〜37

BWV984：トラックNo.41〜43

BWV987：トラックNo.50〜53

BWV982 はシプリアン・カツァリス（Cyprien Katsaris、仏、1951 - ）も録音している。

（BWV982：トラックNo. 14〜16）

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チェンバロはエリザベス・ファー（Elizabeth Farr、米）という人の演奏を聴いた。

♪ Concertos for Solo Harpsichord：アルバム

BWV982：トラックNo. 41〜43

BWV984：トラックNo. 44〜46

BWV987：トラックNo. 47〜50

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『バッハの鍵盤音楽』の第8章「協奏曲編曲」に含まれる作品は下記。（）内は原曲。

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出典：

📘『バッハの鍵盤音楽』（小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ著）

✏️バッハと協奏曲（音楽サロン）

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