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2016年6月16日木曜日

ブラームスの間奏曲 Op.117 を弾くために(とりあえず)

ブラームスのことも彼のピアノ作品もほとんど知らないことに思い当たり、少しずつ勉強することにした。

一応、図書館から『ブラームス (作曲家・人と作品シリーズ)』という本(↓)を借りてきたが、まだ読み始めていない。 




とりあえずは、ネットにある情報や記事をパラパラ見て、参考になりそうな情報を拾い集めてみた。

1週間ほど前に、《ブラームスのピアノ曲一覧:難易度付》を作ってみたが、ピアノ曲はそんなに多くない。昨日この表に追加した、作品番号なしの「ハンガリー舞曲集」(独奏曲版)をいれても、独奏曲は19作品のみ。

難易度をみると、やはり私のレベルで弾けそうなものはあまりない。


ブラームスのピアノ作品は3つの時期

「あるピアニストの一生」のブラームスの項などを見ると、ブラームスのピアノ作品は3つの時期に分けて考えることができるようだ。


1つ目は30歳(1863年)までの「前期作品」群で、技巧的に難しい大曲が多い。20歳ころに作った3曲のソナタと、その後の5つの変奏曲に大きく分かれる。

一通り聴いてみたが、知っていたのはパガニーニの変奏曲 Op.35 だけ。ヘンデルの変奏曲 Op.24 はゴルトベルクやディアベッリ並みの力作、もう一度聴いてみようと思う。自作主題による Op.21-1 もなかなかいいと思った。ソナタの良さはまだ分からない。


2つ目は、「前期」から15年間を経て発表された、45〜46歳のときの2つの作品。「8つの小品」Op.76(1878年)と「2つのラプソディ」Op.79(1879年)である。

1877年から1879年は、ブラームスの創作活動が最も盛んな時期とされている。この時期の夏、ブラームスはオーストリア南部のケルンテン州にあるペルチャッハという町で過ごした。上記2作品もここでまとめられたものである。


そして、さらにピアノ作品のない13年間のあと「後期」作品が書かれる。59〜60歳(1892〜1893年)の4つの小品集(Op.116〜Op.119)である。

これ以外に、ワルツ集やハンガリー舞曲集などの連弾曲(と独奏曲への編曲版)を1865〜1875年あたり、つまり「前期」と「中期」?の間に出しているが、この位置付けはよく分からない。


「3つの間奏曲」Op.117 について

「あるピアニストの一生」には、この作品は「音で表された日記とでも言うべき作品の嚆矢(こうし:物事の最初)として音楽史上に名高い」と書かれている。

いくつかの記事を読むと、「枯れ葉舞い落ちる秋」とか「晩年の心象風景」とか「過ぎ去った人生のあれこれをポツリポツリと語っているような…」とか、晩年を迎えた老人の個人的な感慨、みたいな解説が多い。


ブラームス自身も、この作品を「わが心の痛みへの子守唄」と呼び、第1曲の冒頭には古いスコットランドの子守歌の歌詞(↓)が引用されていることから、そういう解釈は正しいのだろう。

Schlaf sanft, mein Kind, schlaf sanft und schön!
Mich dauert's sehr, dich weinen sehn.

安からに眠れ、わが子、眠れ安らかに、美しく!
私はおまえの泣くのを見るのがたまらない




「曲目解説」として、一番わかりやすかったのはこのページ(※追記@2023/03/27:リンク切れ)。自分の参考のために引用させていただく。


中でも最も好きなのは、やはり第1曲変ホ長調でしょうか。子守唄風のこの曲は冒頭に詩人ヘルダーの引用があり、非常にロマンティックな音楽になっています。

センプリーチェ、ドルチェと指示された表情記号の通り、粛々と進む音楽はどこまでも単純で、優しくて、澄み渡り、憧れを感じさせます。メロディは終止中低音に現れるので、美しく聴かせるにはタッチの明確な区別が肝要です。和声的にも非常に豊かで、持続音の効果も際立っています。

これが一段落すると、ピウ・アダージョと記された中間部。曖昧な色彩の、はっきりしない音楽ですが、ロマン的な色合いは一層濃くなります。刺繍音を多用しているのが特徴。

 主題の再現では若干の変奏が加えられ、憧れを増します。若かりし日々への憧れか、あるいは近く訪れよう死への憧れか・・・どちらにせよ、それが非常に純粋な想いであることには変わりありません。


まぁ、いちばん大事なのは自分自身がどう感じるかだと思うので、こういう情報は、YouTube のプロの演奏(解釈)と同じで、あくまで参考にとどめておきたい。

今は、この曲のピアノの音の響きがとても気に入っている。…のだが、もっとちゃんと弾けるようにならないと…(^^;)。



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《近況:ブラームス間奏曲Op.117-1、悲喜交交》


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