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2022年1月6日木曜日

🎹A.カベソン 1510-1566 オルガン音楽の発達に貢献した Tiento

鍵盤音楽史の勉強、最初の作曲家は、ルネサンス時代、スペインの作曲家・オルガニストのアントニオ・デ・カベソン(Antonio de Cabezón, 1510-1566)。




カベソンは幼児期に失明したが、作曲家・オルガニストとして活躍し、鍵盤楽器のための作品を数多く残した。カルロス1世やフェリペ2世の宮廷オルガニストとして、2度にわたってヨーロッパを旅行し、他の宮廷に仕える主要な音楽家たちとも親交を持った。

生前に出版された作品は 40曲ほどだが、死後、息子のエルナンドによって刊行された「オブラス・デ・ムジカ」(Obras de música para tecla, arpa y vihuela :Madrid, 1578)には、275曲のオルガンや鍵盤楽器のための作品が収められている。これ(↓)はその表紙。




作品の種類としては、「ディフェレンシアス」Diferencias(変奏曲)、「ティエント」Tiento、そして、当時流行していたジョスカン・デ・プレ(Josquin Des Prez, 仏, 1450?-1521)の声楽曲を鍵盤楽器用に編曲した Intabulations などがある。

「ティエント」とは、イベリア半島に発生したポリフォニー様式の器楽作品の様式で、のちには鍵盤音楽(主にオルガン)の一分野を指す言葉として使われた。

カベソンのティエントは、即興的な前奏とリチェルカーレを元にした比較的厳格なもので、オルガン音楽の発達にも多大なる貢献をしている。

以上、主な出典は下記。

✏️Antonio de Cabezón(Wikipedia/英語)

✏️アントニオ・デ・カベソン(Wikipedia)

✏️カベソン:ティエントと変奏曲全集(ウィルソン)(NAXOS)


代表曲としてよくとり上げられているのが「騎士の歌によるディファレンシアス」(Diferencias sobre el Canto del Caballero)。

中村香織さんのチェンバロによる演奏を聴いた。独特の雰囲気がチェンバロの響きによるものなのか、ルネサンスという時代のものなのか、初めて聴く私には分からないが、割と好きな感じの音楽ではある ♪

♪ Antonio de Cabezón: Diferencias sobre el Canto Llano del Caballero(Kaori Nakamura)


IMSLP に楽譜があったので少し弾いてみた。フレーズの感じが慣れ親しんでいる曲とは違うようなので、どう弾けばいいのかよく分からない…(^^;)。




それから、ティエントについても YouTube の検索で出てきたいくつかを聴いてみた。"Tiento de primer tono"(第1旋法のティエント)のように、使っている「旋法」が書かれている。



上の二つはチェンバロによる演奏。下のものはオルガンによるものだが、今回聴いた中で一番気に入った曲かも知れない ♪



音源も意外と?沢山あるようで、「オブラス・デ・ムジカ」の全曲を収録した CD セットなども出ている(↓)。

カベソン:「オブラス・デ・ムジカ」全集



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