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2023年4月17日月曜日

🎹M.リンドベルイ 1958- ピアノの音響による立体造形?エチュードが素晴らしい ♪

一昨日初めて聴いたマグヌス・リンドベルイのピアノ協奏曲がなかなか良かったので、ピアノ作品を少し調べてみることにした。2曲のエチュードなどは素晴らしいと思った ♪





マグヌス・リンドベルイ(Magnus Lindberg、1958年6月27日 - )はヘルシンキ生まれ、フィンランドの現代音楽の作曲家、ピアニスト。ピアノを学んだ後、シベリウス音楽院にて作曲をラウタバーラとパーヴォ・ヘイニネンに師事。

現代音楽の振興と宣伝を目的としたグループ「耳を開け!」(Korvat auki!)の一員として活躍。このメンバーには、カイヤ・サーリアホやエサ=ペッカ・サロネンらがいる。

1981年にパリへ赴き、グロボカールとグリゼイに師事している。この間、シエナでドナトーニの授業に参加したり、ファーニホウ、ラッヘンマン、ヘラーなどと親交を結んだりもしている。

1986年にインターナショナル・ロストラム・オブ・コンポーザーズで第1位受賞後、国際的な委嘱に恵まれた活動を精力的に行っている。


協奏曲はピアノ 3曲、チェロ 2曲、ヴァイオリン 2曲、クラリネット 1曲などがある。ピアノを含む室内楽はピアノ五重奏曲、ピアノ三重奏曲がある。

  1. "...de Tartuffe, je crois..." for piano quintet (1981)
  2. Piano Concerto No. 1 (1991/94)
  3. Piano Trio (2008)
    →Trio for Clarinet, Cello and Piano (arr. 2011-12)
  4. Piano Concerto No. 2 (2011–12)
  5. Piano Concerto No. 3 (2022)

3曲のピアノ協奏曲はなかなか聴き応えがある。



これまでに作曲されたピアノ曲(2台ピアノ、ハープシコードを含む)には下記のようなものがある。全体的に、初期のものほど「現代音楽」の要素が強く、個人的には 2000年以降の作品の方が聴きやすく、かつ聴き応えもあると感じた。とくに、2つのエチュードと "Fratello"、"Promenade" あたりは好みの作品 ♪

  1. 2台のピアノのための音楽(1976)
  2. ピアノのための小品(1977)
  3. ピアノのための3つの小品(1978)
  4. Play I for two pianos(1979)
    1. Movement 1 - Routes 1 - Movement 2 - Prism 1 - Routes 2 - Movement 3
    2. Figures and Points - Mirrors - Figures and Points
    3. Movement 4 - Prism 2 - Routes 3 - Closure
  5. Ground for harpsichord (1983)
  6. ひも Twine(1988)
  7. ジュビリー Jubilees(2000)
    1. I. quarter note = 96
    2. II. quarter note = 64
    3. III. quarter note = 128
    4. IV. dotted quarter note = 64
    5. V. quarter note = 162
    6. VI. half note = 64
  8. エチュード No.1(2001)
  9. エチュード No.2(2004)
  10. Cantus firmus (2012)
  11. Eloge (2014)  from 10 'musical postcards'
  12. Fratello for piano (2016)
  13. Promenade for piano (2017)

YouTube にはそれなりに音源があるようだ。まずは、気に入った 4曲。

二つのエチュードは Ralph van Raat というオランダのピアニストの演奏で、後で紹介する『リンドベルイ:ピアノ作品全集』に入っているもの。

聴きながら感じたのは、ピアノの音響を材料とした「音による造形(彫刻)」が展開されているという印象。空間をピアノの響きが埋めていき、美しい形が構築されていくイメージは好きだ…(^^)♪



ちなみに、楽譜 "Lindberg / Piano Album" の序文で、作曲者自身が "Etude II" について「ショパンの op. 10/2 を思い出させる」と語っているとのこと。楽譜付きの動画は下記。


"Fratello" は「兄弟」という意味のイタリア語で、作曲家 Steven Stucky を偲んで作られた曲。弾いているのは Gloria Cheng という人で、2008年にグラミー賞を受賞している。



"Promenade" は何となく「展覧会の絵」(ムソルグスキー)を思い出しながら聴いてしまった…(^^;)…が、ちょっと似ているところがあるかも…?



その他『リンドベルイ:ピアノ作品全集』という CD には 2004年のエチュード 2 までの全ピアノ曲が入っているようだ。弾いているのは Ralph van Raat(ラルフ・ファン・ラート)というオランダのピアニスト。第2ピアノはマールテン・ファン・フェーンという人。


YouTube にプレイリストがある。


収録曲は下記。
  1. Music for 2 Pianos
  2. 2 Klavierstuck
  3. 3 Short Pieces
  4. Play I
  5. Twine
  6. Jubilees
  7. Etude No. 1
  8. Etude No. 2

3つのピアノ協奏曲の音源も再掲しておく。詳しくは《ユジャ・ワンが初演♪ マグヌス・リンドベルイのピアノ協奏曲第3番 ♪》

ピアノ協奏曲第1番(Pf: マグヌス・リンドベルイ)
♪ M. Lindberg: Piano Concerto / Kraft(プレイリスト)

ピアノ協奏曲第2番(Pf: イェフィム・ブロンフマン)
♪ Lindberg: EXPO - Piano Concerto No. 2(プレイリスト)

ピアノ協奏曲第3番(Pf: ユジャ・ワン)
♪ Yuja Wang: Magnus Lindberg Piano Concerto No. 3 (World Premiere)


楽譜は主に Boosey & Hawkes から出版されているようだ。エチュード I 以降のピアノ作品が集められたピアノアルバム(↓)も出ている。

📘Lindberg / Piano Album (2018/2/1)


解説に委嘱などの情報が載っていたので転記しておく。
  1. Etude I (2001) : Commissioned by the Festival Octobre en Normandie.
  2. Etude II (2004) : Composed as a 60th birthday gift for Paul Crossley.
  3. Cantus firmus (2012) : Composed in tribute to Zarin Mehta, formerly President of the New York Philharmonic.
  4. Eloge (2014) : One of ten 'musical postcards' composed for the tenth anniversary of Casa da Musica, Porto, for presentation as videoson Casa da Musica's website.
  5. Fratello (2016) : Composed for a concert at Walt Disney Concert Hall, Los Angeles, in memory of the composer Steven Stucky.
  6. Promenade (2017) :Composed in 2017 for Victoria Robey OBE, Chairman of the London Philharmonic Orchestra where Magnus Lindberg was composer-in-residence from 2014 to 2017.

以下、参考記事。

✏️マグヌス・リンドベルイ(Wikipedia)

✏️Magnus Lindberg(Wikipedia/ 英語)


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