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2014年8月22日金曜日

ピアノの「脱力」奏法を極めたい!(いくつかのコツ)

ピアノを弾くときに「脱力」が重要なのはいうまでもない。そして、それは「重力奏法」とともにピアノ奏法の基本である。

ベルガマスク組曲のプレリュードを練習していて、あらためて「脱力」の重要さと、その意味するところの広さを感じた。より「楽に」弾けるようになるためのコツのようなものも少し分かってきた(ような気がする)。今後の練習に役立てるため、少し整理しておきたい。


■ 弾くときの脱力


通常、脱力というときは、鍵盤を押して音を出すとき、つまり「弾くときの脱力」が中心に説明されている。私の理解は下記のようなことである。

①肩・腕・手首・指などに余分な力を入れずに、指先の緊張と第3関節(手のひらにつながる指の根元)のみで腕の重みを支えて打鍵する。

②弾いたら(ハンマーが弦を打ったら)すぐに脱力、鍵盤を押す力を最小限にする。
 →押え続けるときは置いているだけ
 →離すときはふわっと力を抜く(「おばけの手」)

ここまでは、意識して練習していて、少しはできているつもり…。


■ 弾いてないときの脱力


最近気になっているのが、この「弾いてないときの脱力」。上で書いた「弾くときの脱力」の②、あるいはその延長なのだが、意識しないとなかなかできないものなのだ。

これは例えば、

  • ポジション移動:一つのかたまりを弾きおえて次の音の位置に移るとき
  • 連続する和音:とくに同じ和音の連続ではなく次々に変わるとき
  • アルペジオ(とその連続):とくに8度以上の広いアルペジオ

などで必要な脱力である。

細かく分けると、①弾くまえ、②弾いたあと、③ポジション移動の脱力がある。それぞれ、意識して脱力する必要がある。音(指の位置)の準備で緊張しないこと。弾いた後はその音(鍵盤)に執着しないで、いつまでも押えていたり、構えを崩さない習慣をなくさなくてはならない。

① 弾くまえの脱力
  • →フレーズの頭などの音を弾く前(余分な緊張をしない)
  • →和音やアルペジオを弾く前(各指を音の位置に構え過ぎない)

② 弾いたあとの脱力
  • →アルペジオを弾き終わったあとゆるめる
  • →和音を押えたあと、弾き終わって次に移るときゆるめる

③ポジション移動
  • →弾き終えてふわっと手首をあげた状態のまま移動する


■ さらなる脱力=早めに離す


「弾いたあとの脱力」の先に「(ふわっと)離す」ことがある。それは当然なのだが、ここでは「少し早めに離すこと」をお薦めしたい。

昨日の記事《「ベルガマスク:プレリュード」1ヵ月の練習成果は?》で、次のようなことを書いた。

性格が律儀なので(?)、すべての音符をその長さの通りに押えておこうとする傾向があるのだ。しかも、基本的にはレガートで、ノンペダルでも滑らかに弾けなくてはと思っている。結果として、次の音に移るのに必要以上の苦労をしていると思われる。

そこで、押さえた音への「こだわり」みたいなものをなくしてみた(即脱力&早めに離す)。これがわりとうまくいったのだ。難所のいくつかも、これでずい分と弾きやすくなった。


つまり、次の音への移行を楽にするために、直前の音を押さえている指を少し早めに離すことを意識してやったのだ。とくにペダルを踏んでいる場所では、音符の長さいっぱいに押えている必要のない箇所も多い。これに気がついて、少し早めの「リリース」を意識することで、プレリュードの「難所」もかなり楽になった。

  • 離れたアルペジオ、とくに左手の小指(最初に弾いた音)
  • 3度の連続:11小節目、76小節(→下図)など
  • 左手の飛躍&交差:20小節目、26小節目など
  • 49小節目:早めに離す+弾みをつけることでポジション移動を楽に



上図の箇所は、左手で少し弱めに弾くところなのでとくに効果があったと思う。最後まで「難所」として残りそうだと思っていたのだが、なんとかクリアできた。


ピアノは楽に弾くことが、楽しく弾くことにつながると思っている。なので、不要な苦労はできるだけしないほうがよい。繰り返し練習だけでなく、自分自身を苦しめている原因を取り除くことも大事なのではないだろうか。



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