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2013年7月23日火曜日

読書メモ:ピアノはなぜ黒いのか

なんとなく『ピアノはなぜ黒いのか』(斎藤信哉 著)という本を読んでみた。新書版なので一日で読み終えた。意外と面白かった。著者は調律師・楽器店コンサルタント。





まず、日本にヤマハ、カワイ以外にも沢山のピアノメーカーやブランドがあることに驚いた。一覧表が掲載されているのだが、ほとんど聞いたことのない名前ばかりだ。

それにヨーロッパやアメリカのピアノも思ったより沢山のブランドがある。とくに、ヨーロッパのピアノは、歴史があり、こだわりの音を追求しているメーカーも多いようで、とても興味を持った。


プレイエル、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー、シンメル、ザウター、スタインウェイ、グロトリアン、ブリュートナー、ファツィオリ、等々。知っているつもりなのがスタインウェイだけ。

その他は名前を聞いたことがある、程度。ピアノといえば、どのピアノの音もそんなに変わらないものだと思っていたので、機会があれば聴き比べや弾き比べなどやってみたい。

実は、先日オーストリアを旅行したとき、ベーゼンドルファーのショールームを「見た」。あのとき少し弾いてみればよかったと、今さらながら悔やまれる。暗譜で弾ける曲はないのだが…。


もう一つ、眼からウロコというか、感心したのは、「日本の家庭向けの軽量・小音量のピアノがあってもいい」という著者の意見である。実に「なるほど!」である。

今の大音量のピアノは、3,000人入る大ホール向けにスタインウェイが作ったものらしい。家庭用のピアノで、そんなホールの片隅まで響き渡るピアノは要らない。ちなみに、ピアノの音量は電車のガード下の騒音に匹敵するらしい。


家で(とくに日本の狭い住宅で)弾くピアノは、大音量よりも、豊かな音や多彩な表情を持ったピアノの方がいいに決まっている。小音量にすることでかなりの軽量化が出来て、床の補強も不要になったり、2階にグランドピアノを置くことなども出来るかもしれない。

鍵盤のタッチも少し軽くなると嬉しい。どこかのメーカーさん、作ってくれないですかね~♪できれば、木目調がいい。

ちなみに、ヨーロッパのピアノは(コンサートホール用を除いて)木目調が多いとのこと。ピアノが黒いのは、一つは、湿気の多い日本でピアノを製造し始めたときに、高級感を出すためもあって、黒い漆塗りにしたことらしい。



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