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2014年2月19日水曜日

「バレンボイム音楽論」:オーケストラ、二人のパレスティナ人

『バレンボイム音楽論』 読書メモ(6)

  ※目次・紹介は→本「バレンボイム音楽論」:紹介

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●抜き書き(数字はページ番号)

【オーケストラ】

ウェスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ
  エドワード・サイード
  西東詩集(ウェスト=イースタン・ディヴァン詩集):ゲーテ

87
室内合奏団で演奏するにしても、オーケストラで演奏するにしても、奏者はつねに、きわめて重要なことを二つ同時におこなわなければならない。ひとつは自分自身を表現することであり、もうひとつは他の奏者たちの演奏に耳を澄ませることである。

【二人のパレスティナ人】

124
ある日、子どもたちに演奏して聴かせたあとでふと見ると、(家や木々や動物ではなく、戦車や機関銃や自爆犯を描いていた)子どもたちが彼のヴィオラの絵を描こうとしていた。
ラムジーはこの瞬間、単純な、けれども奥深い真実に気づいた。子どもの考えをかたちづくるのは、その意識の中身を変えるのは、じつにたやすいことなのだ。

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●感想など

恥ずかしながら、「ウェスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ」という存在を知らなかった。素晴らしい活動だと思う。ただ、詳しいことは知らないので、今回はそのあたりに詳しいバレンボイムとサイードの対談集『バレンボイム/サイード 音楽と社会』 のご紹介と、Wikipediaからの引用にとどめたい。この本は次にぜひ読みたいと思っている。


Wikipediaから〕
ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団(West-Eastern Divan Orchestra)
は、1999年にユダヤ系指揮者ダニエル・バレンボイムとパレスチナ系文学者のエドワード・サイードにより設立されたオーケストラである。
楽団の名称はゲーテの著作『西東詩集』(West-östlicher Divan)から命名された。団員は対立を続けるイスラエルとヨルダン・レバノン・シリアなどのアラブ諸国出身の若き音楽家達である。

「二人のパレスティナ人」の章は、バレンボイムの文章力、語りの力を感じた。

そして、そこに紹介されたエピソードには、とても考えさせられた。子どもたちが絵に描くのは、彼らの周りにあるものである。大人たちが作り出す戦争の状況があれば、子どもたちは単純にそれを絵にする。それ以外のものを見たことがないからだ。

オーケストラの演奏を聴いた(見た)子どもたちは、その楽器を描こうとする。自分たちの周りに平和や幸福があれば、子どもたちは自然とそれを描くようになる。環境は、どんなものであれ子どもたちに(もしかすると大人たちにも)深くしみ込んでいくものなのだ。



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