何が凄いかというと、ツォトネくんは作曲もこなすのだが、リサイタルの中で現代作曲家(大人の)が作ったような自作のピアノ曲が次から次に出てくるのだ…(^^)♪
ツォトネくんを知ったのは去年の 9月。2019年9月16日付けの記事(↓)に書いている。
《現代ピアノ曲を弾きこなす 9歳の天才少年!♪》
プロフィールのような文章は見つからない(ジョージア語のはあるかも知れないが探せない…(^^;)…)ので、分かっていることだけご紹介すると…。
名前はツォトネ・ゼジニゼ。このカタカナ表記は Google翻訳で出てきたもの。英語表記は Tsotne Zedginidze、ジョージア語では "ცოტნე ზედგინიძის"。まったく読めない…(^^;)。
去年の 9月に 9歳だったので、今はたぶん 10歳。
エリソ・ヴィルサラーゼ(Eliso Virsaladze)さんの従姉妹であるイリアウニ・ニノ・マムラツェ教授(Prof. Nino Mamradze)のお孫さんで、とても小さい頃から(5歳?)この祖母からピアノの手ほどきを受けている。作曲のレッスンを受けたことはない。
動画を見ると、いつも付き添っているおばあさんが、たぶんこの教授。
6歳頃から独自に曲を作り始めたが、このころから 20世紀・21世紀の音楽にとても興味を持つようになった。彼の作るすべての作品にはちゃんとしたコンセプトがあり、本人はそれをまるで音楽の専門家のように語るそうだ。
最初のソロリサイタルを行なったのは 2019年6月14日。ツォトネくんが 5歳のときに亡くなった母のためのリサイタルであった。私が初めて聴いたのがその録画だった。
♪ 9 წლის კომპოზიტორისა და პიანისტის, ცოტნე ზედგინიძის კონცერტი
(9歳の作曲家でピアニストのTsotne Zedginidzeのコンサート)
曲目などが書いてないのでよく分からなかったが、自作のピアノ曲も含まれていた。
このリサイタルは大成功し、ジョージアの音楽界にセンセーションを巻き起こした。ジョージア出身の著名な作曲家、ギヤ・カンチェリ(Giya Kancheli、ジョージア語で გია ყანჩელი、1935年8月10日 - 2019年10月2日)は「100年に一人の天才」と称えた。
"Tsotne is a phenomenon that is born once in a century."
…で、YouTubeチャンネル(🎦 Tsotne Zedginidze Updated Official Channel)に最近アップされた動画の一つがコレ(↓)。1時間10分ほどのリサイタルで、昨年末(12月28日)に Tbilisi State Conservatoire Grand Hall というホールで行われたリサイタル。
♪ Tsotne Zedginidze performing Schönberg, Ligeti, Bartok and his own compositions.
プログラムは下記。
- Tsotne Zedginidze - Piano sonata
- Béla Bartók - "Out of Doors" - "With drums and pipes"
- Béla Bartók - "Out of Doors" - "Musettes"
- Tsotne Zedginidze - 4 etudes
- Arnold Schönberg - "drei klavierstücke" (No. 1, 2)
- György Ligeti - Ricercata
- Tsotne Zedginidze - "Attila"
- Tsotne Zedginidze - Dedication to Gia Kancheli
- Tsotne Zedginidze - 3 little pieces for children - dedicated for Tsotne's sister Niniko
バルトークやシェーンベルク、リゲティなどの曲に混じって 5つの自作曲が演奏されるが、作品としてまったく見劣りしない。
それにしても、ピアニストとしても凄い ♪ リゲティの「ムジカ・リチェルカータ」を難なく弾きこなしている…(^^)!
なお、上の音源には動画がないが、動画付きのもの(↓)もアップされている。なぜかバルトークの "Musettes" が抜けている(「編集済み」の表記あり)。
♪ Tsotne Zedginidze - Solo concert
たぶん素人の撮影だと思われる(ときどき音が抜けたり画面と合わなかったり…)。ただ、最前列で目をつぶって聴いたりツォトネくんに指示をしているマムラツェ教授らしき姿も見ることができる…(^^)♪
ちなみにこのリサイタルのポスターらしきものがコレ(↓)。
それから、最新作 "The Bells" をオンライン・コンサートで演奏した動画もある。トビリシ(Tbilisi、ジョージアの首都)にある Leno Records というスタジオで、今年 6月14日に行われたもの。
♪ Tsotne Zedginidze “The Bells”dedicated to the memory of his mother Irene Sulkhanishvili
この作品は、ツォトネくんの母親 Irene Sulkhanishvili さんの思い出に捧げた曲だそうだ。なかなかいい曲だと思う。上の動画は残念ながら最後が切れているようだが…。
でも、私の「現代ピアノ曲のお気に入りを10曲見つける」プロジェクトのリストに加えておきたいと思う…(^^)♪
なお、母親の Irene Sulkhanishvili さんも Ilia State University などで活躍しておられた方のようだ。下記 Facebookページには、小さいツォトネくんと写った写真などもある。
FB: Irene Sulkhanishvili
また、Ketevan Sharumashvili という人の Facebook には Irene Sulkhanishvili さんを偲ぶメモリアル・コンサートの様子なども投稿されている。ここでは、妹の Niniko ちゃんも写っている集合写真を見ることができる。
FB: Memorial Concert Irene Sulkhanishvili
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ツォトネ君について詳細に紹介いただき、ありがとうございます。
返信削除お祖母様の薫陶の賜物とは言え、彼こそ真の天才、天から神が降臨した存在であると実感します。
モーツァルトって、きっとこんな存在だったのかと容易に想像することができます。
でもピアノのタッチや響きが怖いほどお祖母様と同質で、高い品格と透明感、何物にもとらわれない自由さと正確さは、お祖母様譲りなのだと思います。
彼の曲はいずれも、情景や心象風景がありありと浮かぶので、映画音楽なども手掛けて欲しいと思います。
いずれにしても、幼い頃から注目され欲望渦巻く大人たちの中で、天才が一人の人間としてその人生を全うされることを、願って止みません。
コメント、ありがとうございます。
返信削除一人のピアノ音楽ファンとして、ツォトネ君が「21世紀のモーツァルト」になってくれることを心から期待しています…(^^)♪