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2016年3月21日月曜日

近況:もう少し上を目指すために…

この数年間で挫折を繰り返してきたフーガであるが、もう少しで何とか苦手意識を払拭できそうだ。「払拭」は言い過ぎかな?「緩和」くらい?

あと10日ほどで、バッハのフーガ(平均律第2巻第7番 BWV876)も2カ月練習したことになる。ここまで飽きずに続いたのは、バッハの曲がいいのか、なかなか弾けないので次々に課題が出てきたせいか…?

少し、進み具合の確認をしてみたいと思う。


「まる」(よくできました)な部分としては、

①自分で「進歩した」と感じられている
②複雑な指使いの箇所でも力まずに弾けている
③弾きながらタッチなど意識できている

…といったところ。


①は、途中で挫折せずに何とかなりそうだ、ということもあるが、それよりも、弾いている「感覚」としても進歩を感じられていることが大きい。自分にとっては難易度の高いフーガを、これまでに「自分のレベルにあった曲」を1カ月近く練習したときの感覚で弾けている。

といっても「ミスしながらも通して何とか弾ける」レベルでしかない。止まる回数もまだまだ多いので、自己満足できるレベルに達するにはもう少し練習が必要だ…。


②は、十分な脱力とまではいかないが、少なくとも力まずに弾けていると思う。指が痛くなることはほとんどなくなった。

練習の前半で、時間をかけてラクな指使いや手首の角度や手の形を探したことが、少しは役に立っているのかもしれない。もちろん、弾いている途中でも、ところどころで脱力を意識している。


③は、その脱力の意識もそうなのだが、いくつかのポイントとなりそうな箇所で、タッチやアクセントを意識したり、少し間合いをとることを意識できるようになってきた。

部分練習では、当然できることなのだが、曲を通して弾きながら意識できるということが、私にとっては一つの進歩である。ほんの少しだが「余裕」のようなものを持てるようになってきたかも…。 


さて「ばつ」(がんばりましょう)な部分。あげるとキリがないが、いま思っている主なことを並べてみると。

①主題が意識できてない(フーガらしくない?)
②「メカニカル」(機械的)な弾き方になっている
③テンポ感がイマイチ


①は、前回少し書いたことだが、フーガらしく弾くことは、今の私の実力を考えると相当にハードルが高い。

なので、せめて「主題の出だしだけ意識して少し強めに弾く」とか、「弾きながら各声部のヨコの流れを耳で追う」とかをやりたいのだが…。

このテーマが、やや曲者?で(ちょっと言い訳すると…)、曲の冒頭(↓)の1小節目 E♭の音が「出だし」なのだ(当然…)が、耳に聞こえやすいのは4小節目の音型なのだ…。なので、7小節目の B♭の出だしはまだいいが、14小節目の E♭になると下の声部に埋もれて聞こえない…。




②も前回書いたことだが、これまでは音を追うことで精一杯だったのが、ある程度弾けてくると、自分なりに表情をつけたくなるのだ。「表情」と言っても、バッハなので、ロマン派的な、情緒的なことではないと思うのだが…。より「音楽」らしく弾きたい。


③のテンポ感も、「表情」「音楽」に関連しているかもしれない。

"Allegro maestoso." とあるので、そんなに遅くはないと思うのだが、プロの演奏は比較的ゆったり、たぶん "maestoso" 的なものが多いように思う。

ところが、下手に(下手が…?)ゆっくり目に弾くと、間が持たないというかリズムが単調になりやすい。でも、早めに弾くと4声部分がしんどいし、それよりも、やや軽薄な?リズム感になってしまう。4小節目の音型が「チャンチャカチャンチャン」みたいに…(^^;)。

②③あたりはけっこう大事な部分で、要は「こう弾きたい」という音楽のイメージが十分に持てていないのだと思う。たしかに、これまでは「フーガ」をやっつけることが当面の課題だったので…。


…ということで、あと10日間の練習方法・作戦を考えてみた。

①いろんな弾き方を試してみる
②ラクに弾ける「しなやかなフォルテ」を目指す
③他の楽器の音をイメージする


①は、全体をやや硬めのフォルテで弾く、ラクに柔らかく弾くことだけを考える、弾ける範囲で速く弾いてみる、…などいろいろ試すということ。そうする中で、一番しっくりくる弾き方やテンポ感もが見つかるかもしれない。

フレーズを意識して、強弱(山谷)を少し極端につけてみる、などもやってみようと思っている。


②は、今年のテーマの一つでもある「ラクに弾く」ことを目指したいということ。全体的にフォルテの曲ではあるが、あくまでも音楽的な「しなやかで伸びやかなフォルテ」を目指したい。

技術的には、「脱力+重さ+指のバネ」ということだろうか(たぶん)。


③はカミさんのアドバイス。音楽をイメージする一つの方法。

この曲の場合、今のところ管楽器が一番しっくりくるような気がしている。トランペットとかホルンのような。荘厳だが少し華やかな "maestoso" 。

イメージを豊かにするために、《近況:バッハのフーガ(BWV876)、お手本の演奏を探す》を書いたときに見つけた、チェンバロや弦楽四重奏などももう一度聴いてみようと思う。


さて、あと10日間(しかない? or もある?)。2カ月間も練習したのだから、「自己満足レベル」より少しは上を目指したいと思うのだが…。



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