ページ

2020年2月10日月曜日

オルレアン国際ピアノコンクール面白そう ♪

オルレアン国際ピアノコンクールに興味を持ったきっかけはこの(↓)ポスター。ピアノコンクールの図柄と言えばピアノの鍵盤をモチーフにしたものが多いのに、なんと!アクションのハンマーをばらしたものを両手で掴んでいる。何を意味しているのか…(^^;)?

でも、そのコンクールの内容を見てますます興味が湧いてきた。独特なのだ ♪




オルレアン国際ピアノコンクール(Concours international de piano d’Orléans / International Piano Competition of Orléans)というのはあまり知らなかったので、まずは基礎知識。

フランスのピアニスト Françoise Thinat(1934-)によって創設され、1994年から隔年毎にロワール川沿いの町オルレアンで開催されている国際ピアノコンクール。

今年は第14回目で、4月16日〜26日に開催される。


その一番の特徴は、レパートリーが近現代、それも基本的には20世紀・21世紀の作品に限定されていること。また、新作や自作の作品も含まれていて、コンクール中に初演される作曲家にも「作曲賞」が授与される。

また、年齢制限が比較的高めで「1984年1月1日以降に生まれた人」となっているので、最高で36歳。年少の方は制限がない(ように読める)。


これまでの入賞者のページを見ると、私が知っているのは 2004年の Francesco Tristano(フランチェスコ・トリスターノ、1981〜、ルクセンブルク)くらい。

日本人の入賞者も多い(↓)。

Miharu Ogura – 2018
Takuya Otaki – 2016
Saori Mizumura – 2000
Ami Fujiwara – 1998
Shinji Urakabe – 1994


2016年1位の大瀧拓哉さんは今年の予備審査の審査員をしている。このページには載っていないが、1994年入賞者の永野英樹さんは、1995年にアンサンブル・アンテルコンタンポラン(ピエール・ブーレーズが主宰)のソロ・ピアニストとしても活躍している人。今回のコンクール中のマスタークラスも担当している。


大まかなスケジュールの課題曲は下記。

1st round: 4/16〜18: リサイタル(31人)
  • 2つの対照的なエチュード
  • 自作または若手作曲家の新作ピース(6〜8分)*
  •  "Concours d’Orléans/Ferruccio Busoni"リストから1曲

*作曲賞(André Chevillion - Yvonne Bonnaud Composition Prize)の対象となる


2nd round: 4/10〜20: リサイタル(15人)
  • "Special Prizes"*に関連した作曲家の曲
  • 1900年〜2020年に作曲された曲

*André Boucourechliev, Edison Denisov, Alberto Ginastera, Olivier Greif, André Jolivet, Maurice Ohana, Albert Roussel, Isang Yun の8つの特別賞(現代作曲家と関連)


Semi-final: 4/22: リサイタル(7人)
  • 新規移植作品:Piano Works, pièce n°3, Black Letters(Pascal Dusapin 作曲)
  • "Special Prizes"に関連した作曲家の曲
  • 1900年〜2020年に作曲された曲


Final: 4/26: アンサンブル(3人)
  • Agata Zubel: Chamber piano concerto
  • Francis Poulenc: Sextuor pour piano et vents op.100* : 1. Allegro vivace
  • 1900年〜2020年に作曲された曲

*ピアノと木管五重奏のための六重奏曲


賞は1位〜3位(↓)以外にも、作曲賞やたくさんの特別賞が用意されている。

  1. Blanche Selva 1st Prize - 12 000 €
  2. BEG Ingénierie 2nd Prize - 8 000 €
  3. André Chevillion - Yvonne Bonnaud 3rd Prize - 5 000 €


特別賞は、現代作曲家やその作品のプロモーションを目的にしているように見える。知っている名前では、アンリ・デュティユー、アルベルト・ヒナステラ、イサン・ユンなど。

それと、サンソン・フランソワなどのピアニストの名を冠した賞もある。


審査員団はこんな感じ(↓)。日本人作曲家の馬場法子さんも入っている。ピアニストの名前を一人も知らないのは現代曲に特化した人たちだからなのか…な?

Peter Paul Kainrath, Artistic Director (Italia), Jury president
Noriko Baba, Composer (Japan)
Bruce Brubaker, Pianist (United-State)
Mikhail Dubov, Pianist (Russia)
Mei Yi Foo, Pianist (Malaysia/Britain)
Nicolas Hodges, Pianist (Britain)
Vanessa Wagner, Pianist (France)


公式サイトは下記。ストリーミング配信があるかどうか分からないが、少なくとも YouTube チャンネルはある。

✏️オルレアン国際ピアノコンクール公式サイト(英語)

✏️Concours international de piano d'Orléans(YouTube チャンネル)


31人のコンペチタ(↓)の中に日本人は2人(Haruka Ebina、Chiko Miyagawa)。


Antoine Alerini (France)
Orlando Bass (France)
Dmitry Batalov (Russia)
Mikhaïl Bouzine (Russia/Germany)
Olga Chelova (Germany)
Violaine Debever (France)
Pierre Delignies Calderon (Spain)
Katherine Dowling (Canada)
Haruka Ebina (Japan)
Robert Fleitz (United-States)
Marcelo Gama (Brazil)
Humay Gasimzadeh (Azerbaijan)
Anton Gerzenberg (Germany)
Yaoyue Huang (China)
Yu-Ting Huang (Taiwan)
Nhi Huynh (Vietnam)
Jiwon Jang (South Korea)
Chae-Um Kim (South Korea)
Vitaliy Kianytsia (Ukraine)
Lucija Majstorovic (Croatia)
Chiko Miyagawa (Japan)
Alfredo Ovalles (Venezuela/Austria)
Lambis Pavlou (Cyprus)
Justine Pelletier (Canada)
Dina Pysarenko (Ukraine)
Vittoria Quartararo (Italy)
Gilberto Rabino (Italy)
Maria Sadurdinova (Russia)
Philip Sharp (Great-Britain)
Igor Torbicki (Poland)
Emma Vasilyan (Armenia)


おまけ。そういえば、今年の目標の一つに「現代ピアノ曲のお気に入りを10曲見つける」というのを入れていた。これまでに何もやっていない…(^^;)。

このコンクールの音源で探してみるのも一つの手かな…?



  にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ 

0 件のコメント:

コメントを投稿