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2014年9月27日土曜日

日本の現代ピアノ曲を探す:徳山美奈子「ムジカ・ナラ」—演奏の力?

「日本の現代ピアノ曲を探す」シリーズ、今回は徳山美奈子作曲「ムジカ・ナラ」という曲。日本語で言うと「奈良の音楽」ということになるのだろう。日本的な旋律がときおり聴こえるが、全体的にはダイナミックで現代的な響きを感じる曲である。なかなか面白い。



徳山美奈子さんはピアニストでもあり、公式サイトによるとかなりの経歴の方らしい(↓)。

1997年度ウイーン国際作曲コンクールで第1位になる。受賞作のバレエのための室内オーケストラ曲「メメント・モリ」が1997年11月、ウイーン・モデルン音楽祭でウイーン国立歌劇場バレエ団によって振り付け舞台初演される。2003年から日本音楽コンクール作曲部門の審査員を務める。2013年8月より厚生労働省社会保障審議会委員。

また「ムジカ・ナラ」は、2006年第6回浜松国際ピアノコンクール第二次予選課題曲の委嘱作品で、多くの内外のピアニストに愛され再演を重ねている、とある。(知らなかった…)


この曲をはじめてYouTube で聴いたのが、冒頭にリンクを貼ったPTNAのコンペでの演奏である。そのあと、プロのピアニストが弾いていないかと、いくつかの演奏を聴いてみた。残念ながら、これといったものは見つからなかった。で、あらためてPTNAコンペ金賞の小竹島紗子さんの演奏を聴くと、これが素晴らしい演奏だというのが感じられた。

最初に聴いたのがこの演奏でなかったら、この曲がお気に入りにならなかったかも知れない。

いくつかの演奏を聴いて、「演奏の力」のようなものを再認識した。ピアニストやその演奏によって、曲はずいぶんちがって聴こえる。曲の良さを活かすのは「再現芸術家」であるピアニストなのだ。(当たり前…だが)

たしかバレンボイムだったと思うが、現代音楽がなかなか受け容れられない理由のひとつは、演奏の未熟さ(解釈や慣れや技術など)にある、というようなことを言っていた。

今回、「ムジカ・ナラ」という同じ曲を何人かの演奏で聴き比べて、そのことが少し分かったような気がした。



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